会社を辞めて半年が過ぎた。相も変わらず、好き勝手なことを書いてブログ生活をエンジョイしつつも、そろそろ、どげんかせんといかん時期に差し掛かっているような圧力を感じる今日この頃であります。
辞めた当初は、毎日のように書店へ行って気になる本を読みあさったり、ふらっと乗った深夜バスで降りた先の広島からチャリで四国に入ってぶらぶらーっと旅行したり、方方のトークイベントなんかを聞きに行ったりと、自由を満喫しておりました。
やべえ超楽しい。自由に休みが選べるどころか、平日と休日の区別のない、あの感覚。あれだけ憎らしかった“げつようび”ちゃんも、もはや意識から消えていた。さらば、にっくき平日よ。なるほど、“毎日がエブリデイ”とはよく言ったものですね。
しかし一方で、公私の区切りがない生活は恐ろしくもあるもの。日常と非日常。ハレとケ。ケがあるからこそハレが際立つのであって、明確な区別・節目のない「日常」は、ただただ消費されるだけのものでしかない。
それは、ゴールもコースも不明瞭なマラソンを、ぐだぐだ、ふらふら、のろのろと彷徨っているような。道があるのかも分からない、そもそも地に足が着いているかも怪しい状態。目的なき自由は、そんな停滞感に満ち満ちておりました。終わりがないのが終わり。
退職して、実家に戻ったばかりの頃は、「就活の調子はどやー?」と執拗に気にしていた両親も、最近はあまり突っ込んでこなくなった。
肉体労働に嫌気が差したこと、その会社が“ブラック企業”であることを知っていたこと、もともと「長くは続けないかも」と言ってあったこともあって、辞めることへの反対はありませんでした。が、やはり親としてはプータロー状態の「その後」が気にかかるようで、その点は申し訳ないです。
やりたいことがないわけじゃない。無趣味なわけでもない。こうしてブログを書いていて、文章を考えて書くのは楽しい。物事を調べて、まとめるのも好き。見知らぬ土地をぶらぶらする面白さは何ものにも代えがたいし、人と話して刺激を得るのも悪くない。
新しいモノ、流行りモノにはすぐに飛びつきたくなるし、アニメやマンガは昔から大好きだ。ジャンルに関係なく本に手を出して、気付きや感想を書き出す作業も続けている。知識はからっきしだけど、音楽も芸術も全く嫌いじゃない。ライブや美術館の空気感はたまらない。
興味関心の範疇は決して狭くはないと思う。それがなんであれ、自分にあらゆる刺激をもたらしてくれる各種の体験は、そりゃあ魅力的なものでっせ。じゃあ、どうしてもっと積極的に動かないのか、動けないのかと言えば……結局、「金」の問題に行き当たる。
「俺は節約家だ!」なんて言うことはできないけれど、昔から「お金の使い道」はよく考えて投資してきたように思う。自己投資は下手かも。
モノを買うときはネットで最安値とレビューを確認し、リアル店舗で商品を物色し、店員さんに類似商品との差異や特性を聞いた上で、さらに複数店舗を渡り歩き、安くてポイントのつくところを選ぶ。さらに買うと決めてからも、30分くらいうろうろと悩むレベル。
単に、勢いと、その時の金銭状況の問題かもしれない。働いていた頃は、地方勤務で友達も少なく、付き合いで浪費するようなことがなかったため、金銭的には余裕が大きかった。外出すれば、飯は大戸屋や駅ナカのレストラン、喫茶店はスタバやルノワールに入るような。
それが今は、飯は安定の牛丼チェーン、喫茶店はクーポン前提のサンマルクカフェやドトール、一番多いのはマクドの100円コーヒー。安定収入がないだけで、こんなにも金銭感覚が変わるのか、と我ながらびっくりしたでござる。……当たり前なのかな?むしろ喫茶店はセレブ?
貯金は、まだ結構ある。退職当時を100%とすれば、15%減ったくらい。半年で15%とすれば、今の生活を続けてもあと3年ほどは働かなくても食っていける計算。続けようと思えば、今の泥のようなモラトリアムを延長できる。
ただ、そんなに余裕があるわけでもなさそうなのも事実。この半年間、保険や年金、通信費、実家に置かせてもらう諸々の費用などを払い、本などの嗜好品を買い、その辺をぶらぶらしながら生活してこれたのは、失業保険によるものが大きい。その給付も、今月で満了を迎えた。
ゆえに、これからも今の生活を続ければ、貯金が減っていく一方になるのは間違いない。ブログ収入なんて微々たるものだし、毎月支払う固定費が思いのほか圧迫してくる。モラトリアムはおしまい。これからは、現実と向き合ってバトる必要が出てくる。
現実的に……もとい、“一般的に”考えれば、アルバイトで日銭を稼ぎつつ、就職活動を続けるのがベストの選択なんだろうな。実家という環境で、住む寝る食うには困らない僕は間違いなく恵まれているんでしょう。ちゃっちゃと就職先を決めて、自立すべきなんだろう、とも。
自立できるなら、今すぐにでもしたいんです。実家に置かせてもらっていることは本当に感謝しているし、家族関係も良好ではあるけれど、だからと言ってそこが「落ち着く」場所であるとは限らない。「進路が決まるまでは家にいろ」と気遣ってくれるのは嬉しいけど、精神的にちとキツい。
成人してから知ったのだけれど、周囲と比べると、僕は必要以上に親の目を気にして成長してきたらしい。仲は良いけれど、=「居心地が良い」ものでもなく。「反抗期がなかった」と話すとめっさ頷かれるんですが、いろいろあるのかしら。発達心理学の講義でそんなのを聞いたような。
