夏みかんに焼りんご!『おちゃらか』の日本茶フレーバーがおいしい


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 夏と言えば、冷えた水出しの麦茶を冷蔵庫に常備しているご家庭も少なくないのではないかしら。子供の頃は、麦茶に牛乳を混ぜて「コーヒー牛乳!」なんて遊んでいたりもしたけれど、分量によっては意外と美味しいんですよね、アレ。

 その一方で、普段から「日本茶」を飲む人はどのくらいいるのか……と考えると、おそらく夏の「麦茶」と比べれば圧倒的に少なくなるのではないかと思う。ペットボトル緑茶がこれほどまでに普及した現在、わざわざ湯を沸かしてお茶を淹れるのも手間ですしね。

 

 しかし! 僕はそこであえて「日本茶」をおすすめしたい!

 

 おなじみの煎茶やほうじ茶、香り豊かな茎茶や玄米茶、ちょいと高級な玉露に、茶器を使って立てる抹茶など、その種類はさまざま。「茶道」のイメージによって敷居が高く感じてしまう「茶」の世界ではあるけれど、自分の家で淹れて飲むにはお手軽な「嗜好飲料」でもあります。

 そんな「日本茶」を久しぶりにいろいろと試してみようと思い、今回は『おちゃらか』さんのオリジナルフレーバーティーを買ってきました。先日、NHK『ためしてガッテン』にも登場して話題となった*1、独特の香りを楽しめるフレーバー緑茶の世界へ、いざいざ。

フランスのワインソムリエが生み出したフレーバー緑茶

 『おちゃらか』は現在、吉祥寺と日本橋、そしてオンラインショップで商品を販売している、日本茶専門店。一般的な「日本茶」だけでなく、50種類にも及ぶオリジナルの「フレーバーティー」を開発・販売しているという特徴があります。

 緑茶・ほうじ茶をベースとしたフレーバーは、非常に多種多彩。夏みかん、イチゴ、巨峰、白桃といった果物系はもちろんのこと、チョコミント、マロングラッセ、やきいもなど、「え!?日本茶に混ぜるの!?」とツッコみたくなる品目まであるから驚きです。

 かと言って決して「色モノ」というわけではなく、根幹には「日本茶の世界を楽しむ入り口としてもらうため」というコンセプトがあり、あくまでメインは「日本茶」の味わい。その魅力を幅広い人に知ってもらうために、さまざまな香りづけをしているそうです。

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Ocharaka onlineshop

 多彩なフレーバーティーを手がけるのは、フランス・リヨン出身のステファン・ダントン*2さん。若い頃にワインソムリエの資格を取り、フランスワインの魅力を伝えるべく来日。そこで日本茶の歴史と味わいの魅力を知り、世界に広めるべく店舗を立ち上げるに至ったそうな。

「日本茶は長い歴史があり、文化は成熟していてなかなか崩れない。それが外国人や若い世代の人たちにとっては敷居が高いと感じる一面でもあります。日本茶の素晴らしい文化を次の世代につなげるには、日本茶の入り口を広げる必要があると思う。大切なのは、伝統を守るために、新しい試みをすることです。それは街が古いヨーロッパでは当たり前の考え方。私は香水の国、フランス出身ですから。香料の生かし方も知っています」

 雑誌のインタビューによれば、天然の香料を使い、ブレンドも香りづけも全て手作業で行い、日本茶本来の味わいを残しつつ独自のフレーバーティーを生み出してきたという話。

 このたび訪れたCOREDO室町店では、壁面に並んだ何重もの箱の中から気になるフレーバーを出してもらい、その多彩な香りの一端を楽しませていただきました。パッと見は茶葉、だけど香りはそれぞれ果物の匂い、飲んでみると緑茶の味わい……という、日本茶マジックに浸った格好です。

「夏みかん」と「青りんご」のフレーバーティーを淹れてみた

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 というわけで、お店で選んで買ってきたフレーバーティーを実際に淹れてみました。今回、購入したのは以下の2種類。

  • 夏みかん(緑茶フレーバー)のティーバッグ
  • 焼りんご(ほうじ茶フレーバー)の茶葉

 それぞれのフレーバーに茶葉ティーバッグがあり、内容量も40g・70g、8P・10Pなどが用意されているため、好みに合わせて選ぶことができます。個人的には茶葉を急須で淹れることをおすすめしたいけれど、手間だという人はティーバッグでも!

