『Fate/Grand Order』をサービス開始から遊んできて思うこと


Fate/Grand Order FGO 霊基一覧うちのカルデア。全クラス☆5がそろうのはいつになるのか……。

 早いもので、『Fate/Grand Order』の配信がスタートしてから1年以上が経った。サービス開始当初は「Fateシリーズのお祭りゲー」という印象が強かったものの、今となっては、独立したタイトルとしてすっかり大好きな作品に。フォウフォーウ!(※FGOはいいぞ)。

 そんな本作もメインシナリオが佳境に突入し、今夜からいよいよ最終決戦のレイドイベント。この数ヶ月、Twitterを見るかぎりでは新規ユーザーも次々と参入しており、いろいろな層を取り込みながら、年末年始を駆け抜けることになりそう。楽しみでござる。

 途中、プレイから離れた時期も一時期あったけれど、1年半近くを存分に楽しませてもらったゲームアプリ『Fate/Grand Order』。イベントで完結するーーというわけではないと思うけれど、2016年末の人理焼却を前に、思うところをつらつらと書いてみました。

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 ※12/23追記:どういうことなの……。

古参ファンも新規ユーザーも楽しめる

Fate/Grand Order FGO 公式サイト
スマホでフェイト!|Fate/Grand Order 公式サイト

 『Fate/Grand Order』は、2015年7月末にリリースされたスマートフォン向けアプリ。上記スクリーンショットは2015年8月1日の公式サイトのものですが、当時の事前登録者70万人に対して、現在は700万ダウンロードを突破。『Fate』ファン以外にも波及しているらしい。

 事実、自分の周囲でも、別にオタクでなければゲームもあまりやらない妹が、いつの間にか「FGOおもしろいねー」などと遊んでいたくらい。理由を問いただしてみたところ、「バベッジさんがかわいいから」との話。……せ、せやな……スチームパンクっぽいデザイン、好きだったもんな……。

チャールズ・バベッジ Google検索結果
チャールズ・バベッジ - Google 検索

 ──そう、19世紀の天才数学者が見るからに「ロボだこれー!」な姿で登場しているとおり、『FGO』には過去の偉人・英雄が数多く登場する。原案の『Fate』自体、10年以上の歴史を持つ有名なシリーズですし、そのあたりはなんとなーく知っている人も多いはず。

 ただ、「聖杯戦争」という、過去現在未来から召喚された英雄同士で戦うバトルロイヤルの要素が前提にあった『Fate』本編とは異なり、『FGO』の舞台はまた少し異なる世界設定。「戦わなければ生き残れない!」の規模が、 “個人” から “人類” にまで広がっている。やべえ。

「ジャンヌ」を誤字のままツイートするほどには更新していた模様。

 多方面に展開する『Fate』シリーズ各作品のキャラクターが一同に介するのは、それこそ “お祭りゲー” っぽくもある。けれど、過去作品を知らない人は知らない人で、「世界史版・スーパーロボット大戦」として楽しんでいるという話も聞きます。……もとい、“スーパー英雄対戦” ?

 噛み砕いて言えば、「過去の英雄が仲間になるRPGで、同じく召喚された悪い英雄をぶっ倒す」のが目的*1。そこではアーサー王や源義経が女の子として登場しても不思議じゃないし、ローマ帝国の時代で佐々木小次郎がドラゴンスレイヤーになっていてもおかしくない。普通のことなのだ。

Fate/Grand Order FGO エジソン
エジソンの頭がライオンだっていいじゃないか。

 実際、エジソンの登場する第5章はタイトルからして「北米神話大戦」。ケルト神話の女王・メイヴ率いるケルトの軍勢 vs エジソン&ブラヴァツキー夫人率いるアメリカ西部合衆国の戦いですしおすし。異なる歴史に2つの勢力……スパロボで割とよく見る構図だ! わぁい!

 要するに、「登場するキャラクターの多くが世界的に有名な、実在の人物 or 物語の英雄 or 神話の神々」であるため、過去の『Fate』作品を知らない人でも親しみやすく、かつ「知らないけど知ってるキャラが出てくる」という楽しみがあるのではないかと。これは何も『FGO』に限らず、ほかのシリーズ作品にも当てはまりそうですが。

 と同時に、古くからの『Fate』好きには嬉しいファンサービスがあったり、過去作に触れているからこそわかる小ネタがあったり、「ちくしょうこの菌糸類*2がァ!(歓喜)」とツッコみたくなるような悪ふざけがあったりと、いずれにせよ楽しい作品(という評価を多く見かける)なのも魅力。

 ついでに、本作の参加声優にしてガチのシリーズ愛好家・島崎信長*3さんの影響で、本作をインストールしたという人も少なくない様子。それも彼の女性ファンだけでなく、古くからのTYPE-MOON作品ファンがノッブの語りに当てられて戻ってきた、という声もちらほら。しゅごい。

無課金でも遊べて、とんでもないボリュームのシナリオ

 パッと見たかぎりでは、既存のシリーズ作品からキャラクターや設定を流用した、よく見るスマホアプリのひとつ。しかしそれでいて、このように新規プレイヤーでも楽しむことのできるシナリオとゲーム性もある。それが、『Fate/Grand Order』。

