ぐるりみち。

平成生まれのフリーライターのブログ。本・映画・マンガ・アニメの各種レビューに、旅行・グルメ・街歩き日記など。

木の香りが好きです/嗅覚と記憶のハナシ

ダンボーと木

 

 自分が過去にブログで書いた文章を読み返していたら、ふと気がついたことがある。イベントの感想記事やグルメネタで顕著なのだけれど、妙に「木の香り」に関する言及が多い……ような気がするのです。

 思い返してみると、Twitterやmixiでもたびたび「木の香り」が云々、ということは書いていたような。もちろん、他にも「匂い」に関する言及はあるのだけれど、その中でもひときわ目立つのが「木」なんですよね。もしかして……木製フェチなのか……そうなのか……。

 

 

好きな匂い、嫌いな臭い

 何かしらの感想を言語化する際に「五感」の要素から説明するのは、それこそ小学校の“感想文”のころにはすでに教わっていた(気がする)常套手段なんじゃないかと思う。

 「たのしかった」「おもしろかった」といった主観的かつ感情本位の“感想”に立体感を持たせるべく、それを体験していない人にもわかるような形で伝えるための手段が、五感の説明なのです……よね!? おしえて! こくごのせんせー!

 

 とは言え、誰もが等しく健常な五感を持っているわけでもなし、各々の身体の器官によって“感じられる”モノは人それぞれ。視力の良し悪しに、難聴などなど。僕自身、ガキンチョのころから慢性的なアレルギー性鼻炎の持ち主ですしおすし。

 なので、鼻づまりが酷いときには、秋の季節におなじみの銀杏の臭いもわからないし、電車で隣りに座ったオッサンの加齢臭だってなんのその。自分の臭いに鈍感になってしまうという、状況によってはヤバいデメリットもありますが。まあ年がら年中、“鼻が死んでる”わけではないので、まだマシなほうなのかな、と。

 

 そんな感じの、「微妙に嗅覚が悪い」人間だからなのか、意外と「嫌いな臭い」を考えてもあまり思いつかない。極端な話、ウンコのニオイですら「あ、ウンコだ」くらいのもので、そこまで不快感は覚えないのです。――あ、別に好きなわけじゃないよ! そういう趣味はないです!

 強いて言えば――「味覚」とも関わってくる話だけど、セロリのニオイにはちょっと忌避感を覚えるくらい。歯ごたえも好きじゃないから、「食感」も含むのかしら。それ以外、特に「これはあかん!」というのは思い浮かびませぬ。「もらい○○」するやつはさすがに無理だけど。

 

 で、逆に「好きな匂い」として思い浮かぶのが、やっぱり「木」なんですよね。代表的なのは、お風呂や建材、酒器としておなじみの「ヒノキ」先輩かしら。自分が知るかぎり、あの香りを嫌いだと話している人は見たことがない……はず*1

 自分がこの「木の香り」を好きなのは、そもそも「木」という存在が好きなせいなのか、はたまた嗅覚に訴えるニオイの中でもそれを好んでいるせいなのかはわからない。けれど、きっとそれには何かしらの理由があるんじゃないかと思いまして。

 

 ――で、そんなことを考えていて思い出したのが、「嗅覚」と「記憶」の関係性の話でございます。

 

思い出すのは青春の日々

 

 何度かテレビ番組なんかでも取り上げられていたような覚えのある、「ニオイ」と「記憶」のお話。今でも、哺乳類の多くがクンカクンカすることによって目の前の物体Xの危険性を判断しているあたり、やはり重要な感覚器官であるのでしょう。

 そのように「嗅覚」と「記憶」が直結しているとすれば、自分にとって「木の香り」と関係のある「記憶」を振り返ってみることで、「好き」の理由がわかるんじゃないかと。……別に森林育ちではないし、木造建築に住んでいたわけでもないし……はて?

 

 そこで思い至ったのが、高校時代の部活動でございました。毎日、放課後には2時間以上も手に握り、帰り際には手のひらにニオイが染み付ききっていた、細くて長いアレ。時に真っ二つに叩き割り、泣く泣く手放してきた“相棒”こと――太鼓の「バチ」でござる。

 

 主に使っていたのはヒノキでなく、「朴(ほお)」の材質のものだったけれど、自分の人生の中であれほどに「木」と隣り合う生活をしていたのは、高校生当時くらいのもんなんじゃなかろうか。

 確かに、それ以前までは「木の匂いハァハァ」なんて言っていた覚えもなし。高校の3年間で「木の香り」が好ましい匂いとして記憶され、のちのち「木」に接するたび、自然とその情報が引き出されていたのかもしれない。だから今も、「木の香り」が好きなんじゃないかと。

 

 他方で、例えばこれが、「高校の部活動がむちゃくちゃ辛く、思い出したくもない記憶」となっていたら。先ほどの「ニオイ」と「記憶」の話に沿うのであれば、「木の香り」に対する印象も真逆になっていた可能性もある……と。そう考えると、なんだかふしぎ。

 ほかにも、「雨が降ったあとの空気の匂い」とか、「墓地に漂う線香の香り」とか、自分が好きな「ニオイ」の理由を考えてみたら、もしかすると過去の何らかの記憶とつながっているのかもしれない。普段は意識しない「五感の“好き”」の理由を考えてみるのも、おもしろいかもですね。

 

 ――“クンカクンカ”には、ロマンがある*2

 

 

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*1:検索してみたら、「フィトンチッド」なる成分があるそうな。森林浴が気持ちいいのはこやつの影響らしい。/フィトンチッドって何だろう ?

*2:クンカクンカとは - ニコニコ大百科