2017年上半期発売!おすすめのマンガ14冊をまとめたよ


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 過去の名作、誰でも知っている作品のランキングも良いけれど、最近、続々とおもしろいマンガが登場していると思いませんか?

 そこで今回は「2017年上半期に1巻が発売された新作マンガ(あるいは短編集)」に絞って、特にお気に入りの14作品をまとめました。拙い紹介ではございますが、よかったら参考にしてください。

 

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『とんがり帽子のアトリエ』白浜鴎

 これほどまでに「魔法」にわくわくさせられたのは、小学生のころに読んだ『ハリー・ポッターと賢者の石』以来かもしれない。

 生活を便利にする夢のような魔法と、世界を覆う大きな秘密。魔法使いの師弟関係に、これから始まる冒険への期待。そして忘れちゃいけない、「力」としての魔法の負の側面。少年時代にワクワクドキドキさせられた「魔法」の魅力がぜーんぶ詰まった、すっごい素敵なマンガ。

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白浜鴎『とんがり帽子のアトリエ』(1) P.115より【©KAMOME SHIRAHAMA 2017】

 本作の主人公は、魔法が当たり前の世界にあって、幼少期からその神秘に憧れ続けている女の子・ココ。彼女の暮らす村の人たちが「便利だけど身近な存在」として魔法を享受しているように見えるのに対して、それを目の当たりにするだけで興奮して浮足立ってしまう女の子。かわいい。

 そんなココと一緒に「見てはいけないもの」を覗くドキドキを味わうことができるのが、本作の魅力のひとつ。「そう来たか!」と魔法の仕組みに納得しつつ、実際に初めて魔法と相対して、神秘が眼前に現れる――その瞬間のワクワク感は、自分を子供に回帰させるほど。とにかく全力で「王道ファンタジー」を往く、心底から惚れた作品です。

『わたしと先生の幻獣診療録』火事屋

 時代の「変革期」を描いた物語は、いつだって心躍らされるもの。一口に言えば、「『魔術』が『科学』に取って代わられつつある時代で奮闘する、小さな魔術師と無愛想な獣医師、2人と幻獣とのふれあいファンタジー」、それが本作。

 ファンタジー風の表紙を見て「魔法使いと弟子」的なコンビかと思ったら、「獣医師とその見習い(魔術師の血筋)」という組み合わせ。神秘としての「魔術」に対して、科学としての「医療」の側面から描き出しつつ、個性豊かな「幻獣」たちと向き合う、心優しい少女の物語。

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火事屋『わたしと先生の幻獣診療録』(1) P.45より【©火事屋/2017 MAG Garden corp.】

 1巻で登場する幻獣は、リンドヴルム、サラマンダー、ヴォルパーティンガー、アルラウネ、ケルピーといった、RPGなどでもおなじみの伝説上の動物。どの子も何かしらの問題や病を抱えているわけだけれど、それぞれに逸話と絡めて語られていて興味深い。

 絵本のようにかわいらしいキャラクターと幻獣にほっこりしつつも、設定の妙と世界観に自然と惹き込まれる。正統派ファンタジーであり、医療マンガであり、魔術師としても獣医師としても未熟な少女の成長物語。どこか民族学的な雰囲気も感じられ、好みの作品です。

『竜と勇者と配達人』グレゴリウス山田

 中世ファンタジー然とした世界で労働に勤しむ、ハーフエルフの配達人の生活を描いたお仕事マンガ。RPGのシステムやファンタジー世界の「お約束」に切り込んだ内容となっており、よく知る “ジョブ ”の人たちが生き生きと働いている様子は読んでいて楽しい。

 例えば、やたらと大所帯な「勇者」御一行の面々を見ると、前線で戦うおなじみの「戦士」や「魔術師」のほかにも、「刀鍛冶」「武具持ち従者」「車力」「酒保商人」「カレー係」といった専門職たちがぞろぞろ。むしろ非戦闘員の数のほうが多いほどである。

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グレゴリウス山田『竜と勇者と配達人』(1) P.44より【©グレゴリウス山田/集英社】

 そのなかには、上のような「経験値記録官」の姿も。――そう、なんとこの世界、 “経験値” は申告制なのだ! でも言われてみれば、一定の経験値がたまってテレッテッテーするのはデジタル世界ならではの感覚よね……。それにしても申告制とは……確定申告……うっ、頭が……。

 配達人という職業ならではの「紙」事情や、街の外で魔物と遭遇したときの狩猟権の問題、技術不足を魔法で補った結果として顕在化した魔術師の過重労働など、切り口はさまざま。それこそリアルにおいても無縁ではない労働事情が描かれており、胃痛を伴いながらも興味深く読むことができた。