 さらには、手軽にインストールして遊べる基本無料サービスでありながら、「無課金でも攻略可能」というのも嬉しいポイント。逆に低レアキャラで攻略する楽しみ方をしている人*4もそれなりに目に入るし、来るイベントに向けて、現在進行形で低レベル攻略中の人*5も話題です。

Fate/Grand Order FGO 第2章
2015年8月、第二特異点攻略中のスクショ。

 僕自身、序盤は本当にガチャ運が悪かった! ☆5はおろか☆4サーヴァントもなかなか出ず、辛うじてお迎えしていたタマモキャットとカーミラおばさんで2章はゴリ押し。以降はフレンド鯖に頼りつつ、あれこれ試行錯誤していた記憶があります。ジャンヌが超万能だった時期。

 ようやっと☆5鯖を手に入れたのは、サービス開始から9ヶ月が経った4月のこと。呼符で出てきたナイチンゲール女史に始まり、翌週にはジャンヌ・オルタをお迎え。その後は今に至るまで、スタメンとして活躍中。バスターアップ×2からの宝具ぶっぱで、だいたい何とかなる(※ただし6・7章を除く)。

 現在、手持ちの☆5は、6体。先の2人に加えて、アルジュナ、イシュタル、酒呑童子、クレオパトラという、アーチャーとアサシンがダブった形。ゲーム上のフレンドさんやTwitterのフォロワーさんと比べても「少なくね!?」と思うんだけど……それでも、7章までは問題なくクリアできたし、ほとんど不満もなく楽しめておりまする(今のところ課金したのは、1周年記念福袋のときだけ……だったはず。アルジュナわぁい!)

Fate/Grand Order FGO Fate/Zero コラボ

 そして本編のみならず、イベントも超楽しい。シナリオだけでも、普通に販売されているゲーム並みかそれ以上のとんでもないテキスト量なのに、毎度のイベントでもそれなりの長さのストーリーがあるからマジで狂ってる。日に日にページ数が増えていく電子書籍、みたいな……?

 そこそこ真面目な『空の境界』や『Fate/Zero』といった関連作品とのコラボはもちろん、全体的にネタに走っていたイベントも自分は好きです。例えるなら、「型月のエイプリルフール企画の悪ノリが毎月襲い掛かってくる」ような。最高じゃないか……。ヒロインX実装とか。

Fate/Grand Order FGO アイランド仮面

Fate/Grand Order FGO サンタアイランド仮面

Fate/Grand Order FGO 清姫

 最後にはなんだかんだで「良い話」に着地するし、ネタに走りつつも各キャラクターの魅力を引き出すような内容になっていることもあり、報酬目当てでプレイして終わり──というものでもないように感じるんですよね。……魅力が引き出されている……はず。たぶん。きっと。おそらく。

 イベントでこそ本領を発揮するバーサーカー勢とか(性能的にもネタ的にも)、本編とは別の可能性を見せてくれてるストーリーとか。水着でヒャッハーするのもいいけれど、『空の境界』コラボのような、ちょっとネガティブな面が見られる展開も嫌いじゃない。むしろもっと見たい。

 そういえば、本アプリでは「KPI(重要業績評価指数)」よりも「TPI(型月反応評価指数)を重視している*6、という話もあった。何よりもファン・ユーザーが盛り上がることを重要視し、意思決定の基準にしている、とのこと。1周年のタイミングであった諸々の仕様変更は、こうした考えから実施されたものらしい。聖晶石召喚の値下げとか。あまりの大盤振る舞いっぷりに、サービス終了の前触れかと。

 結果論かもしれないけれど、リリース初期の評判が散々だったことを鑑みると、今の盛り上がりっぷりは本当にすごいと思う。どうしてもアンチや批判目的の声が目立つ傾向にあるネット上で、それを打ち消すほどに好意的な声が大きくなったということも含めて。FGOはいいぞ。

 「Fate」はもともと生存競争が重要な意味を持つゲームですし,オンラインという環境を活かせば,顔も知らない多くのプレイヤーとつながりながら,大きな戦に参加する場が作れる。アドベンチャーゲームにはできない,全員参加型のゲームとして面白くなる確信がありました。

 (中略)

 コアなプレイヤーに向けたものとは別の,100万人に届く「Fate」が作れるんじゃないかって思えて,その瞬間は炉心に火が入ったような感触がありました。

「Fate/Grand Order」が目指す,スマホ時代の新しい物語とは。奈須きのこ×武内 崇×庄司顕仁の3名に聞く,その狙いと手応え - 4Gamer.net

 『FGO』の制作発表時、奈須きのこさんがこのように話しておりましたが、すでにアプリは700万DLだし、先日のニコ生の視聴者数だけでも100万人。当初の目論見のとおりになっているし、此度の “全員参加” の最終決戦も、もしかすると早くから予定されていたことなのかもしれない。

 ──と、そんなこんなでつらつらと書いていたら、あっという間にイベント開始時刻なので、この辺で(※22:00追記:何この超絶胸アツ展開はばばばば)。イベントを楽しみつつ、2017年も『Fate』ワールドに浸りたいところ。『Heaven’s Feel』に『Fate/EXTRA Last Encore』にその他諸々、楽しみでござる。

 

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