映画『鬼滅の刃 無限列車編』を観てきた原作未読勢(長男)の感想


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 観た。燃えた。笑った。泣いた。
 こちらからは以上です。

 

※以下、直接的なネタバレは避けて書いた感想です※

 

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映画館の大スクリーンで煌めく「炎」の戦い

 ――というわけで、観てきました。
 映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

 いやー、すごかった。安定と信頼の「ufotableによる劇場アニメ」ということでワクワクしながら映画館へと向かったわけですが、期待以上でございました。

 全編アクションシーン……とまでは言わないものの、大画面で見る長尺の戦闘の迫力は尋常じゃない。特に今回の『無限列車編』は炎柱・煉獄杏寿郎が活躍するエピソードということもあって、「炎」のエフェクトがむちゃくちゃ映えるのなんの! 画面から火花が散っているんじゃないかと思えるほど……というのは、さすがに言い過ぎかしら。

映画『鬼滅の刃 無限列車編』感想「炎柱・煉獄杏寿郎のアクションがかっこいい」

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 本予告 - YouTubeより

 そもそも戦闘シーンが「夜」に集中していることもあり、テレビ版では暗闇で煌めく “呼吸” のエフェクトが強く印象に残っていた本作。水の呼吸……いいよね……北斎感あって最高だよね……。

 そのめちゃくちゃにカッコいい “呼吸” のエフェクトが劇場版で、「暗い映画館内の大スクリーン」に大きく映し出されるとなれば、そりゃあ迫力も臨場感も段違いって寸法っすよ! 暗闇に「炎」は映えるし、カッコいい。――というか言ってしまえば「炎系能力者」なわけで、そんなのバトル漫画大好き男子にとっては王道かつ大好物じゃないですかやったーーー!!

 何より、先日の『Fate [HF]』第3章に続いて、立て続けにufotableの劇場アニメを観られる幸せ……。ありがたやありがたや……。

長男だけど我慢できずに泣いた

 「『鬼滅』(もしくはufotable)といえば戦闘シーンがすごい!」という印象も強い一方で、肝心のストーリーもよかった。……うん、よかった……よかったんだけど、炭治郎をいじめないであげてほしい……。

 原作未読とはいえ、すでに映画館やらネットやらでPVを観ていたこともあり、なんとなくいろいろと察せられる部分はあったんです。「夢」に「家族」ときたら、そういう展開と演出があるんだろうなと。甘い希望と、絶望と、後悔と、葛藤と、そして別離が再び描かれるんだろうなと。

 そんなものを見せられて、涙腺が耐えられずはずもなかった。

映画『鬼滅の刃 無限列車編』感想「夢の中での家族との再会に泣いた」

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 本予告 - YouTubeより

 個々のシーンを切り取るだけでも泣ける場面がいくつもあったんだけど、映像よりも「音」で泣かせにくるからヤバい。炭治郎を演じる花江夏樹さんの演技と、(おそらくは)椎名豪さんによる劇伴。両者が揃うことで、眼前に映し出される情景とキャラクターの心情がよりくっきりとした輪郭を伴って感じられ、そうして物語に入り込みまくった結果、涙腺をぶっ壊された格好でございます。

 特に今回の劇場版では、花江さんの「泣き」の演技が際立って光っていたように思う。劇中で何度か涙を流す炭治郎の、その場面によって異なる心情――悲嘆の涙だったり、温かな涙だったり、悲しみに暮れつつも前を向こうとする声だったり――がダイレクトに伝わってきたことで、強く共感して泣けてしまった。――俺が、俺たちが、炭治郎だ! だって、長男だし!(暴論)

映画『鬼滅の刃 無限列車編』感想「花江夏樹さんの『泣き』の演技がすごい」

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 本予告 - YouTubeより

 そしてテレビ版以上に印象に残ったのが、それらシーンの背景で流れている音楽。どこか不穏さを帯びていた「夢」の中でのピアノの音色が、別のシーンの別の曲では温かく優しい音色になって聞こえてくる。ズルい。耳に入ってきた瞬間に「あ、こりゃ泣くわ」と察せられたくらい。サントラ欲しい。

 その「泣き」の感情が最高潮に達したのが、終盤のシーン。

 それまでは「声」と「音楽」で涙腺を緩まされていたのに、最後の最後で映像にやられた。詳しくはネタバレになるので伏せますが、俯く炭治郎の背後に映った人物の姿と、その映し方――エフェクトとかカメラの切り替えとか――が、あまりにも美しかったんですよね……。お約束といえばお約束なんだけど、その「見せ方」が驚くほどに自然できれいだった。魅せられた。

 その結果が、冒頭のツイートです。長男だから泣くのは我慢しようと思ったけど、やっぱり泣いた。隣の席のお姉さんが泣いてたから自分は耐えられると思ったけど、それでも泣いた。長男だから、長男だけど、我慢できずに泣いた。長男云々はただ言いたいだけですねはいすみません。

 ちなみに「音」については、立川シネマシティの極上音響上映で観たから、というのもあるかも。戦闘シーンでは迫力のサウンドで全身を震わされ、感動シーンでは声優さんの声が突き刺さる、極上の音響体験。シネマシティはいいぞ。

そうだ、原作読もう。

映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』予告編・炭治郎

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 本予告 - YouTubeより

 もともとは「ufotableがジャンプ作品をアニメ化するんだって〜!」と聞いて観るようになった、アニメ『鬼滅の刃』。それが最終話までリアルタイムで追うくらいには楽しめたので、原作も読もう――と思いつつ、タイミングを見失ったまま今日まで来てしまいました。

 それが、改めて「劇場版」という形でこの作品にふれて、「こりゃもう次の映像化まで待ってらんねえ!」という気持ちになっている現在。せっかくだし、最終巻が発売されたタイミングで一気読みしようかなーと考えている次第です。

 それにしても世間の『鬼滅の刃』ブームの勢いは想像以上で、普段は積極的にアニメや漫画にふれない層にも届いているっぽいからすごい。「普段は過去の洋画をひたすらリピートしているうちの親父(ジブリ以外のアニメを観ている姿を目にしたことがない)が、先週の土曜プレミアムを最初から最後まで母親と観ていた」と聞いたときには、驚きのあまり変な声が出た。鬼滅しゅごい……。

 そんなこんなで、「原作未読勢が映画『鬼滅の刃 無限列車編』を観てきたら、むちゃくちゃ楽しめたよ!」という感想でした。最終巻はよ。あと余談ですが、上映前に流れた予告編が全部観たい作品だった件(『Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット-』『ポケットモンスター ココ』『シン・エヴァンゲリオン劇場版』)。

 

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

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