任天堂のスマートフォンアプリ『Miitomo』がリリースされましたねー。
事前のニュースでは、 “コミュニケーションアプリ” といった字面が踊っていたこともあって、てっきりTwitterをはじめとするSNS的な何かを想像していた自分。今更になってそんなもん出しても、はたして流行るのかしら……と考えていたのですが。
蓋を開けてみたら、「意外とおもしろいんじゃね……?」という感想。人を選ぶとは思うものの、特定の層にはウケるであろう要素が散りばめられたアプリであるように感じました。最初は「アバターの着せ替え楽しいうふふ」といじっていたのが、気づいたら別の魅力を見出していた。
一口に言えば……これだ、「俺がかわいい」。
実際に使ってみたら、自分のMiiがかわいくて楽しい
本日配信開始となった『Miitomo』は、自分そっくりな「Mii」を通じて友達と交流する、スマートフォンアプリ。何はともあれ、まずはインストールして使ってみました。
起動すると、最初に自分の分身たるアバター「Mii」を作ることになります。自分で一から顔パーツを選び選び作ることもできますが、スマートフォンのカメラで顔認証することによって、自動でアバターを生成することも可能。
試しに顔認証してみたら、次から次へと “それっぽい” 顔を出してくれるので、なんか笑ってしまった。特徴を捉えているようで、割と適当。だが、それがおもしろい。
とりあえずは候補のひとつをベースに選んだものの、「そこまでは細目じゃねーよ!」ということで、自分で顔の各部位を調整。Miiの顔はいつでも変更できるっぽいので、アゴ髭を付けておいた。 おっさんらしさ が あがった!
続いて、「声の質」や「性格」などを決定。
……っていうか、こいつ、しゃべるのか!
そして完成した我が分身が、こやつ。
「ナゴミ系」の文字が踊っているけれど、ポーズのせいか、そこはかとなく “オネエ” の波動を感じる……。
設定が終わるやいなや、途端に饒舌に話し始めるMii。
「オレの質問に答えて、オマエのことを教えろや!」とおっしゃるので、いくつか回答してみます。それにしても、よくしゃべるなぁ……。
初期装備のままというのも申し訳ないので、ショップで着せ替え人形タイム。和服を探したものの見当たらなかったため、てけとーに見繕ってやります。……全身を揃えたら、ほとんどコインがなくなってしまった件について。
その後しばらくは、Miiが投げかけてくる質問に答え答え、どんな機能があるのかといじって楽しんでおりました。でもそうしていると、早くも愛着がわいてきている自分にも気づいてしまいまして。合成音声のくせ、抑揚もあるし、感情豊かだし、なんだか、かわいく見えてきたぞ……。
どうしよう…… 俺 が か わ い い 。
Instagramっぽい?編集・加工ツールも多めのMiiフォト
『Miitomo』を触っていて個人的におもしろいと感じたのが、「Miiフォト」の機能。Miiの服を着替えさせると「写真を撮ってみました!」なんて言って、内蔵のテンプレート背景と表情を組み合わせて写真を見せつけてくるんですよね。……こんな感じで。
アバターの着せ替え、久しぶりにやったけど、楽しい……。 #Miitomo #Miifoto https://t.co/9kstQ7b8mX pic.twitter.com/7AjIQGw9DU
— けいろー (@Y_Yoshimune) 2016年3月17日
これだけではゲームのスクリーンショット的というか、特に魅力を感じるものではないけれど……。でも、よくよく見てみると、スタンプやふきだしといった編集ツールは思いのほか多彩で、Miiの表情&ボーズも非常に豊富。
そして何より、スマホに保存されている写真・画像類を「背景」として使用することができる点が大きい。 “写真アプリ” として考えればどうということはありませんが、任天堂の “コミュニケーションアプリ” の中で、「リアル」に寄せた要素があることに軽く驚きました。
作った写真はそのまま、Twitter、Facebook、Instagramなどで共有可能という点もありがたい。単なる合成画像ならば惹かれる要素はないけれど、思った以上に「Mii」の表現の幅が広いため、あれこれいじっているだけでも楽しい。いろいろな場面で、 “遊べそう” なんですよね。
まあ、そうなるな。 #Miitomo #Miifoto https://t.co/kxBoiZAQQc pic.twitter.com/hLUPKGzP83
— けいろー (@Y_Yoshimune) 2016年3月17日
各種SNSに写真を投稿する際には、今でも「顔出し」を気にしている人は多いはず。その点、この「Miiフォト」では、自分の分身たる「Mii」を、そこそこ自然な形で写真に紛れさせることができるので、顔出しNGの層に需要があるのではないかしら。
また、作った写真を軸にしてアプリ上で交流することもできるため、そういった部分ではどことなく『Instagram』っぽいなー、とも。テキストベースでなく、写真を取っ掛かりとした、ゆるいコミュニケーション。「自撮り」ならぬ「Mii撮り」が流行るかも……いや、ないか。
1枚のフォトに使えるMiiは、5人までのようです。フレンドのMiiも加工可能。
Miiが投げる“質問”でつながる、ゆるいコミュニケーション
この『Miitomo』、最初に話を聞いたときには、オンラインゲームのテキストチャットのようなイメージを抱いておりました。あるいはアメーバピグ。部屋を模した仮想空間で自分のアバターを動かし、チャット的な方法でもって、他のユーザーとコミュニケーションする感じ。
ところがどっこい。実際にインストールして使ってみると、ちょいと趣向が違うらしい。どうも普通のテキストチャットではなく、「質問」と「アンサー」を軸にしたやり取りが主体となっているみたいなんですよね。
『Miitomo』ではまず、自分の分身たる「Mii」が聞いてくる “質問” に答えることになる。質問の中身は「好きな食べ物」や「最近の流行り」などの、他愛のないもの。回答すると “アンサー” として情報が記録され、その内容をベースにフレンドと交流していく流れになります。
例えば、フレンドのAさんが「好きな食べ物」に「カレー」と答えていたら、AさんのMiiが自分の部屋に遊びに来たときに「カレーが好きなんですよ!」と話してくれる格好。それに対して端的に「いいね!」をするも良し、具体的にコメントを送るも良し。
そこからチャットのように交流することもできるみたいですし、同時に投げかけてくる別の “質問” に対して “アンサー” を返すことで、間接的なコミュニケーションをするという選択肢もある模様。直接的なやり取りをせずとも、お互いの “質問” でゆるくつながれるようなのです。
──とは言え、まだ使い始めでフレンドも少ない自分。
肝となる「コミュニケーション」の部分は少し触ってみた程度で、まだ何とも言えないのが実情なのでございました。一応、フレンドさんのMiiに話しかけてみたり、 “アンサー” に「いいね!」を示してみたりはしたものの、コメントはまだ使えていないので……。
でも一方では、ざっと使ってみた印象として、「質問」と「写真」の要素がポイントになるのは間違いないんじゃないかとも思います。Ask.fmほどに義務感は覚えず、かつ間接的に交流できるSNS機能。Instagramほどに実用的(?)ではなく、むしろ “遊び” に特化した写真機能。そのあたりがメインとなるのではないかしら。
何はともあれ、この『Miitomo』。第一印象はまったく悪くなく、それどころか「おもしろい!」と楽しくいじれるものだったので、しばらくはキャッキャウフフと使ってみようと思いまする。
ふと思った。Miiがこのまま進化していって、『ロックマンエグゼ』のネットナビみたいになったらいいな……なんて。