『副業ブログで月に35万稼げるアフィリエイト』を読みました【献本】


 ブログ「らふらく」のタクスズキ@TwinTKchanさんから献本をいただき、『副業ブログで月に35万稼げるアフィリエイト』を読みました。

 

「ハウツー」ではなく「ノウハウ」

 さて、本書のテーマはそのタイトルのとおり、「副業ブログ」。Kindleストアで販売中の電子書籍『サラリーマンが副業ブログで35万円稼ぐまでの奮闘記』を元にしたノウハウ本であり、「ブログで稼ぐ方法」をまとめた内容となっています。

 読み終えてまず感じたのが、必ずしも「初心者向け」のハウツー本ではないということ。ゼロから始めるようなガッチガチの入門者というよりは、少しでもブログ運営をしたことがある人、あるいはネットを利用して基礎知識を身につけた人に向けた本。そのような印象を受けました。

 

 というのも、基本的なウェブ用語の説明はほとんどなく、前提となる「ブログ」の定義や種類についても触れられていなかったので。本書における「ブログ」は、「副業として稼ぐためのツール」とほぼイコールの意味合いで使われているように読めました。

 もちろん、すでにそういった背景を知っている自分からすれば、「基礎の再確認で尺を取らず、すぐにメインコンテンツに入ってくれているから読みやすいぜ!」という点で好印象ではあるのですが。ターゲットとなる読者層は、そのような「ある程度は知っている人」なのかなーと。

 

 それゆえに、 “ハウツー本” ではなく “ノウハウ本” 。

 

 知識ゼロの状態から順々に方法論を学んでいく “教科書” というよりは、読者一人ひとりに対して必要な知識を与えてくれる “副読本” のような読み心地。掻い摘んで読むだけでもブログ運営の役に立つ「知識集」として、参考にできる部分は多いんじゃないかと思います。

 僕自身、そもそも普段から「稼ぐこと」を念頭に置いたブログ運営をしていないこともあって、「そんな考え方(ツール)もあるのか!」と勉強になったポイントが多々ありました。実践するかどうかは別として、知っておいて損のない知識や手法が、200ページに及ぶ1冊に詰まっています。

 

「副業ブログ」と「アフィリエイター」の境界線

 読んでいておもしろいなーと思ったのが、この「副業ブログ」という視点について。昨今、この手の「ネットで稼ぐ」系の本は数多く出版されているイメージがありますが、この「副業ブログ」という立ち位置に特化した本って、意外と目立っていなかったように思うんですよね*1

 というのも結局のところ、「本気で稼ぐ」ためにはアフィリエイトを中心に据えるのが王道。稼ぐことを目的にした本のなかにも、タイトルでは「ブログ」を謳っていながら、その手法はトレンドアフィリエイトを中心としたサイト作りであることが少なくありません。つまるところ、「アフィリエイター」としての視点や考え方に収束する場合が多いように思います。

 

 それならば、「ブログで自由に稼ごう!」と変に個性を出した不確定要素ばかりの方法に頼るのではなく、最初から「アフィリエイトサイト」の作り方を学んだほうが確実。

 それに、中途半端に時流に乗ったコンテンツを個人ブログ上で乱造するよりも、しっかりと学習・調査・分析の過程を経た高質なアフィリエイトサイト作りに徹したほうが、読者からも広告主からも喜ばれる気がする。単純に「稼ぐ」だけなら、アフィリエイターを志向したほうが良いのではないかしら。

 

 そういった、「“ブログで自由に稼ぐ” とは言うけれど、要するにアフィリエイターを目指すんだよね?」という煮え切らない内容の本が多く見られるなか、本書は明確にその境界線を引いている印象を受けました。

 本文中で「副業ブロガー」と「アフィリエイター」の違いについてはっきりと言及されているわけではありません。ただ、どちらかと言えば「売れるコンテンツ」や「稼げる広告」ありきではなく、「自分が好きなこと」や「日常生活の出来事」ありきとしてブログ運営を推奨しているという点で、本書は立ち位置がしっかりしているように感じます。

 

 これは何も、「アフィリエイター」と「副業ブロガー」のどちらかが悪いとか優れているとかではないので、念のため。問題なのは、「ブログで自由に稼ぐ」ためにアフィリエイトを中途半端に推奨した結果、読者や広告主が望まない低質なコンテンツが蔓延ってしまうようなケースです。

 収益の最大化を目指し、高品質なサイト制作のため、広告に関する学習や分析に余念がないアフィリエイターでなく、自分の専門・得意分野についての知識や体験をブログにまとめ、関連するアフィリエイト広告を掲載することで収益化する副業ブロガーでもなく。そのどっち付かずで、ただただ「稼げるから」という理由で詳しくもないジャンルの広告を貼り、誤クリックを誘導するような「稼ぎ方」はあまり褒められたものではありません。

 

 その点、本書で説明されている「稼ぎ方」は決して無闇矢鱈に「稼げる広告」を推奨しておらず、後者の「副業ブロガー」の視点に立った内容となっています。ブロガー本人の興味関心や知識といったコンテンツありきの考え方であり、信頼の置ける1冊だと言えるでしょう。

 また、筆者本人の過去の失敗を含めて、「やってはいけないこと」についても言及されているのもポイント。バズや数字を重視したブログ運営にも懸念を示しており、共感できる箇所が多くありました。一部、リスクに対する考え方が言葉足らずであったり、ちょっと煽りすぎなんじゃないかと感じられたりする部分もありましたが……まあその辺は、実際に運営しつつ各々に調整していくべきところなのかなーと。

 

 何はともあれ、「副業ブログ」を志向する人の副読書としてはおすすめの1冊。個々のノウハウはもとより、実際に「副業」からブログ運営を開始し、継続的に収入を得続けている人の記録・体験談として参考になる部分も多いかと思います。

 

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*1:それこそ『ブログ飯』とか、そのあたりになりそう。