そんな煮え切らなさもあり、そろそろどげんかせんといかん、と思うわけですよ。……と言いつつ、積極的に動けない人を世間は、“甘ったれのクソ野郎”なんて呼ぶそうですが、だいたい合ってる。はやく(真っ当な)にんげんになりた〜い。
思い浮かぶ選択肢としては、“普通に”就職するか、地方に出るか、語学を学ぶか、物書きを目指してみるか、といったところ。
第二新卒向けの合同説明会にはもう何度か行っているのですが、いまいちピンとくる企業と出会えていないので、これはとりあえず平行して続けていこうかと。いろんな業界の採用担当さんと話すのは楽しいし。
また、働いている頃に『ナリワイをつくる』を読んで感化され、それ以来、地方の情報をちょいちょい拾い続けていたので、そちらを検討してみるとか。実際、前述の旅行道中で過疎地を見に行って楽しかったこともあり。もちろん、住むとなれば別でしょうが。
あとは、話題の東南アジア圏の短期語学留学に乗っかってみるか。貯金が一気に減ることにはなるけれど、付け焼き刃の能力としては実践的かと。日本から出たことないし、先日、日本語学校で他国の若者と話して、異文化交流に対する意欲が高まっている今のうちに。アニメの話したい。
もしくは、物書き。僕自身は特別に文章力があるわけじゃありませんが、単純に文章を書くこと、まとめる作業について苦痛に感じることは全くないので。職業ライターは難しくとも、編集・ライター系のバイトの募集に応募して、日銭を稼ぐのはありだと思う。ブログにも役立つかもしれないし。
「迷走上等!行けるとこまでふらふらしてやんよ!」な気持ちで続けてきたブログですが、やっぱりいつまでもぐるぐるしているわけにもいかんのです。いや、ぐるぐるするのは続けていきたいけど、“意思のある迷走”でありたい、というか。このままじゃ、間違いなく腐っていくだけなので。
ちと話は変わりますが。
先月、検索からこのブログに辿り着く人の多くが新卒社員の方であり、現在の就労状態や将来に悩んでいるらしいということに気付いて、当該記事に「よかったら相談乗りまっせ!」的な追記をしたところ、ちらほらとメールをいただきまして。
何度かメールのやり取りをしただけでも、彼ら彼女らが本気で悩んでいること、苦しんでいることが分かり、何ともやるせない気持ちになったんですよ。「新卒 退職」なんてワードで検索してくる人が何百人もいて、誰にも相談できない状況にある人も少なからずいると知って。
たかだか1年半、サラリーマンを経験しただけの若造から言えることは、仕事に対する考え方や、いくつかの選択肢を提示することくらい。「辛いなら辞めちまえ!」と断言するのは簡単ですが、それはやっぱり無責任だし、自分の現状を鑑みれば退職が正しいとも思えない。
いや、僕自身について言えば、遅かれ早かれ「退職」という選択肢を選ぶことは分かっていたので、その点に後悔はありませんが。ただ、「その後」をしっかりと考えないことには、足場を失う可能性がありますよ、と。ただし考える余裕すらない人は、すぐにでも逃げるべきでしょう。
そんなやり取りをしていたこともあって、周囲の環境や考え方、歩んできた道のりは違えど、同様の悩みや迷いを持っている若者は意外といるらしい、と実感しました。その数が決して少なくない、とも。
それを意識してしまうと、僕自身も燻っているわけにはいかないなーと思い、こんな記事を書くに至ったのであります。生まれてからずっと目の前に敷かれた社会のレールに沿って生きてきて、いざ勇気を出して飛び降りた結果、にっちもさっちもいかなくなってしまった。そんな人も、割といる。
ルート選択をミスってはい、終わり。バッドエンドまっしぐら。トゥルーが見たいならセーブデータをロードするか、最初からやってねー、なんてことは、残念ながら通用しない。セーブポイントなんてないし、“はじめから”もない。
はいはい、クソゲー乙、と投げ出すのは簡単だけれど、それもなんだかにゃー。好きにネットしたいし、本もマンガも読みたいし、おもろい人の話も聞きに行きたい。そのためには、まず、生活を整えることが必要。
このままぐだぐだのべーっと貯金を切り崩していくのもアレだし、どうせなら有意義なことに使いたい。まだしばらくは迷走するにしても、意義ある迷走。すぐにレベルアップ、ジョブチェンジするのは無理だろうから、「経験値」を貯めるようなイメージで。
今の僕は、「社会」という新しいフィールドに出て、でもレベルが足りず、中ボスにこてんぱんにされた状態。だから、同じ所を行ったり来たりして、「経験値」を集める必要があるのです。エンカウントしても“にげる”を選択し続けてちゃ、そりゃ変化もないべ。
経験値を増やして、可能なら技も習得して、目指すはジョブチェンジ、中ボス撃破。焦らず急ぎ過ぎず、でもゆっくりもしすぎず、ちまちまと。
こんな甘ったれクソ野郎ですが、何かしら“助言”をいただければありがたいです。厳しいお言葉も大歓迎。「働けクソ野郎」は結構ですが、「ニート氏ね」はやめてください。他のニートに失礼。
追記:
一部だけ読むと、「俺、能力あるしなんとかなるべ?いざとなったらああすりゃいいし?」と受け取れなくもないですが、逆だと思ってます。
就職活動では中小企業狙いでことごとくお祈りされ、路線変更して受け始めた大企業でも一社しか内定が取れず、もういいや、と諦めて入社した会社で失敗してしまったので。会社選び、進路選びはより慎重にやりたい……という格好。甘ちゃんであることに変わりはありませんが。