昨日も書いたが、僕は電子書籍が好きだ。ワンクリックで本が買えて、文庫本サイズの端末ひとつあれば、何十冊、何百冊もの本を持ち運び、読むことができる。外出には、もはや欠かせないものとなってしまった。
そして最近は、ブログを読むのも好きだ。歳も性別も価値観もばらばらな人たちの、ちょっとした意見や考え方に触れることができる。それらはとても刺激的で、為になることも多い。
そんな僕には、少し前から考えていることがある。「手軽に、電子書籍端末で、ブログが読めたらいいなー」ということだ。
数ある電子本と同じように、ワンクリックでブログひとつ、または記事一本を電子書籍端末に送信できたらいいのに。そうすれば、いつでもどこでも持ち運べるし、便利だと思うのだけれど。
その辺の話、今はどうなってるんだろう?
既存のサービス
「ブログの電子書籍化」に関するサービスについて、探してみたら、以下の様なものが見つかった。
- ブログ製本サービス MyBooks.jp
- BookPress | あなたのWordPressブログを電子書籍に。
- ライブドアブログで、電子書籍。 - EPUB / 縦書き / Kindle対応
- 無料ブログ JUGEM(ジュゲム)
- calibre - E-book management
- パブー、ブログを電子書籍にする「ブログインポート機能」を提供 - ITmedia
――思ったよりもいっぱいあったよ!びっくりだよ!いつの間にか、時代に置いていかれていた気分だよ!
ちなみに、はてなさんだとこの辺り↓かしら。
一度、どっかで目にしたような記憶はあるんだけど、すっかり忘れていたサービスだった。
ダイアリーブックの方は、自分のブログも他人のブログもPDF化(+冊子化)できるのはありがたいんだけど、ちょっとお高い。なら無料サービス使うんじゃないかと。あと、ePub化できないのも残念。
『電書はてなブログ 準備号』は、ポナコ(id:ponako10)さんの指摘が非常に分かりやすい。何か物足りないのよね。でも、実験段階らしいから、これから新しい展開があるのかな。期待。
これら既存のサービスを見てみると、形式や細かな違いはあれど、基本的に内容は同じものだ。主に、自分のブログを電子化し、自分で読むためのものとなっている。違うんですよ。そうじゃないんですよ。他人のブログを、電子書籍として読みたいんすよ!
中にはそのようなサービスもあるが、ぶっちゃけ、いろいろと面倒。すぐには無理としても、AmazonのKindle本のような、ワンクリックで電子本化、端末送信くらいはできるようになって欲しい。お願いします!…収益化が難しいのかしら。
どうせなら、ブロガーたちのコラボ本が読みたい!
はてなブログを読むようになって思ったのは、昔ながらの、「ブロガー同士の交流」がしっかりと残っているサービスだなー、ということ。AmebaはなんかSNSっぽい。
ブログにもいろいろあるけれど、最近は読まれても、TwitterやFacebookなどのSNSで突っ込まれる程度の印象が強く、そこで書き手と読み手の交流は生まれ辛い。
そんな中、ブロガー同士がお互いに言及し、感想を言い合うような環境は、はてなが最も色濃く持っているように感じる。
だからこそ、もしもこれから「はてなブログの電子書籍化」が進められるのならば、その、ブロガー同士の繋がりを意識した書籍作りをしてみてはどうだろう。
例えば、少し前に盛り上がったもので、ゆーすと(id:syuraw)さんの記事に始まる、「当事者意識」の話題がある。
この記事、ブックマークも400以上ついており、多くの人が「当事者意識」について考えるきっかけになったのではないでしょうか。様々な視点からの言及もあり(僕も突っ込ませていただきました)、非常に為になりました。
この、たくさんの突っ込みがあった、一連の記事。これって、その内容と構成次第では、書籍化するのにベストだと思うんだけど、どうだろうか。
ひとつの例として、僕のてきとーな感覚で構成するなら、こんな感じかしら。
1. はじめに:元記事による問題提起
2. 反論A:問題提起に対する突っ込みその1「当事者意識」とは
3. 反論B:問題提起に対する突っ込みその2「本気になる」ということ
4. 反論C:問題提起に対する突っ込みその3「当事者意識」に関する経験談
- 僕の中での本気 - 見たまま感じたままに
- 与えられた物事に「当事者意識」を持つのは難しい - ぐるりみち。
- 本気になれないということ〜成功はいつ来るか分からない - 研究者はつらいよ~研究者の子育てブログ
5. まとめ:元記事の筆者による総括
以上、元記事があるとはいえ、ブロガーさんそれぞれが自分の好きなように語った内容なので、一連の流れとして見ればまとまりがないかもしれない。だけど、「あるテーマに関するコラム集」として見ると、体裁は整っているんじゃないかと思う。
これに付加要素をプラスするとしたら、例えば、それぞれの章終わりに「はてブコーナー!」的なものを作って、はてなブックマークのコメントを載せるとか。あとは、本の最後に、記事の筆者たちによる座談会のようなものがあってもおもしろいかも。会話形式で。
言及した記事とされた記事の関係が、分かりやすく可視化されていれば、本にするまでもないのかもしれないけれど。ニコニコ動画における、コンテンツツリーのような機能があれば良いと思う。親記事・小記事みたいに――ってのは、別の話ですね。
ブログと電子書籍と
上の内容はひとつの妄想に過ぎないけれど、ブログと電子書籍の相性は決して悪くないんじゃないかなー、と思う。
毎日おもしろい記事が書けて、大手ブロガーになって、本の出版にまで至るのは、本当に人気のある、選ばれた人だけ。そのような中で、中小ブロガーで記事を持ち寄って、電子書籍化するような人たち、サービスが現れてきてもいいんじゃないかと。
ブログならではの雑多感があって、それはそれで価値があると思う。
『電書はてなブログ 準備号』のように、人気記事、個性的な記事、おもしろい記事をまとめたものでもいいし、テーマに沿ったものでもいい。
ネットにおける、個人制作の文章コンテンツと言えば、スマホ小説やKDP小説があるが、そこに小説でも詩でもない、ごちゃまぜブログ集団が突っ込んでいくのもおもしろい……んじゃないかな?
ここまで書いておいてアレですが、これって要は、「文芸系サークルの電子同人誌を作ろう!」って話ですね。ブロガー版の。ねとぽよちゃんとか、もう割とやっている人が少なくはないような。そうだ、文学フリマ、行こう。
※それから約一年後、本当に出ちゃいました。