2分後の未来と繋がったらどうする?映画『ドロステのはてで僕ら』の緻密なギミックと臨場感がすごい

映画『ドロステのはてで僕ら』感想サムネイル

『ドロステのはてで僕ら』という映画が、おもしろいらしい――。

そんな記事をネット上で見かけて、「これだ!」と思った。時は2020年7月。それまで遠出は自粛していたものの久しぶりに都心へと足を伸ばすことになり、「空いた時間に映画でも観よっかなー」と考えていた矢先のことでした。

「何を観ようかな……話題の最新作……? いや、せっかくの機会だしジブリ映画を観るのもありかも……」などと考えつつも、決め手に欠けていたその時。たまたま目に入ったのが、『ドロステのはてで僕ら』のレビューだったのです。

明らかに自分好みのにおいがしたので、そのまま勢いでチケットを購入。

わくわくしながら足を運んだ映画館のスクリーンで目にしたのは、日常と地続きの空間で繰り広げられる、「すこし・ふしぎ」な非日常。学校の図書館で短編SFを読み終えた後のような、心地良い充足感を得られる作品でした。

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死後の世界はVR!? ドラマ『アップロード』で描かれる“デジタルなあの世”がおもしろい

ドラマ『アップロード』感想記事サムネイル

 たとえ肉体がなくなっても、電脳世界でずっと生き続けたい──。

 そのような未来をチラリとでも考えたことがある人は、少なからずいるのではないかしら。たとえ意識だけの存在になったとしても、電脳の仮想世界で自由気ままに過ごしたい。──とはいえ、映画『マトリックス』のように機械に管理されるディストピアは勘弁願いたいところだけれど。

 ドラマ『アップロード』では、そんな「デジタルなあの世」で過ごす人々の悲喜こもごもが描かれる。

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