読書会は、本を読む一つの技法です。
(山本多津也 著『読書会入門――人が本で交わる場所』Kindle版 位置No.67)
『読書会入門――人が本で交わる場所』(幻冬舎)は、文字どおり「読書会」の開催方法と魅力、そしてその効用を教えてくれる本だ。
複数人で集まり、1冊の本について語り合ったり、お互いにおすすめの本を紹介したり、朗読をしたり。そんな集まりに、一度は参加したことがあるという人も多いんじゃないかと思う。本書が取り扱うのも、まさしくそんな「読書会」だ。
ただしその内容は、読む前に想像していた「読書会のハウツー」的なイメージとはかけ離れたものだった。
学校や会社で半強制的に参加させられる、堅苦しいイメージの「会」とは別物。本書で紐解かれる「読書会」とは、読書を通して何かに活かそうとする「学びの場」でもあると同時に、本を読まない人でも思わず参加したくなるような、そして他人と話すのが苦手な人でも興味を引かれそうな、「楽しいイベント」を指すものだった。
僕らにとって身近な「本」という存在を、ますます身近なものとしてくれそうな、心惹かれる催し物。本書はそんな「読書会」を通して、もともと読書が好きな人には新たな「読み方」を、普段はあまり読書をしない人には、その「楽しみ方」を教えてくれる。
「読書会」というテーマにとどまらず、「本」と「読書」の魅力を再発見させてくれる、素敵な本でした。
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