ここ数日、時間を忘れるほど夢中になり、朝までゲームをプレイしていた。
学生時代であれば、それは珍しくもない日常の光景。しかし社会人になり、歳を重ね、明日の仕事や健康のことを考えるようになった今、そんな日常はなかなか送れない。自制が働き、「今日はここまで」と理性が己を寝かしつけようとしてくる。
もちろん、その判断は正しい。ゲームは逃げないし、いつだって遊べる。ゆったりまったり進めたって問題はない。ない……のだけれど。この数日は、その合理的な判断が軽くかき消されるほどに夢中になって、スマートフォンの画面に向かってしまっていた。
しかもそのゲームは、自分が学生時代に夢中になっていたクリエイターの最新作。アラサーにもなって、2022年にもなって、スマホゲームになってまで、当時の純粋な気持ちのままゲームを楽しんでいた。楽しめていた。
そんな気持ちで本作を遊べていることが、何よりも嬉しくて、幸せでならない。
「どうせいつもの展開だろう」と冷めた目線で流し読むことなく、「昔は良かったのになあ……」とひねくれた見方をするでもなく。それこそ10代の頃のような気持ちで、時間も忘れて、朝になるまでテキストを読みふけっていた。画面上で繰り広げられる物語とイヤホンから聞こえてくる音楽に魅了され、それ以外のことはどこかへ吹っ飛んでしまったかのように。この歳になっても自分の大好きな世界観に浸れることが、とにかく幸福に感じられて、ありがたい。
『ヘブンバーンズレッド』が、おもしろい。
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