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ぐるりみち。

日々日々、めぐって、遠まわり。

自転車の思い出と募る興味、しまなみ海道と『ろんぐらいだぁす!』

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 先日、『ろんぐらいだぁす!』を一気に読みました。少し前から自転車系の同人誌をちょいちょい買って読むようになったこともあり、その流れで。――まあ自転車は持ってないんですけどね!

 とは言え、それだけ特定ジャンルの本やらマンガやらに手を出していれば、必然的に興味も湧いてこようというもの。過去にも何度か「じてんしゃ……いいなあ……」と食指が動いたことはあったのだけど、お値段を見てそっ閉じしていたので……。ゼロの数多すぎわろた……。

 

 

 他方で最近は『ポケモンGO』の影響もあり、日頃の移動距離も増える傾向にもありまして。特に23区内の公園をめぐる際は電車に乗らず、10km未満の距離なら歩くような機会も増えた。

 そうなってくると、「自転車があればもっと効率よく動けるんだろうな……」と考えるようにもなる。そう、ポケモンを探して各所をめぐるための、便利な“足”が欲しくなってきたのです。徒歩での移動は時間がかかるので、もう少し移動速度をアップさせたい。本家ゲームの“じてんしゃ”がごとく。

 考えてみれば、子供のころはいつもチャリを乗りまわしていたのに、今や当たり前のように電車に頼るようになってしまった。時間帯によっては満員電車の混雑を耐える必要があるし、交通費もバカにならない。それらの問題点を差し引いても便利な電車ではあるけれど、そろそろ別の選択肢=自転車を持ってみてもいいのでは……? と、そう考えはじめたのです。

 

 

少年時代の「自転車」の思い出

 振り返ってみると、子供のころの自分は、いわゆる“チャリンコ小僧”と呼べるようなガキンチョだったように思う。

 誕生日に子供用のマウンテンバイクを買ってもらって以来、家に帰ればすぐさまそれに飛び乗り、茨城の田舎道を走りまわっていた。小学生にとっては重要な移動手段だった自転車は、いろいろとすり切れてボロボロになるまで使い込んだ記憶がある。一皮むけば、パンクの修理跡だらけ。

 

 中学生になっても、自転車に乗る頻度はあまり変わらず。週末は隣駅のTSUTAYAまで20分ほどチャリを走らせ、おこづかいが許すかぎりCDをレンタルし、家に帰宅。MDコンポを使って録音したら、当日中にまた隣駅まで往復する生活を続けていた。

 ……だって、交通費をケチれば、シングルCDが2、3枚は余分に借りられたんだもの。1駅分の運賃ですら、中学生にとっては大きな出費なのです。自転車にお金をかけてカスタマイズした覚えはないけれど、最低限、パンクは自分で直していた。父親が教えてくれたので。

 

 しかし、高校生にもなるとさすがに、小中学生時代のMTBを乗りまわすのは難しい。学校も電車通学だったため、長年お世話になったそれを手放し、チャリとは無縁の生活を送ることになる。定期券のすばらしさよ……。これさえあれば、TSUTAYAにも実質タダで行けちゃうんだぜ!?

 ――とか言いつつも、家族のママチャリを借りて週末サイクリングを楽しむこともあったり。当時住んでいた埼玉南部のベッドタウンから、東京の上野までギコギコ。行きは川沿いやら国道やらをひたすら走り、帰りは線路沿いをゼェゼェ言いながら漕いでいた思い出。片道25kmくらい?

 

ノリで訪れた「しまなみ海道」に魅了される

 次に自転車と再見したのは、大学生のとき。入学してすぐ覗きに行った自転車サークルの体験入部で、江ノ島サイクリングへ。先輩から借りたクロスバイクは乗り心地も良く、「結構楽しいぞー!」と入部を考えるも、必要になる費用を聞いて断念。学生目線だと、貴族の趣味ですわ……。

 そのまま、チャリとは無縁のまま卒業を迎える――かと思いきや、3年生の夏にまた別のきっかけが。青春18きっぷを使って「とりあえず九州まで行くべ!」と鈍行列車を乗り継ぐ一人旅の道中、立ち寄った広島県尾道市にて、「しまなみ海道」の存在を知ったのです。

 ……ほほー、広島から愛媛まで渡れる道があるんです? ……え? しかも歩行者&自転車も通行可能で、さらにレンタサイクルまであるの? 瀬戸内海を眺めながら、島々をめぐってエンジョイサイクリングできちゃうの!? ――なにそれ、超おもしろそう! やってみたい!! ……でも残念、目指すのは四国ではなく、北九州なのだ……と、このときはスルーしたのですが。

 

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 その後、卒業前に尾道を再訪。夜行バスで早朝に到着し、「途中の島で宿泊もできる? ……そんなお金の余裕はないから1日で行くぜ!」という節約学生のノリと勢いでもって、1日かけて尾道〜今治のしまなみ海道75kmを走るレンタサイクル旅を敢行したのでした。若かった。

 

