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ぐるりみち。

日々日々、めぐって、遠まわり。

よく目にするネット用語・流行語を独断と偏見でまとめてみた

 普段からネット文化に親しんでいるとあまり意識する機会はありませんが、日常的にTwitterで呟いたり、ブログに書いたりしている「言葉」の中には、リアルでは全く通用しない表現が数多く存在します。古くは匿名掲示板の時代から存在する、「ネットスラング」なんてまさしく。

 それだけではなく、広大なインターネットの世界においては、利用するネットサービスや所属するコミュニティ、同一の趣味や価値観を持つグループなどによっても、ぜんぜん聞いたことのない、意味不明な言い回しがあちらこちらで語られているという状況。いわゆる“クラスタ”による違い……なんですが、これも転じてネット用語と化している印象。当たり前に使っているけれど、端から見れば「なんぞそれ?」な言葉は膨大な数に及ぶのでしょう。

 

 そんな多種多彩なネット用語、あるいは流行語について、ここ数年の間に自分の周囲で目にするようになった言葉に絞り、独断と偏見でまとめてみました。――というか、自分でも意味のわかっていなかった表現を改めて調べ直した、自分用のメモとも言う。

 元来的な“ネットスラング”、“ネット用語”というよりは、主にSNSや各種サービスで目にする「流行語」の類となります。それゆえ、明らかにオタク界隈での言い回しが大半になっておりますので、あしからず。40個ほどリストアップしたはいいものの、全部羅列したらとんでもない文章量になりそうなので、とりあえず50音順で最初のいくつかを。

 

※以下、個人の印象による説明です。

 

 

あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~【あぁーこころがぴょんぴょんするんじゃぁー】

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ご注文はうさぎですか? 第1羽 ‐ ニコニコ動画:GINZA

 ニコニコ大百科によれば、“あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~とは、心がウキウキすると同時に癒されることを表現した言葉である(諸説あり)”

 元ネタは、2014年に放送されたアニメ『ご注文はうさぎですか?』*1。喫茶店を舞台に、複数人のかわいい女の子の日常生活と交流を描いたいわゆる“日常系アニメ”*2として人気を集め、全国数多の紳士が癒やされることとなった作品である。 

Daydream café

Daydream café

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  • provided courtesy of iTunes

 そのオープニング曲「Daydream café」の、イントロなしで始まる歌詞が「こころぴょんぴょん」であることから、仕事や学業で摩耗した身体を精神を癒やす、見知らぬ世界への扉を開けた瞬間の昂ぶりを示す感情の奔流の発露として、この言葉が叫ばれることとなった。“こころ”と来れば、ぴょんぴょんせずにはいられないのだ。

 ちなみに、ニコニコ動画においては、この言葉も合わせてオープニング動画の「テンプレ」が自然と構成されるに至り、放送から1年を経た現在でも動画は“難民”で溢れかえっている。この「テンプレ」に関しては別途研究記事を参照されたし。

 また、「あぁ^~、○○なんじゃぁ^~」には別に元ネタが存在する表現ではあるが、あまりに酷い内容なので割愛させていただきます。(そんなのないよ)ありえない。 

 

意識高い系【いしきたかいけい】

「意識高い系」という病 ?ソーシャル時代にはびこるバカヤロー? (ベスト新書)

「意識高い系」という病 ?ソーシャル時代にはびこるバカヤロー? (ベスト新書)

 

 やたらと横文字を使う。Twitterのプロフィール欄に所属・資格・名言などを列挙する。聞かれてもいないのに、これ見よがしに自分の活動遍歴や人脈、充実した生活をアピールする。そして時に、それを「当たり前」にできていない他者を蔑み批判する。意識が先行するあまり内容が伴っていない人や、その外部への自己顕示を揶揄した表現。

 本人はそれらを世間的に評価される活動だと考えており、目標として「デキるビジネスマン」や「社会人のあるべき姿」などを設定して日々自己研鑽に励んでいる。……が、周囲からすれば、曖昧で具体性の欠片もない目標を掲げ、ただただ自己満足と自己顕示欲の赴くままに動いているように見えなくもない。いわゆる、手段の目的化*3とも通じるところがあるだろう。

 主観だが、就職活動における周囲でのこの言葉の使われ方としては、就活初期は「早くからインターンやOB訪問にも取り組んでいてすげえ、意識高え」といった行動力に対する羨望と嫉妬がないまぜになっていたような印象があったが、徐々に「必死こいていろいろやっているけど、意味あるん?意識だけは高いね(笑)」といった皮肉、見下しの感情が強まっていったような印象がある。

 そのような蔑視の視点がもたらされるようになった要因としては、一部の“意識高い”人からそれ以外の人へと向けた蔑み、上から目線の物言いなどの影響があったようにも思われる。がしかし、見方によっては、そうやって“「上から目線で周囲をバカにしている(ように見える)意識高い系」を上から目線でバカにしている”という構造も見て取れるため、その点は留意する必要があるだろう。

 

炎上【えんじょう】

 ブログなどに投稿された主張・失言に対して、批判的なコメントや誹謗中傷が大量に集まること。その状態を「祭り」とも呼ぶ。拡散には、主に匿名掲示板やまとめサイトが一役買っているが、この数年はSNSの影響力も高まっている。Twitterを火元として燃え上がるケースも増えた(「バカッター」の項目で後述予定)

