自分の好きな「ウェブコンテンツ」の話 #HyperlinkChallenge2015


mixi時代、古くは個人ホームページ時代の「100の質問」の頃から大好きだったインターネット文化のひとつに、「バトン」の存在がある。

俗に言う「呪いのメール」のポジティブ版とでも言うのかしら。いくつかの質問に答えたうえで次に自分が回したい人を指名できることから、気軽に他の人とキャッキャウフフできる素敵ツールとして重宝しておりました。強制性の強い「地雷」には賛否両論もあったけれど。

そんな古き良き(?)バトンが久方ぶりにまわってきました。わぁい。早速、答えちゃうよ!

 

自分の「一番」を語るだけの簡単なバトン

詳細はこちらをば。この「ハイパーリンクチャレンジ」、企画者のひとりである鳥井さんの記事を皮切りに、他の人が書いているのをずーっと追いかけて楽しませていただいていたのですが、まーったくまわってくる気配が全くなかったんですよね……。

気分はまるで、友達の家でみんなが楽しくマリカーをプレイしている中、一人だけせっせと宿題に取り組んでいる小学生。おめぇのコントローラー、ねぇから! いいもん……どうせみんなワリオスタジアムのショートカットできないから、あとでフルボッコにしてやるぜよ……。

──という冗談は置いといて、参加者に要求される作業は以下のとおり。

 

  • その年(前年12月〜本年11月)までに公開されたウェブコンテンツから印象に残った記事を2本だけピックアップする。1本は自らが執筆・制作に関わった記事、もう1本は他媒体で公開された記事とする。
  • 参加者はそれぞれの記事を選んだ理由を、ブログやSNS等にまとめて発表する。選考した理由もあることが望ましい。
  • また、次にチャレンジを受けてもらいたい人物、印象に残った記事を聞いてみたい人物も2人〜3人程度指名する。なお、指名がなくとも、開催趣旨への理解があれば自発的な参加も歓迎する。
  • 記事制作後、次のハッシュタグを付けてTwitterにて報告ポストを投稿する → #HyperlinkChallenge2015 #孫まで届け

【ハイパーリンクチャレンジ2015】僕にとって今年1番おもしろかった記事。鳥井弘文 #HyperlinkChallenge2015 #孫まで届け | 隠居系男子

 

一口に言えば、「アナタの今年の『いちばん』を教えてほしいなっ☆」といった内容。12ヶ月以内に「① 自分がネットで目にした」「② 自分が携わった」印象的な記事を、それぞれ取り上げて紹介するものです。

これ、指定が“ウェブコンテンツ”となっていることが肝だと勝手に考えていて、「つまり動画も音楽もイラストもありなんですね!」なんて深読みしていたのだけれど、意外とみなさん文章コンテンツに限定されている様子……。じゃあ僕も直球勝負にしませう。

 

この一年間で印象に残った記事

インパクトとして“印象に残った”記事はもっと他にたくさんあるのですが、選んだのはこちら。それにはいくつかの理由がございます。

 

「インターネット的」な記事が読みたい

「心を動かされた」という点で印象的だった記事は数多くある。他にも何名かの方が挙げているポリタスの高橋源一郎さんの記事とか、DPZの古書店主インタビューとか。

しかし一方でそれらは、もともとテレビや雑誌といった昔からのメディアで活躍していた人、話題になっていた人が携わっているコンテンツであり、ぶっちゃけ「テレビ・雑誌でも触れられる」(触れられそうな)ものでもあると思うんですよ。

もちろん、いずれもが「ネット発」のオリジナルコンテンツであることは間違いありません。けれど、それ以前から知名度・影響力を持っている人やメディアが発信元となっていることもあり、「ネット」という文脈が必須ではないようにも見える。そこで、“ハイパーリンク”を称する本企画に際しては除外した格好です。

 

ひとりの個人の、等身大の物語

その点、こちらはエンタメ系メディアの記事でありながら、テレビでも雑誌でもあまり目にすることはないような、一個人たる筆者とその周囲を等身大に切り取ったコンテンツであるように読めました。それすなわち「ネット的」じゃね? と感じたので。

筆者の個人的な、日記的な内容であるために、「フェス」の文脈を知っている読者にとっては「自分ごと」として共感しやすい文章となっているように読める。加えて「フェスに参加してきた」というレポートの形式を採用しているため、それ以外の人も「楽しそう」と感じる書き口になっているのではないかしら。

それだけならまだ、雑誌に載っていてもおかしくはない体験記とも言えるかもしれません。しかし本記事では「61歳の母親」の視点を持ってくることによって、切り口としての独自性を付与すると同時に、他では読めない唯一無二のコンテンツとしての価値を生んでいるように読めました。

 

「そういうのもあるのか」を提供してくれる

音楽ライブの感想記事と言えば、セットリストとMCを詳細に記録・分析したものか、とにかく「むちゃくちゃ楽しかった!」という熱量の高いレポートが好んで読まれるという印象があります。愛のままにわがままに、「音楽」を語ったコンテンツ。

ところがどっこい。本記事ではそんな「音楽」の文脈を知らない「カーチャン」が主体となっているために、異文化交流と別世代視点が盛り込まれた、示唆に富んだ内容となっております。さらには「生活の知恵」や「知らない人目線のアイデア」までもが提示され、お腹いっぱい。

テレビや雑誌といった大きなメディアにおいて、未知の世界や視点を与えてくれるのは、だいたいがその筋の専門家。でもインターネットにおいては、プロでも何でもない一個人の発言が思わぬ気づきを与えてくれる。そういった身近な場所からの「そういうのもあるのか」は、読んでいて本当におもしろいし、大好きです。

──そんな諸々の理由から、こちらの記事を選ばせていただきました。他には「ある戦後映像の謎を解く - デイリーポータルZ」あたりも、すごく「ネットっぽい!」のかな、と。動画をきっかけに過去の歴史が紐解かれていく過程が、むっちゃわくわくする。

「ネット的」という表現を選出基準にするのであれば、ハイパーリンクをはじめとする「つながり」の部分をもうちょい深掘りするべきなのでしょうが、そこまで縛りを増やすとごちゃごちゃになりそうだったので。来年も、もっともっと個人的なお話が読みたいな。

 

自分が書いたもので印象的だった記事

自分が書いた記事としては、こちら。エ口本の話電子書籍出版の件と、どれにしようか悩んだけれど、特に「自分っぽい」内容かつ楽しんで書いた記憶があり、いま読み返しても納得できる文章であるように感じたので。

──というか、補足説明しようにも何も思いつかないので、よかったら読んでみていただけると嬉しいです、はい。ちょいちょいネタを挟んでいる部分は気にしないでくだはれ。恥ずかしいので><

 

楽しい企画に参加させていただき、ありがとうございました!

 

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