『編集会議』2015年秋号〜意外と身近な「編集」のハナシ


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 珍しく、雑誌を買いました。書店で発見して気になり、パラパラと捲ってみたら、ネット上で見覚えのある人の話がちらほらと掲載されていたようなので。

 ――定価1,300円。いつもの自分なら「たけえ!それなら創作同人誌買うわ!」なんて言いそうだけれど、今回はそう悩むこともなくレジでお会計。読後の感想としても、「よい買い物をした……」とほっこり顔をしながら呟く感じ。おもしろかったです。

 

意外と身近な「編集」のハナシ

 

 目次と詳しいコンテンツ内容は上記サイトを参照いただければ。

 

 ざっと文字を追いかけるだけでも、「コンテンツマーケティングに生かすオウンドメディア戦略」「新時代に求められる“編集2.0”」などといった、業界人以外にはまるで無関係とも思える、この目次。

 ところが、蓋を開けてみると、「価値ある記事とはなんぞや」「コンテンツの魅力をどのように伝えるか」「広告の考え方・付き合い方」「紙とWebの差異」「メディアの面白さ」などなど、なんとなーくピンとくるような、こないような内容がいっぱい。

 

 ――なんだかこれ、「ブログ論」っぽくね?

 

 もちろん、実際に「メディア」としてのブログを運営している人からすれば、何を今更という話ではありますが。でも意外に、一般の個人ブロガーの人たちがたびたび話題に出している「ブログ論」とも通じるところがあり、関心を持って読める内容なのではないかと。

 それもそのはず。企業の中には “ブログ的” なオウンドメディア運営をしているところも少なくないし、ネイティブアドをはじめとする広告の話題についても、広告収入を得ているブログ運営者からすれば身近な話。どのようにおもしろいコンテンツ=記事を作るかは常日頃から考えていてもおかしくないし、それに伴って可視化される読者の反応もまた気になるところ。

 

 とは言え、一口に「ブログ」と言ってもさまざまあるし、本書で取り上げられている「編集」の話題に関しても一部分でしかないのだろうけれど。

 ただ、いずれも同様に「インターネット」というツールを媒介として、日常的に「コンテンツ」のやり取りをしている、そのことについて考えているという点では、意外と身近な存在なんじゃないかと感じました。

 

 編集の「へ」の字も知らない自分が「なるほどなるほどー!」なんて呟きながら読んでいたので、おそらくブログを運営している人には勧められる雑誌なんじゃないかしら。

 LINEのメディア事業部副部長さんの語る、「『ネットのブラウザは何を使っているか』を面接で聞くとその人のリテラシーがわかる」とか、オンラインサロンでおなじみのシナプスの中の人が話す、「コンテンツ価値と消費を高めるコミュニティ運営」とか、ウェブライダー代表が考える、「本当に価値ある記事」の話とか。

 他にも、LIGブログ前編集長の朽木さん、各分野の編集者・ライターさんなどの話が掲載されており、出版に脚本、テレビといった話題も取り上げられていてボリューム満載。ぶっちゃけどれも興味深く読めたんだけど、個人的には『TVBros.』編集長の斎藤さんと、おなじみ、ライターのヨッピーさんの対談がおもしろかったです。

 

 ともあれ、ブログなんて個人で運営する以上は自由かつ好き勝手で構わないと今も思っていますが、こういった視点を養っておくのも大切なのかな、と考えを改めた次第。

 規模や目的、質や量や価値観の差などはあれど、ネットに出てしまえば等しく「コンテンツ」。日頃からネット上の情報に触れる生活をしている身として、この辺の話を知っておいても損はないと思いました。

 

 

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