ぐるりみち。

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「Fate[HF]」2章感想|オルタの戦闘に興奮し、イリヤと切嗣の補完に泣き、慎二に感情移入した

 

オルタ戦、マジでヤバくね?(語彙が死んだ感想)

 

──はい、というわけで、第1章に引き続き観てきました。

10年以上待ち望んでいた『Fate/stay night』桜ルートの映像化。その映画の第2章『劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」 Ⅱ.lost butterfly』が昨日から上映開始となり、速攻で映画館に足を運んでまいりました。

 

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不穏と崩壊、正義と利己

第1章の感想はこちら↓

ランサーvsアサシンに代表されるアクションの見せ場もあったものの、物語の導入部としのイメージも強かった第1章『presage flower』。原作の共通ルート部分はダイジェストで流しつつも、士郎と桜の出会いを事細かに描くなど丁寧に作り込まれている印象がありました。

続く今回の第2章は、序破急で言う「破」の部分。

1章で漂いつつあった不穏な空気が物語全体に充満し、舞台がぶっ壊される段階。聖杯戦争の仕組みが破壊され、別ルートでは中心的な立ち位置にいたサーヴァントが次々と退場し、キャラクター間の対立関係が明らかに。そして、主人公・衛宮士郎のひとつの決断によって、「人間の物語」が幕を開ける。

劇場版「Fate/stay night [Heaven‘s Feel]」Ⅱ.lost butterfly CM

劇場版「Fate/stay night [Heaven‘s Feel]」Ⅱ.lost butterfly CM第二弾 - YouTubeより

それすなわち、「桜だけの正義の味方になる」という決意。

「桜ルートにおけるエミヤシロウの “正義” 」と言えば、それこそ10年以上も前から繰り返し語られてきた話題だと思う。切嗣から引き継いだ「正義の味方になる」という借り物の理想が、「人助けのためならば己の犠牲も厭わない」という精神性に結びついてしまった破綻者。それでもなお「間違いなんかじゃない」と現在・未来の両方を肯定していく『UBW』のアツさが個人的には好きなのですが……まあそれは置いといて。

それが『HF』では「桜だけの正義の味方になる」とただ1人だけを守ることを決断することで、他のルートとは異なる道を歩むことになる格好。そしてその分岐点が描かれるのが、此度の『lost butterfly』であるわけです。ただ、アーチャーが警告したようにその先には破滅しかなく、身体も徐々に常人ではなくなっていくのが皮肉っぽいよね……。

 

イリヤと切嗣、士郎と慎二

第2章の見どころとして、多くの人が「バーサーカーvsセイバーオルタの戦闘シーン」を挙げるのは間違いないはず。

劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」 Ⅱ.lost butterfly 特報

劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」 Ⅱ.lost butterfly 特報第1弾 - YouTubeより

“影” に翻弄されながらも獣じみた動きと重量感で劇場のスクリーンを駆け巡るバーサーカーに対して、容赦なく宝具を連続でぶっ放しながら軽くいなしてしまうセイバーオルタの強さ。あまりにも圧倒的に描かれているもんだから、シン・ゴジラ初見時を彷彿とさせる絶望感を抱くほどだった。ふつくしい……。

立川シネマシティの極上爆音上映で観たこともあってか、それこそ「怪獣映画かな?」と感じるほどの轟音と迫力を感じられた両者の戦い。他方では要所要所でアーチャーも活躍しており、特にラストはいろいろとズルかった。完全に『UBW』を前提としたあれこれが入っていて、「マジかぁぁぁ」ってなったもの。

そういったアクションの見せ場が複数ある一方で、会話劇とキャラクター同士の関係性を掘り下げるエピソードも印象的だった。おそらくは原作にはない要素もあったんじゃないかしら……?

劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」 Ⅱ.lost butterfly 本予告

劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」 Ⅱ.lost butterfly 本予告 - YouTubeより

たとえば、イリヤ切嗣の関係。

切嗣の名前を聞いて不機嫌になったかと思えば、士郎が切嗣とは違う道を歩もうとしていることを察したときには優しい声をかけていたイリヤ。完全に “お姉ちゃん” でキュンときた。それに後半には『Zero』での関係性を補完するかのようなシーンもあって、不意打ちで泣きそうになった。

劇場版「Fate/stay night [Heaven‘s Feel]」Ⅱ.lost butterfly 15秒CM

劇場版「Fate/stay night [Heaven‘s Feel]」Ⅱ.lost butterfly 15秒CM - YouTubeより

同じく記憶に残ったのが、慎二の立ち位置。

パンフレットで「新しい解釈を加えてくれる描き方」だと神谷浩史さんが話していましたが、本当にそんな感じ。図書室のシーンでは彼に強く感情移入してしまったし、士郎との対比が辛いばかりだった。結局のところは、不幸なすれ違いの積み重ねっぽくもあるのよね……。

あとはアレっすね。劇中では数少ないほっこりシーンのひとつである、凛と桜の共同作業が最高っすね。桜から「姉さん」と声をかけられた凛の顔と反応、かわいすぎか。

 

次回予告で泣いた

他にもメルヘンワールドあり、本領発揮したライダーさんの戦闘シーンあり、ギルガメッシュの見せ場(?)あり、そして「そういえば原作は──」と改めて思い出させてくれるエッッッッなシーンありと、見どころが盛りだくさんだった第2章。えっちぃあれこれはどうするのかと思ったら想像以上だったでござるうふふふふ。

──そうなんです。それだけ見どころがたっぷりで、すっごく丁寧に作られていたからこそ、最後の第3章がちょっと不安で、でも待ち遠しくて仕方がないのです。

と言うのも、てっきり第2章で原作の「Nine Bullet Revolver」あたりまで進むのかと思っていたので……。それが思いのほかゆっくりペースで(省略はされているものの)丁寧に展開していくから、第3章のカロリーがとんでもないことになるんじゃないかと。……だって、もうあと残り、見せ場しかなくない??

『HF』2章・パンフレット

──なーんて考えながらスタッフロールを眺めていたら、その後の次回予告っすよ。それら見せ場をあんなふうに見せられたら、そりゃあもう信じて期待するしかないわけです。ありがとうufotable。ありがとう須藤監督。2020年まで、何としても生き残らなければならない理由ができました。

そんなこんなで、『劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」 Ⅱ.lost butterfly』は全国の映画館で上映中。そして最終章『Ⅲ.spring song』は2020年春の公開予定となっています。

いろいろと節目のイメージもある年の桜の季節ということで、きっと何が何でも同時期に合わせてくるはず。原作の『Fate』本編ではラストとなるあの泥臭い戦いを、映画館の大スクリーンで観られる日が、待ち遠しくて仕方がない……!

 

©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
公式サイト:劇場版「Fate/stay night[Heaven's Feel]」

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