渋谷のおしゃれ本屋さん、「SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS」で開催されたトークイベントに参加してきました。終始、ゆるーく和やかな雰囲気でお話が聞けて、楽しかったです。
本イベントは、家入一真さんの新著『ぼくらの未来のつくりかた』の刊行記念イベントとして、「『サードプレイス』で生まれる『新しい働きかた』」と題して開催されたものです。ゲストは、次のお三方。
家入一真さん
おなじみ、東京都知事選挙に出馬した起業家さん。「CAMPFIRE」「BASE」「ブクログ」などのウェブサービス、アプリの立ち上げなども。
今回のイベントは、新著の刊行記念ということで、メインゲスト。僕も読みました。都知事選での経験や、選挙活動の中で変化していった考えの変遷なども書かれており、興味深い一冊でした。
伊藤洋志さん
仕事づくりレーベル「ナリワイ」、「全国床張り協会」代表。著書に、『ナリワイをつくる』『フルサトをつくる』など。ライターをしながら、全国でナリワイ作りに励んでおられます。
僕個人は、伊藤さんの話を聞いてみたい!という思いから、今回のイベントに申し込んだ側面が大きかった格好です。『ナリワイ』と『フルサト』、どちらの著作もとても興味深く読ませてもらったので。
森俊介さん
渋谷で現在、「森の図書室」のオープンに向けて鋭意準備中の森さん。各ニュースサイトなどでも取り上げられていたので、聞いたことのある方も多いかと思います。
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クラウドファウンディングで資金を募集したところ、目標の10万円に対して700万超集まるという盛況っぷり。僕も初めてクラウドファウンディングでパトロンになろうとしたのですが、クレジットカードが対応しておらず諦めた記憶が。オープンしたら全力で利用します。
「居場所」と「役割」と「働き方」
約2時間のトークイベントは、良く言えばゆるゆるまったりと、悪く言えばぐだぐだとした感じで進んでいきました。僕としては、変にピリッと型にはまったものよりは、このくらいのユルさがちょうどいいので全く問題なし。“トークイベント”ですしね。
序盤から家入さんが、「床張りぱねえ」「床張りすげえ」「出会いたい」と連呼していたような印象が強すぎるような気もしますが。基本は双葉社の司会者さんの進行で、テーマに沿ったトークが進んでおりました。
家入さんの作る「居場所」とは何か。伊藤さんの作る「ナリワイ」と、それに付随して生まれる働き場所。森さんが目指す「友達の家」としての森の図書室。
お三方の共通点として挙げられていたのが、意外と言うか、言われてみれば確かにというか、前提として「儲け」を重視していない点。自分のやりたいことを試しに始めてみたら、「あれ?なんか結構できそうじゃん」となって、結果的に収入が入ったり入らなかったり、という形のようでした。
家入さんは、自分にとって「心地の良い“居場所”」を目指して動いてみる。
伊藤さんは、自分にとって必要となるものを「ナリワイ」として作り出す。
森さんは、自分がやりたいこと(=森の図書室)を好きなように試してみて、現在も実践中。
いずれにしても、お金云々ということはあまり考えず、なんとなく思いついたから、目の前にそれがあったから、やってみたいと思ったから、という「自分の意志」が中心にあるようで。当たり前と言えば、当たり前なんでしょうが。
家入さんに言わせれば、「小さなことから始めれば、失敗しても軌道修正がきくし、辞めることもできる」。
伊藤さんに言わせれば、「自身の生活の為の行動なので、たとえうまくいかず儲けがなくとも支出は減る」。
森さんに言わせれば、「周囲の意見とは無関係に、初めて自分がやりたいことに取り組んでいるので楽しい」。
最後の総括としても、無理やり一言でまとめようとすれば、「とりあえず行動に移してみないことには始まらないよ?」といった方向性のものだったので、まあその通りなのかなーと。
ただ、そこに至るには、所属している組織や企業、自身を取り巻く環境や金銭状況も大きく関わってくるため、誰もが好きなまま、思うままに行動に移すのは難しい、とも。
言ってしまえば、人それぞれ。とは言え、今やネットに接続すれば先人の知恵に学ぶこともできるし、最初はそれを模倣して、後からオリジナリティを加えていくことだってできる。
お三方も仰っていたように、現代日本では、普通に過ごしていれば成人が死ぬようなことはなかなかないんだし、最低限、生活していけるだけの環境を整えたら、好き勝手にやってみてもいいんじゃない?といったお話でした。
踏み切るには、並々ならぬ覚悟が必要だったり、よほど追い込まれた状態になったり、なんか“それっぽい”流れと“運”がきたりしないと難しいとは思うけれど。
ともかく、無職迷走中の僕としては、いつまでもほげーっとしているわけにはいかないよ、っと。働き方や生き方に関して三者三様の視点からのお話が聞けて、とても有意義な時間を過ごすことができました。ありがとうございました。