投稿日数553。投稿記事数591。三日坊主の僕にしちゃあ、上出来じゃないかと思う。
消費者としてネットをもぐもぐしていたあの頃
思えば遠くまで来たもんだ……と言えるほどには、まだまだ新米ブロガーの自分。
だって、インターネットの世界はとんでもなく広大で、しかもそれなりに「深さ」を視認できるほどには既に歴史が積み重ねられている。00年代前半からほぼずっとROM専だった僕は、それを、なんとなく知っている。
テキストサイトは既に過去のものになった。文章が主体のコンテンツはブログやSNSなどに分化したようにも見えるけれど、その性質は異なるようにも見えるし、そもそも当時とは情報の量も速度もさらにはネットの利用者層も、何もかもが違う。
もちろん他方では、その中にもネット黎明期から脈々と受け継がれているカルチャーが存在することは間違いない。
00年代前半の自分にとっての「インターネット」と言えば、どこへ行ってもおもしろいものがそこら中に転がっている、 “宝の山” のような場所だった。
当時中学生だった自分にとって、「ネット」の代名詞は「おもしろFLASH」。FLASH黄金時代*1を消費者として楽しみ、そこで目にした音楽・動画・文化などのパロディネタは、現在の自分が好む幅広い意味での「コンテンツ」の根幹を成していることは疑いようがない。
同時に、Yahoo!ジオシティーズや楽天ホームページで、自分の好きな漫画やゲームのファンサイトをこしらえたりもした。レンタル掲示板やチャットを設置したり、HTMLタグをあれこれいじってそれなりに楽しんではいたものの、高校入学を機にそれもやめてしまう。
携帯電話を入手した僕にとっての「ネット」の世界はモバイルへと移行し、そこでも自分は消費者としてあり続けた。ネット文化の流行には敏感に反応しつつも、ただただそれを外側で消費するだけ。
常にネットに親しんではいたが、そこに自分が存在する形跡はなく、読むだけ、見るだけ、聞くだけの影のような立ち位置。ちょっと違うけど、 “ROM専” 的な何か。
自分の思考を記録したい
で、およそ10年間はそうした場所からネットを見ては楽しんでいた自分。……違うよ? ネットを始めたばかりの頃に2ちゃんねるに書き込んだら、「10年ROMってろ」とかそんなこと言われて、真面目だから実行しちゃったとか別にそういうんじゃないよ?
大学時代にはSNSやら何やらを使ったり、オフ会に参加したりしつつも、自分が何かを書いてどうこうしようとは考えていなかった。何か世界に発信したいことがあるでもなく、趣味を同じくする仲間内でキャッキャウフフできていればそれでよかった。……アニメ系の情報サイトとか、運営できたら楽しそうだなーとは思っていたけれど。
心境の変化があったのは、就職して働き始めてから。入社1年目の年末、いろいろと考えることが多くなり、また一方で、仕事の合間の休憩時間にブログを読む習慣ができていたこともあって、あの頃続けられなかった「ブログ」をやってみたいという思いが募るようになった。
その頃に読んでいたブログはいくつかあるのだけれど、なぜかたまたまなのか、「はてなブログ」が多かった。「24時間残念営業」「脱社畜ブログ」「インターネットもぐもぐ 」「ライフ・イズ・カルアミルク」など。そんなこともあって、開設するなら「はてな」にしようと決めていた。
で、2012年の天皇誕生日に開始。以後、1年ほどは月に1回更新できるかどうかという残念ペースだったけれど。退職を決意した頃に「書きたい」欲が高まり、それからおよそ1年半、今日に至るまで、週6〜7日のペースで自由気ままに文章を書き連ね投稿しております。
周りのブロガーさんを見ると、特定テーマに絞って質の高い記事を継続的に投稿していたり、しっかりと目的やビジョンを持って運営していたりする人も相当数いる様子。しかし、自分の根っこにあるのは「記録」であるため、その名が示すとおりに“ログ”として自分の考えをまとめている格好です。“個人の日記レベル”でいいんやで。
それでもネットを泳ぎたい
人口爆発が起こったインターネットには、“空き地”がなくなったとみんなが言う。自分も大人になって、あれだけ「自由」でわくわくする場所だったはずのインターネットにその実、いろいろなしがらみが存在していることに気づいてしまった。単なる環境の変化に限らず、自分の視点・価値観の変化があったって、何らおかしくはない。
けれども、そんな自由と不自由が同居した環境下にあっても、今こうしてブログに自分の思考を書き殴るのは、やっぱり楽しいんだ。誰も読んでくれなくたって、思うように伝わらなくたって、パソコンに向かってキーボードをカタカタカタッターン!するのは心躍るもの。今手にしているMacbookは初めて触れたMacintoshPCと比べて遥かに薄くて軽いけれど、そのスクリーンに映る世界も様変わりしているけれど、それでもなんだか、楽しいのです。
ちょうど1年前にこんな記事を書いていた。画面の先には生身の人間がいるのは当たり前。でも相手は見知らぬ他人さま。文字によるコミュニケーションで互いの意見を伝え合うのは難しいし、わかり合うなんて至難の技。最悪、関わらないのが最善なのかもしれない。
だけど、それでもやっぱり期待せずにはいられない。独りよがりにせっせと自分のログを積み上げるのもいいけれど、叶うならばあなたのことを知りたいし、わたしのことを伝えたい。そしてお互いが望むのなら、もっともっと関わったっていいじゃないか、と。
「慣れ合い乙」と冷笑する自分がいる一方で、ソーシャルメディア全盛の今、他人と関わらないのは損なんじゃないかしら、とも思う。そもそも長い付き合いの――喜怒哀楽さまざまに良くも悪くも感情を動かされてきたけれど――大好きな「インターネット」なんだから、楽しまなきゃ違うでしょう、と。
だから、みんな、ブログやろう。
今週のお題「私がブログを始めたきっかけ」