ぐるりみち。

平成生まれのフリーライターのブログ。本・映画・マンガ・アニメの各種レビューに、旅行・グルメ・街歩き日記など。

【寄稿】ゆとり世代が炎上について考えてみた

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photo by GoonSquadSarah

 

 「炎上」も一種のコミュニケーションだと思う。ただし同時に、あまり好ましいものとは思えない。それは、双方向性が担保されていないからだ。

 

 炎上がなぜ起こるのかと言えば、異なる文化同士が強く衝突し、それが周囲へと波及することによって巻き起こされるのだと考えられる。

 基本的に炎上の構造は、「一」対「多」となっている。個人と集団のいさかいであるがゆえに、「一」の側は「多」のすべての意見に対応するのは難しい。一定の偏重はあるにしろ、批判から非難、中傷まで含まれるのが炎上だと自分は思っている。

 これは、直接ぶつかった層とそこから波及し間接的に言及する層が重なり、混ざり合うことで、事態の収拾がさらに困難になるからだと言って間違いない。情報に対して、どれほどの前提が共有できているか把握するのが難しい点も、問題のひとつなのだろう。

 炎上の中で、「多」は「一」を蔑ろにしやすい傾向があると感じる。なぜなら彼らは、「一」に原因があるためからこそ炎上しており、言わばそれが「悪」であると無意識に定義付けているからだ。人はきっと、他者を罰することを好むのだと思う。

 つまり「炎上」は、正当な理由をもって人を罰することのできる絶好の機会だと言える。正当な理由を持つ「多」である安心感は、人の自制を緩めてしまうのだろう。

 

 「一」である個人としては、炎上を完全に防ぐことは難しい。言うまでもなく、すべての人間がすべての文化圏に精通し、配慮し続けるのは不可能であるからだ。さらに言えば、どれだけ配慮を徹底したところで、それでも失敗をしてしまうのが人だと自分は思う。

 その中で、自分はどうやって炎上と向き合うか?

 私自身、実践できる自信はないが、「炎上を前提に書いていく」というのが、自分なりの答えになるのかもしれない。

 

 炎上してからできる対処は、そう多くは思いつかない。自分としては、大きく分けて2つあると思っている。コミュニケーションを諦めるか、あるいは、さらにコミュニケーションを取ろうとするか。

 「コミュニケーションを諦める」とは、例えば、火種を消して待つということ。炎上した該当記事を消すなり、アカウントを消すなりして、現実の日常に打ち込み、ほとぼりが冷めるのを待つ。

 「さらにコミュニケーションを取ろうとする」というのは、例えば、反論の記事を書くなどすること。そのときに必要なのはおそらく、誠実であることと、非難や中傷は切り捨てることだと思う。

 炎上の渦中にあって、非難や中傷を正常に判断するのは難しい。感情をかき乱された状態では、筋の通った批判までもが非難や中傷に見えてしまってもおかしくはない。振り返ったときに、自分に非があったと思い直したなら、そのときにまた口を開けばいい。

 

 以上の2点が、炎上した後の主だった対処法だと私は考えている。しかしそれだけではなく、加えて、炎上が起こる前の準備が大切だとも思う。

 そのための「準備」とは、かっこつけて言えば、「自分の信念に沿って書く」ということだ。炎上したとしても逆ギレできるくらいに、強く思うことを書いたらいい。――もちろん、そんなことをしたら余計に燃え上がってしまうので、実際に逆ギレするのは止めておいてもらいたいところだが。

 後悔しないことを書いてほしい。本当にその個人を、作品を、物事を、名指しで批判する覚悟があるか。本当にその思想を正しいと思っているか。その反響に対して、責任を持とうと思えるか。

 しかし、場合によっては、当人にとっては想像もしなかった炎上が振りかかる可能性もある。そのようなときに、周囲が個人に制裁を加えようとするべきではない。相手を精神的に追い込むことが、コミュニケーションの主体になるのが恐ろしいからだ。

 自分が強く思うなら、最善を尽くして書けばいいと思う。主語が大きいと指摘されたなら、訂正が必要かどうかはそのときに考えればいい。主語を大きく書いた根拠となる背景があったなら、それを追記をすればいい。論理の隙を突っ込まれたなら、自分なりに補足説明を加えればいい。

 炎上がコミュニケーションだとしたら、片方を封殺するだけでなく、互いが理解に努めるというゴールがあっても良いはずだ。そのためには、コミュニケーションの土俵に立つ、コミュニケーションを取る意思という前提がなくてはならない。

 ネットでのコミュニケーションにも、きっと、現実と同じように必要なコストがあるんだろうと、自分は思う。

 

 ああ、ブーメランが怖い。

 

 最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

 それでは、またいつか。

 

※炎上商法は除く

※想定は炎上が腑に落ちない人

 


 

この記事は、Novem_jpさんからご寄稿いただきました。

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