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 ろくに運動もせず、卒論のために引きこもり生活を送っていたこともあり……やはり、75kmはキツかった。しばらく自転車とは無縁の日々を過ごしていた不慣れさも相まって、尾道から数えて6つ目の最後の橋・来島海峡大橋に辿り着いたころには、すで夕刻。体力も限界で目が死んでた。

 実際に走ったことのある方は想像がつくんじゃないかと思いますが、自転車初心者にとって、しまなみ海道の難所は6つの“橋”――もとい、橋の上へと続く“上り坂”なんじゃないかと。想像以上にアップダウンが激しいため、慣れていない初心者は、そこで体力を無駄に消耗してしまうのです。

 案の定その情報を知らず、「1日かければ余裕っしょ〜♪」などとほざいていた自分は、今治にたどり着くころには死に体でございました。へんじがない、ひどいうんどうぶそくのようだ。愛媛みかんうめえ。

 

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 結果、75kmを走破した達成感はあったものの、もう満足というか、あんなキツいことはもうやるまいと。若気の至り、学生時代の良き思い出として、たまに振り返るくらいになるのだろうと。

 ――そんなふうに考えていた時期が、僕にもありました。

 

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 蓋を開けてみれば、その後も何度か、懲りずにしまなみ海道を訪れることになるのです。なによりまず、「尾道」という街に惚れたのが大きいかもしれない。で、たまーに夜行バスで尾道に降り立つと、その流れで今治を目指してペダルを漕ぎ出してしまうんですよね……ドMかな?

 

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 3回目を迎えたころには、やっと「走り方」を覚えたのか、景色を楽しみながら四国へ渡る余裕も出てきた感じ。尾道から今治へ向かう同じコースを、同じレンタサイクルで、いつも1日で渡りきる強行日程。それが、楽しかった。……だけどそろそろ、まったり自転車旅もしてみたいとは思う。

 

『ろんぐらいだぁす!』と同人誌が教えてくれる、自転車の魅力

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三宅大志『ろんぐらいだぁす!』(5) P.54

 

 で、ようやく冒頭に戻って『ろんぐらいだぁす!』の話ございます。本作は、一口に言えば「自転車×かわいい女の子」のゆるふわ(?)マンガではあるのですが、自分のような門外漢でも楽しく読める内容。「“はんがーのっく”? 家具か何かかな?」レベルでも無問題。

 自転車のことを何も知らない主人公と同じ目線で、スポーツサイクルの知識・用語・楽しみ方などをまとめて知ることができるため、「入門マンガ」とも言えそうな読み心地。ついでに、説明は丁寧だし背景はきれいだしサイクリングは楽しそうだしで、完全に沼へ誘う気マンマンの手口。わぁい!

 

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三宅大志『ろんぐらいだぁす!』(5) P.56

 

 でも他方では、無知ながら共感できるポイントもあり、自分の場合はそれがしまなみ海道のエピソードでした。「自転車はよくわからんけど、しまなみ海道の楽しさは知ってる!」ため、実際に見覚えのある場所が登場すれば「あるある」と思えて楽しく読める。

 ただしそうなってくると、必然的に物欲も刺激されるわけで。見覚えのある、だけど自分はレンタサイクルで走った道を、ロードバイクで気持ちよさそうに走っているマンガのシーンを見れば、「むっちゃ楽しそう……僕も自分のチャリを買って……」なんて、沼が迫ってくる。やべえ。

 

 

 さらには、冒頭の写真でもチラッと写っている『自転車女子しまなみ一人旅』*1や、『ふらっとぺだる』*2といった同人誌に、こやまけいこさんの『くるくる自転車ライフ』なども読んでみて、「やっぱり自転車、ええやん!」と自らを沼に追い立てているのが現在までのハイライト。

 当然と言えば当然だけど、どの本を読んでも「自転車はいいぞ」と眼前に迫ってくるほど楽しさが感じられるし、同じ自転車仲間に向けて書いているようでいて、初心者向けの解説やハードルを下げる考え方もまとめられているからありがたいんですよね。ガチガチの「入門書」は意外と探しても見つからない一方、こういったマンガが間口を広げてくれているイメージ。ありがたや。

 

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三宅大志『ろんぐらいだぁす!』(2) P.77

 

 「最初はクロスにしようと思ってたけど、折りたたみも良いなあ……」という具合に。

 そんな具合でここ最近、自転車購入の機運を自分なりに高めていたので、近いうちにお迎えしようかと考え中なのです。予算を決めて、収納スペースを確保して、いくつかのお店をまわってみて……? 大手以外では、なんとなくバイクプラスさんが気になってます。

 ちょうど『ろんぐらいだぁす!』のアニメも始まるし、今の今まで躊躇っていた分、流れに乗っかるならこのタイミングなのかな、と。そしてゆくゆくは、マイバイクでしまなみ海道を縦断したい――けれど、その前にレンタサイクルでもどびゅーんと渡りたい。しばらく行けていないので。

 

(C) 三宅大志/一迅社

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*2:サークル「柚子屋茶寮」ミナヅキトウヤさん他の同人誌/COMIC ZIN 通信販売/商品詳細 ふらっとぺだる1