夏みかん(緑茶フレーバー)

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 緑茶ベースの「夏みかん」はオーナーさんが初めて作ったフレーバーティーであり、『おちゃらか』のベストセラー商品。「初心者にもおすすめデース」と長身イケメンの店員さんが勧めてくださったので、迷わず選択。柑橘系の香りが大好きという理由もありますが。

 ティーバッグは非常にきめ細やかな作りとなっており、中には緑の茶葉と、白いオレンジピールがチラリ。袋を開けた瞬間から、柑橘系の香りが立ち上って「ほああ……!」と。癖になりそう。

焼りんご(ほうじ茶フレーバー)

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 もうひとつは、ほうじ茶ベースの「焼りんご」。いかにも「ほうじ茶!」と言わんばかりの茶一色ではなく、ほどほどに焙煎された濃い色の茎葉が入り乱れている様子。茶葉以外にはドライフルーツ系のりんごと、あとは生姜も入っているとか。

 これを選んだのは、一目惚れ……ならぬ “一嗅惚れ” でござる。甘ったるすぎず、爽やかに香り立つりんごのスメルにビビっときた。女性に人気らしく、牛乳で煮出して飲んでも美味しいという話。そのうち試してみるつもりです。

見た目は日本茶、味と香りは……?

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 では、それぞれに淹れて、比較してみましょう。
 いずれも80℃ほどのお湯で、1分ほど置いて淹れております。

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 色が薄いほうが、緑茶ベースの「夏みかん」。
 色が濃いほうが、ほうじ茶ベースの「焼りんご」。

 当然と言えば当然ですが、一見すると普通の緑茶&ほうじ茶にしか見えません。しかし、顔を近づけてみると――やはり、香りがぜんっぜん違いますね。強烈に刺すような匂いではなく、ほんのり爽やかな香り立ち。

 「甘い香り」と形容するよりは、「さっぱりした香り」と言ったほうが近いかもしれません。「夏みかん」に比べると「焼りんご」は、「甘さ」も多分に感じられます。

 

 実際に口に含むと、香りがまず鼻腔を通り、次に「お茶」の味わいが舌に触れて、最後にまたフレーバーティーならではの香りが優しく残る感じ。

 特に「夏みかん」のすっきり感はすばらしい。夏の時期なら、麦茶代わりに水出しにして常備しておくのも良さげです。ティーバッグがなくなったら、次は茶葉で買おう。

 一方、「焼りんご」は思ったよりも薄い味わい。口をつけたときに、「ほうじ茶にしては薄いような……?」と感じるくらい。

 あるぇー? と思ったら、それもそのはず。ほうじ茶の適温は、一般的に熱湯の90〜100℃。80℃では、ちょいと温度が低すぎたようです。普段、あまり自分でほうじ茶を淹れることはないので、完全に失念しておりました。

 その後、改めて熱湯を急須に注いだものを用意してみたところ……香りも甘みも十二分! これはうまい!

 朝イチの目覚ましで飲むよりは、お昼すぎに小休止するタイミングで淹れて飲みたい一品。お茶だけでも充分に甘みが楽しめるので、逆に淡白な味わいの和菓子を添えて飲むといいかもしれません。

 

 そんなこんなで、『おちゃらか』のオリジナルフレーバーティーの感想でした。

 

 日本茶好きさんはもちろんのこと、「久しぶりに自分の家で日本茶を淹れてみよう!」という人、「スーパーで売っているティーバッグ緑茶以外も試したい」という人などにもおすすめできるかと。

 淹れ方は簡単。温度や抽出時間、水を変えることで異なる味わいや香りを楽しむことのできる「日本茶」の世界は、お手軽ながら意外に広いものです。コーヒー好きさんも、たまの気分転換にいかがでしょうか?

 

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