『どこか遠くの話をしよう』須藤真澄

 舞台は山岳地帯。のどかな村で暮らす少女の前に現れたのは、記憶喪失で言葉の通じない中年男性。少女と男の交流は心温まるものであり、現代文明とは少し離れた民族的な村の暮らしも、ほのぼのと魅力的に描かれている。……それだけならば、よかったのだけれど。

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須藤真澄『どこか遠くの話をしよう』(上) P.9より【©Masumi Sudo 2017】

 物語の核となるのは、「モノと会話することができる」少女の力。男の持ち物と “話す” ことで少しずつ明かされていく、彼の過去と悲しい出来事。そして後半、男の持ち物が語る “西暦” が、現在の時間とズレていることが判明する。ほのぼのファンタジーかと思いきや、タイムスリップ……だと……?

 穏やかな日常と、村の人々と男との心温まる交流から一転。物語が進むに従って謎は深まり、不穏な空気が漂いはじめる。かわいらしい絵柄とは裏腹に、なぜだか悲劇を想像してしまうドキドキ感。次巻予告の “過酷な運命” という一文も相まって、どういった結末を迎えるのか楽しみでならない。

『CICADA』バナーイ、山田玲司

 舞台は「漫画」の所持が犯罪とされる未来の日本。漫画を燃やす焚書官であり、最下層民として暮らす主人公・レムが、『うる星やつら』と出会ったことで始まる物語。

 序盤こそ少し絵柄が見づらい印象も受けたものの、気づけば作品世界に惹きこまれていた。理不尽に燃やされるおなじみの「漫画」たちと、当たり前に感じていたそれら作品群が持つメッセージ性。自分がどれだけ漫画に救われていたか、何を好きだったかを思い出させてくれる。

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バナーイ、山田玲司『CICADA』(1) P.146より【©Reiji Yamada/Bana_i 2017】

 なにより、物語を彩る往年の名作漫画たちの存在が大きい。1巻では『うる星やつら』『ベルサイユのばら』『鉄腕アトム』が物語にも関わってくるほか、『のだめカンタービレ』『最終兵器彼女』『シュトヘル』が登場する。

 そして、本作のタイトルでもあり、「漫画を現実にする能力」を持つ「シカーダ」たちの存在。それがどういった存在であるのかはまだ明らかになっていないものの、こんなものを見せられて、ワクワクしないはずがない。 “寂しくて死にそうな人のために” 紡がれる本作、ぜひ手に取ってみてださい。

『また、片想う。』タチバナロク

 男子2人に女子1人、仲良し3人組の、よくありがちな三角関係――そう思っていた読んでいたはずなのに、どうしてこうなった。前評判も何も調べず、なんとなく表紙とタイトルに惹かれて手に取ったので、後半の想定外の展開に面食らったのでした。

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タチバナロク『また、片想う。』(1) P.42【©TACHIBANAROKU 2017】

 「2人の異性のあいだで揺れる1人」という構図は、小説やマンガにおいては慣れ親しんだもの。 “友人以上” に進展する関係性に思い悩み、でも秘めていた想いを知ってしまえば後戻りはできず、それでも決断できずにいた結果、何らかの後悔をする。――うん、王道と言えば王道だ。

 ところが、その「後悔」は予想外の方向へ。1巻時点はまだ導入部であり、具体的にはどちらへ向かうのかわからない。みんな大好き「○○もの」なのか、はたまた変化球で「△△系」なのか。それでもすでに、切ない青春模様と面倒な青臭さが溢れんばかりに感じられるので、今後が気になる。

 それと本筋とは関係ないけれど、「清瀬」に「秋津」ときたら、次は「所沢」が登場するのかしら……。

『初情事まであと1時間』ノッツ

 アニメでもドラマでも映画でも、(一応は)全年齢向けとして許されている、恋人同士の「事後」の描写。朝チュンに煙草プハー、ピロートークに賢者タイム……うん、よく見るやつだ。

 でも、ちゃうねん! えっちなところも見たいけれど、そうじゃないねん! 「事後」も「真っ最中」もほどほどでよくて、それよりも行為に至るまでの過程である「事前」が見たいんや! ――という、一部の層のニッチな願いを汲んでくれた、至高の “事前オムニバス” 、それが本作だ。

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ノッツ『初情事まであと1時間』(1) P.127【©KNOTS 2017】

