ぐるりみち。

平成生まれのフリーライターのブログ。本・映画・マンガ・アニメの各種レビューに、旅行・グルメ・街歩き日記など。

渋谷『瑞兆』のカツ丼は、過去最高においしい至高の一品だった

 圧倒的な存在と相まみえたとき、人は言葉を失う。

 なんとかして声を絞り出そうにも、大きなため息を漏らすか、「あ〜〜〜!!」という訳のわからない叫びが発するか、一言程度の感想をポロッと吐き出すくらいが限界。なればこそ、僕のような一部のオタクは、感極まってこう漏らすのだ。「尊い……」「好き……」などと。

 

 

 そういった状況は食べ物にも当てはまり、「うめえ!」「パねえ!」と叫ぶか、何も言えなくなることがある。年に何度もない経験ではあるものの、つい先日に食べた喉黒がまさにそれだった。

 あまりのおいしさに声を出せず、しかし同時に込み上げてきた感情の昂ぶりを抑えることもできない。机の上に突っ伏し、身悶えるしかできなかった。おいしくておいしくて震えつつも、あのときは多幸感に包まれていたように思う。

 ただ、そのような予期せぬ出会いは頻繁にあるものではない。今年は前述の喉黒と日本酒の美味っぷりを胸に抱き、年末を迎えることになる――のかと思いきや、再び出会ってしまった。並々ならぬ美味しさに直面し、刹那的な脳内トリップによって言葉を失う食べ物に。

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 それがこちら、渋谷『瑞兆』さんのかつ丼でございます。

 

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奥渋谷で食べる、1,000円ポッキリの至高のかつ丼

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 『瑞兆』さんがあるのは、渋谷駅から徒歩10分ほどの場所。センター街を抜けた先、最近は「奥渋谷」とも呼ばれるゾーンの一角です。近くに勤めるサラリーマンのあいだでは、それなりに有名な渋谷のランチスポットなのだとか。

 僕自身、このあたりは何度か散策したことがあり、上の写真にもある「かつどん屋」ののぼりも視界に入っていたのだけれど、いつもスルーしてしまっていた。それが先日、Takiさんの記事*1でこちらを見かけて、「こんなにうまそうなら行くしかねえ!」と決心したのでした。

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 それまでスルーしてしまっていたのは、「微妙に店の場所がわかりづらい」ことも理由に挙げられるかもしれない。先ほどののぼりが目に入って「おっ?」と思っても、この建物のどこにあるのかが微妙にわかりにくいのだ。

 ちょっとでも覗きこめば、1階の通路に「かつどん屋」の看板が出ているのがわかるはず。ただ、普通に通りがかるだけでは店内が見えないため、知っていないとなかなか入ろうとは思えないようにも感じる。メニューも出ていないし、2階にあると勘違いしてスルーする人もいそう。

 実際にお店の前まで来ても、チェーン店に慣れている人は敷居の高さを感じるかもしれない。店内は想像以上に狭く、「ちょっと大きめの屋台」くらいの規模感。席はカウンターの8席のみ。隣の人と膝がふれあうくらいの近さで、座るとき・立つときは譲り合って入退店するレベルだ。

 けれどそれも、ひとたび入ってしまえば怖くない。敷居が高いどころか、そのへんの定食屋さんよりも気軽に訪れられそうな印象を抱きました。注文は一言でOK。会計も1,000円札を渡すだけ。ぬるっと入って、さくっと食べて、ちゃちゃっとお店を後にできる。人見知りにも優しい雰囲気だった。

 そのお手軽感の理由は、メニューが非常にシンプルだから。こちらのお店で提供しているのは、「かつ丼」と「ビール」の2つのみ。必然的に誰もがかつ丼を頼むため、迷うことがない。

 入店すると「ごはんの量はどうします?」と店員さんから聞かれるので、それに答えつつ着席し、あとは料理が出てくるのを待つだけ。漬け物とお吸い物、メインのかつ丼を受け取り、食べ終えたら、1,000円札を渡して退店。……うむ。最高にシンプルでござる。らくちん。

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 そして、こちらがその、かつ丼1,000円です。丼に蓋をした状態で手渡され、それを開けて目にしたときの「うっひょー!」感がすごい。めっちゃうまそう。

 実際はすぐ目の前で調理しているのが見えており、食欲をそそるジュージュー&サクサク音を聞こえているのだけれど。それでも、完成形を目の当たりにしたときのワクワク感はひとしお。

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 『瑞兆』さんのかつ丼の特徴は、何と言っても「カツが卵とじされていない」こと。調理の流れとしては、高温でカツを揚げたあと、フライパンで半熟程度に焼いた卵の上にカツを乗せ、少し熱したら、ごはんの上に盛ってタレをかける――といった感じ。

 それゆえに、カツのサクサクとした食感がたまらない! かなりの高温で揚げているのか、はたまた揚げたてゆえか、いつも食べているかつ丼よりも香ばしさが際立っているのも特徴的。それが甘辛めのタレとなじんで口の中いっぱいに広がるから、めちゃくちゃうまいしごはんが進む。

 もちろん、ふんわりとろとろに焼かれた卵も程よく良い感じ。ごはん、カツ、焼き卵をみんな一緒に口の中に放りこむと……なんかもう、最高にパラダイス。

 どれが重要かと言えば、やはりサクサクのカツと甘辛タレになるのでしょうが……でも、卵とごはんがないと、どこか物足りない。そう考えると、これはカツ単品で食べるものではなく、紛れもない「かつ丼」としての形になることで完成すると言えるのではないかしら。

 


 

 いつもはコスパ重視、安くてそれなりにおいしい某チェーン店のかつ丼を食べていた自分にとって、『瑞兆』さんのかつ丼はちょっとした革命でございました。

 チェーン店と比べて約2倍の価格、ランチ代としては決して安くはないのだけれど、目の前にこちらのお店とチェーン店が並んでいたら、いつも迷わず『瑞兆』さんを選ぶくらい。これからは渋谷でお昼ごはんに悩んだら、まっすぐこちらに向かおうと思いました。ビバ、かつ丼。

 

店舗情報

  • 営業時間:11:30~18:00(月~金) / 11:30~20:00(土)
  • 席数:8席
  • アクセス:JR山手線「渋谷」駅ハチ公口 徒歩10分
  • 住所:東京都渋谷区宇田川町41-26 パピエビル 1F

※参考:食べログ

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