ぐるりみち。

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思春期の音楽生活を支えてくれた、ダブルMDコンポ

MD

 なんだかんだと、5年くらい前まではお世話になっていたから――およそ10年の付き合いだったのかしら。中学生になって、流行のJ-POPやら何やらを聞くようになった頃、自宅で僕の音楽生活をいつも支えてくれていたのは、コイツだった。

 

MDウォークマンとの出会いと、見知らぬおねーさんがくれたMD

 自分のモノとして初めて手にした音楽再生機器は、親父のお下がりのMDウォークマンだった。四角いミニディスクにCDの音源などを録音し、いつでもどこでも聞くことができるようになる、文明の利器。

 収録曲が決まっている既成品のCDとは異なり、MDであれば、自分が好きな複数のCDの音楽を1枚のMDに録音することが可能。今で言う「プレイリスト」でござる。それこそ、自分のセンスが存分に発揮されるため、あれこれと選曲を考えるだけでも楽しかった記憶がある。

 しかしそれも、録音機器がなければどうにもならない。もともと親父はそのMDウォークマンを会議の録音用か何かで使っていたため、譲り受けた当初はCDからMDに音楽を録音することができなかった。だめじゃん。

 

 ――と書いていて思い出したのだけれど、そういえば録音機器のなかったあの頃、なぜか1枚だけMDを持っていた。確かアレは、中学生だった当時から遡ること数年前。茨城県に住んでいた頃、見知らぬおねーさんにもらったものだった……と思う。

 詳しい経緯だったかは忘れてしまったけれど、おそらくは小学校から帰る、放課後の道すがら。近所の公園かどこかで遊んでいたら、ギターの音が聞こえてきたんだ。なんだろう? と思って覗いてみたら、アコギを抱えたおねーさんが、楽器の練習をしていた……んだったと思う。

 どんなやり取りをしたかは、全く覚えていない。でもきっと、ギターを抱えるおねーさんの姿は、まだガキンチョだった僕からはいっぱしの「アーティスト」に見えたのだろうし、対する彼女も、興味本位で寄ってきたちびっ子を邪険にせず、話し相手になってくれたのではないかしら。

 

 そうして別れ際にもらったのが、件の「MD」でござった。

 

MD
実物。まだ残ってた。

 CDとは異なるそれを、小学生の自分は何だかわからなかったはず。それでも、親切なおねーさんからもらったプレゼントとして保管し、引越し先にも持って行き――中学生になった頃、MDウォークマンとの出会いと同時に、机の引き出しから発掘したのでしょう。

 録音されていたのは、自分も聞いたことのある――けれど、曲名も歌手もわからない、英語の歌。そのうちの2曲は、運動会の組み体操で使われていたので、「あっ、あの曲だ」とすぐに気づいた覚えがある。特徴的なクラップから始まるあの曲と、ピアノの弾き語りから始まるあの曲。

 曲名を知るのは、もうしばらく後になる。いずれもQUEENの楽曲で、かの有名な「We are the Champions」「We Will Rock You」、そして「Don't Stop Me Now」だった。

 

音楽生活を支えてくれた、ダブルMDデッキ

 閑話休題。 “おねーさん” の話が長くなってしまったけれど、ともあれMDでござる。もちろん、それだけでは自分の好きな音楽を持ち運んで聞くことはできないので、CDからMDへのダビング機器として誕生日に買ってもらったのが、コイツだった。

 

 

 JVCケンウッド製の、コンパクトコンポーネントMDシステム。CDからMDへの録音ができるだけでなく、MDの挿入口が2箇所あり、MD同士でのダビングも可能な優れモノである。

 しかもしかも! MD→MDの場合は2倍速での録音となりますが、CD→MDの場合は、なんと4倍速!つまり約70分収録のフルアルバムも、たったの17分程度でダビングが完了しちゃうんです! わぁい! はやい! 今となっては、iTunesで超高速インポートできちゃうけど!

 

ダブルMDデッキ コンポ

 とは言え、iPodを持っていなかった当時の自分にとっては、貴重な録音機器。中学生のお小遣いではCDを何枚も買うことなぞできず、流行の音楽を追いかけるには録音環境が必須でござる。ノイズ混じりのラジオ音源では満足できない自分には、MDこそが数少ない録音手段だったのです。

 まず、ラジオでシングルヒットチャートをチェック。毎週末は、午前の間に隣駅のTSUTAYAまでチャリをかっ飛ばし、気になったCDを片っ端からレンタル。お昼には帰宅し、夕方までに借りてきたCDをMDへダビング。そしたら暗くなる前に再びTSUTAYAへ走り、当日返却。――節約命!

 基本的にはMD1枚にCDアルバム1枚を記録し、必要に応じて「お気に入りMD」にそれらMD群の中から好きな楽曲を録音。外に持ち出したり、家で勉強の作業用BGMにしたりしていた感じ。外出用のMDにはたくさん曲を入れるため、LP4録音してたけど、音質が残念になっちゃうのよね……。

 

 ――とまあ、そんな音楽生活を可能にしていたのが、このMDコンポであり、自分にとって思い入れのある電化製品のひとつなのでした。マジでお世話になりました。

 その後しばらくしてiPod miniをお迎えしたため、MDコンポは主に作業用BGMを流す再生機器としての役割を果たすことに。あと、指定したトラックの曲を時間になったら再生するアラーム機能もあったので、それは大学時代まで使ってた。目覚めはJAM Projectの「思い出は億千万」にしてたなあ……。

 

 “おねーさん” に手渡されたMDとの出会いから、かれこれ16、7年といったところ。最近はもう使うこともなくなったけれど――そんな、思い出の音楽機器の話でした。MD再生機器の生産は終了したけれど、今も現役で使っている人、探せば意外といるんじゃないかしら……?

 

 

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