 初々しい高校生カップルや、大学の先輩後輩をはじめ、漫画家と編集者、政略結婚させられた王子と姫、宇宙人に拉致られた初対面の男女、魔王城を前にして全滅の危機に瀕している勇者と魔法使い――など、なかには特殊なシチュエーションの “事前” も。宇宙人のは声に出して笑った。

 ギャグっぽいものもあれば、ちょっと良い話もあり、ラブコメ短編集としても普通に楽しめる。実は本作、すでに同人誌版が手元にあるのだけれど、結構な加筆があると聞いて、迷わずポチってしまったのでした。あ、まだ書籍版は読めていないけれど、『やれたかも委員会』も好きです。

『魔王の秘書』鴨鍋かもつ

 300年の封印から目覚めた魔王。世界征服のために有能な人間を捕らえて研究しようとしたところ、自ら進んで拉致られてきたのは、超絶有能な「秘書」だった――! これを読めば、間違いなくあなたの会社も業績アップ! 明日から実践できる、組織改善ファンタジー!

 ――といった感じで、いろいろとぶっ飛んだ本作。もともとは同人誌として発表されたものが、Twitterなどで話題を呼んだことで晴れて書籍化。ほかのマンガと比べてもAmazonレビューのコメントが多く、注目作のひとつと言えるでしょう。

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鴨鍋かもつ『魔王の秘書』(1) P.39より【©鴨鍋かもつ 2017】

 眼鏡っ娘の秘書があまりにも淡々と世界征服&人間殲滅のプラン説明するため、それを見て、思わず人間たちに同情してしまう魔物たちが人間じみていてかわいい。ついでに、普段はポンコツで酒に逃げがちな魔王さまも。秘書と部下たちに乗せられ、ろくろを回す魔王、とは……。

 類似作品で見られるような「勇者と魔王」の関係性への言及は(1巻時点では)少なく、魔王軍を「組織」、魔王城を「職場」として捉えて改善を試みるという、どちらかと言えば「お仕事マンガ」っぽい内容になっているのがおもしろい。『プロジェクトX』風のシーンは笑った。

『ぱらのま』kashmir

 Twitterで見かけた本作のワンシーン*1に共感し、思わずポチってしまった衝動買いの1冊。鉄道ファン向けと聞いて若干のハードルの高さを感じていたけれど、読みだしたら止まらなかった。

 主人公は、ノリと勢いであっちゃこっちゃへと飛びまわる、自由闊達な “残念系お姉さん” 。そんな彼女に導かれるまま気の向くまま、週末はふらっと電車に飛び乗り、思わずどこかへ出かけたくなる旅行マンガ。「一人旅あるある」な要素も強く……下記シーンなんて、まるっきり僕である。

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kashmir『ぱらのま』(1) P.44より【©kashmir 2017】

 全体を通して読んでいて思ったのが、本作ならではの魅力として、各話における「旅先」の描き方があるんじゃないかと。何と言うか、訪れる街はあくまで一要素でしかなく、その土地土地の魅力を「おすすめポイントォ!」としてむやみに前面に出していない印象。

 「この街にはこんな観光スポット(名産)がありますよー」と端的に紹介してはいるものの、メインは「移動中の景色」や「旅の楽しみ方」。「そういう旅もありか!」と、参考にしたくなる内容だ。「電車好き」はもちろんのこと、「一人旅好き」な人にもおすすめできる、鉄道小旅行です。

『おとなのほうかご』イチヒ

 疾走感あふれる、31のショートコメディを収録。一癖も二癖もある男女(主に女性側がぶっ飛んでる)が繰り広げる、ドタバタラブコメ……いや、ラブはあるのかどうか……あっても全体的に重いというか…… “強い” ? そう、ストロング・ラブ・コメディである。つよい。

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イチヒ『おとなのほうかご』(1) P.3【©Ichihi 2016】

 なんたって、1話の1ページ目からしてこれである。タイトルのとおり、各エピソードで登場する男女のなかには “おとな” が多いものの、年齢と問わず個性豊かなキャラクターたちが魅力の作品。

 教師に色目を使うJSに、居酒屋の強面店長にホの字のクーデレJKに、愛しの彼の声を聴くためにワン切りするストーカーOLなどなど。とってもゆるふわ、思わずクスッと笑える物語は、ぜひとも仕事後の1杯と一緒に楽しみたい。あと、天野さんかわいい(かわいい)。

『明るい記憶喪失』奥たまむし

 Twitter発、タイトルそのままの関係性が描かれる、 “ひたすら明るい記憶喪失百合コメディ” 。「記憶喪失」という一般的には重苦しい要素があるものの、終始がほんわかとしたノリで展開する、社会人百合でございます。

 数年分の記憶がなくなってしまったアリサと、その恋人であるマリ。昔からの家族や友人知人の記憶は残っていても、2人が付き合っていた期間の記憶と思い出はまるごと失われ、さぞや悲嘆に暮れることになる――と思いきや、そんなことはなかった。2度目の一目惚れを経て、出会って5秒でメロメロである。……なんだこいつ、チョロかわいいぞ!

