「世の中を良くする不快のデザイン展」に行ってきた


4月上旬に、「世の中を良くする不快のデザイン展」に行ってきた。

会場のGOOD DESIGN Marunouchiはちょっとしたギャラリーのようなスペースで、展示内容はあっさりめ。サクッと見られる入場無料の企画展として、用事ついでにふらっと入るくらいがちょうどいいのかもしれない。

ただ、企画展としてのボリュームは小さめとはいえ、展示内容はSNSで話題になっているとおり、興味深く楽しめるものだった。「街中で見るこれって、そういう意図でデザインされていたのか!」と初めて知る知識のほか、「そういえば大学の講義でそんな話あったわ〜!」などと数年ぶりに思い出したこともあり、未知と既知の情報をバランス良く摂取できる場だったように思う。――いや、すっかり忘れていた知識は“既知”ではありませんね、はい。

それぞれの「デザイン」に対する解説文もわかりやすく、これまたいい具合に知的好奇心をツンツンしてくれるから楽しい。

たとえば、言われてみれば納得できる現象や行動について、「パレイドリア効果」「コントラフリーローディング効果」などといった名前がついていることだとか。名前は覚えずとも、「そういうものがあるんだな」とその場では納得できるし、次に街中でそれを見かけたときに「不快のデザイン展でやったところだ!!」と思い出せる。ちなみにこの現象を、「進研ゼミ効果」と言います(言わない)

進研ゼミはさておき、解説文が全体的にわかりやすく、親切に感じられた点は印象的だった。「コントラフリーローディング効果」なんて言われても「ハァ?」と『ちいかわ』のうさぎになりそうなところを、「この効果は別名『イケア効果』とも呼ばれていて……」とあわせて説明することによって、「なるほどな〜!」と納得させてくれる。ほかにも、会場内の別の展示と関連させて説明していたり、それでいて「どこから見てもOK!」という構成になっていたりと、来場者への配慮が行き届いているように感じられた。

「不快のデザイン展」なのに、痒いところに手が届く。とっても「快」です。そんな気持ちのいい展示会場で、圧倒的な不快感を放つモスキート音も、だがそれがいい。

「世の中を良くする不快のデザイン展」は、東京のGOOD DESIGN Marunouchiにて、4月23日まで開催。週末は整理券が配布されるほどの盛況っぷりだったらしいので、もし空き時間を確保できるようであれば、平日の日中に行くといいかもです。

 

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