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奥たまむし『明るい記憶喪失』(1) P.5【©Oku Tamamushi 2017】

 アリサがあまりにポジティブで、かつ記憶を失ってもマリにメロメロなせいか、シリアスな要素はほぼ皆無。むしろ「こんなに素敵な女性とイチャラブしていた記憶を失う前の私、うらやま!!」と自分を羨ましがるくらいであり、「あ、この娘なら大丈夫だわ」という安心感がすごい。

 とにもかくにも、マリの心配をよそに喜びはしゃぐアリサが初々しく、それにまたキュンキュンさせられているマリもかわいい。「良い」とか「ほっこり」とか「尊い」とかいった表現よりも、総じて「 か わ い い 」という言葉がしっくりくる百合マンガです。

『衛宮さんちの今日のごはん』TAa

 数多くのスピンオフ作品が出ている『Fate』シリーズだけれど、まさか公式で「お料理マンガ」が出てくるとは思わなんだ……。

 主人公・衛宮士郎がサーヴァントたちにごはんを振る舞うだけのお話かと思いきや、それだけではございません。桜に料理を教える凛、和食作りに奮闘するキャスター、イリヤのひなまつりなどなど、「食と日常」にまつわるほんわかエピソードが盛りだくさん。アニメでも見たい……。

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TAa『衛宮さんちの今日のごはん』(1) P.74より【©TAa 2017/TYPE-MOON/Makoto TADANO 2017】

 なかでも第6話「はじめてのハンバーグ」のエピソードは、いろいろとね……ズルいよね……(良い意味で)しっかりと料理監修も入っており、各話の最後には登場した料理のレシピも掲載。実用性まで考慮した、読んでほっこり、作っておいしい、最高のお料理マンガです。

『春と盆暗』熊倉献

 4つの短編が収録されたオムニバス。間違いなく恋物語――ではあるのだけれど、その内容はちょっと不思議で味わい深い。本作に登場するのは、一見するとかわいらしい女子であり、はたまた真面目で冴えない男子だったりするのだけれど、誰しもどこか「空想」の世界に浸っている。

 そこには、月面に向かって標識をぶん投げる女性店員さんがいて、中央線の駅名を冠する女性に日本沈没を夢想する鉄道オタクがいて、サボテンとアロサウルスの友情があって、粉砂糖の粉塵爆発によって人類が死滅した世界がある。……何を言っているかわからねーと思うが、あるっちゃある。

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熊倉献『春と盆暗』P.36より【©Kon Kumakura 2017】

 この手の「空想」を描いたマンガは理解や解釈が難しく、最終的に「よくわからん不思議な話だった」で終わるようなパターンも少なくない。けれど、本作はどの話でも男女をつなぐ鍵として「空想」の存在があり、最後は自然と腑に落ちる展開となっているような印象を受けた。

 思春期のそれに、軽く現実味を帯びせたようにも見える本作の「空想」は、気分を切り替えるスパイスとして極上でありながら、同時にほんのり甘酸っぱい読後感を得られるもの。大人になり薄らいでしまった「空想」を再発見したい人に、おすすめしたい1冊です。

『百合百景』はちこ

 十人十色……もとい、百人百様……いや、 “二百人百様” のカップルのシチュエーションを描いた、ショートコミック集。津波がごとく押し寄せる百合畑の奔流には抗いようもなく、鼻血を垂れ流しながらサムズアップして沈んでいくような感覚を覚えた。百合はいいぞ。

 ウェブ上で公開してきた作品の詰め合わせであり、1作品1〜4ページ程度で描かれるのは、100組の百合カップルのシチュエーション。全体的にソフト(多分)な絡みが多めながら、同時に寸止めも少なくなく、自然と妄想がはかどりんぐ。しかもなんと、フルカラーでこのお値段である。

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はちこ『百合百景』P.105より【©Hachiko 2017】

 このようなシチュエーションが延々と続くため、「寝る前にちょっと……」的な読み方をするのは勧められない。こんなのを100ページ以上にわたって見せられて、「百合成分を補給したし、今夜は幸せな気持ちで眠れるゾ☆」なんてことになろうか、いやなるまい。鼻血の海に沈もう。

 

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