 ドワンゴの川上量生*4会長は、“ネットコミュニティの中では悪だとされるようなことをうかつにもやってしまった場合に発生するネット内私刑”と、この言葉を説明している。そして過去に起こった炎上の多くは、ネット原住民とネット新住民との“文化的衝突”である、とも。その代表例として挙げられているのが下記リンク、2005年の「きんもーっ☆事件」*5だ。

 実際、炎上に際して書き込まれる批判的なコメントの中には、理路整然とした反対意見が少なく、感情的な誹謗中傷と「祭り」に便乗した匿名ユーザーのツッコミが大半となっており、一種の「いじめ」的な様相を呈している。

 さらに、炎上は一般的に避けるべきものだとされる一方、少し批判的なコメントがついただけで「炎上した!」と大げさに取り上げるブロガーも現れるなど、「炎上」という表現の意味合いも徐々に変わりつつあるように見える。同時に、複数の媒体を跨いで話題となるような、元来的な「祭り」は減ったようにも感じる。

 

懐古厨【かいこちゅう】

「昔はよかった」と言うけれど: 戦前のマナー・モラルから考える

「昔はよかった」と言うけれど: 戦前のマナー・モラルから考える

 

 「古きを懐かしむ」という、どちらかと言えばポジティブな印象を受ける意味を持つ「懐古」だが、ネットにおいては、どちらかと言えばネガティブな意味合いをもって使われる。

 彼らが「厨」(「厨房」の項目で後述予定)呼ばわりされるのは、単に過去を懐かしむだけでなく、むやみやたらと現在を否定する言説に理由がある。「最近のアニメはつまらない。あの頃は良かった」「ドラクエは○作目までしか認めない。それ以降はクソゲー」などなど、“あの頃”を使って今をこき下ろす傾向が強い。それがゆえに、懐古厨はネットにおける「老害」であるとする趣きもある。

 

オタサーの姫【おたさーのひめ】

 男性の構成員が大半を占めるオタク系サークルにおいて、希少な存在である女性がチヤホヤされる構造、あるいはその女性を指す表現。紅一点。

 男ばかりの集団において女性は唯一無二の存在として扱われがちなため、その様子を俯瞰して“姫”と称している。紅一点であるがゆえに比較対象がなく、たとえ美人ではなくても良いように持ち上げられがちな点を指して、揶揄するような使い方もされているようだ。

 また、極端な男女比も手伝って恋愛・肉体関係へと発展した場合、サークル内が常に修羅場という展開もあるとか、ないとか。そうなった場合は男性同士の友情も引き裂かれ、コミュニティそのものの崩壊に結びつきかねないため、「サークルクラッシャー」*6と呼ばれる。

 

オワコン【おわこん】

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お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではなとは - ニコニコ大百科

 「終わったコンテンツ」の略。2010年頃、アニメ系のまとめサイトなどから広まったとされる表現。主に一過性の流行作品に対して用いられ、手軽に対象を否定できる便利な言葉でもある。

 ただし、その多くは主観による印象論でしかなく、発話者自ら「オワコン」として話題に挙げていることからも、果たして本当に“終わっている”かどうかは疑問でもある。考えなしの、論拠の伴わない悪口でしかなく、「終わって欲しいコンテンツ」の略だとして揶揄する動きも。

 最近は根拠なく特定の作品を否定できる「煽り」でしかないという印象も強まり、この言葉を使う人も減ったことで、「オワコン」という表現の“オワコン”化が著しいようにも見える。

 

壁ドン【かべどん】

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【手書きアニメ】壁殴り代行CM【描いてみた】 ‐ ニコニコ動画:GINZA

 壁に対して「ドン」と大きな衝撃を与える行為。ネットスラングとして複数の意味を持って広まったとされ、発話者や状況に応じて用途が異なる。

 最も古くから使われている「壁ドン」は、集合住宅などで隣人に怒りを伝える手段としての意味を持っている。日常的な騒音から、カップルのキャッキャウフフ・ギシアン行為まで、隣人に対して広く苦情を示すもの。

 ほぼ同義である「イラ壁」や、派生系である「壁殴り代行」は、それぞれ00年代後半に別のコミュニティで使われ始めたとされている。これらは隣人への主張に留まらず、純粋に自身の怒りの感情を示すための表現として広まっていったようだ*7

 そして、2012年頃にTwitterで爆発的に広まったのが、シチュエーションとしての「壁ドン」。主に女性が壁際まで追い詰められ、腕を伸ばして壁に手を付けた男性によって壁と身体の間に挟まれ、身動きが取れずにドキドキしている女性の状態を示す。少女漫画などで古くから見られる「萌えシチュエーション」に対して、新たな言葉で定義付けられたものと言える。

 それぞれが独立的に自然に発生したようにも見えるが、古くからのネットユーザーによって、初期の「壁ドン」から派生する形で新たな意味が付与されたと見ても違和感はない。シチュエーションとしての「壁ドン」は奇しくも2014年の流行語大賞にノミネートされた*8ことから、多種多彩な層が現代のネットには参加しており、ユーザー層によって全く別の文化圏が形成されていることの証明とも言えるのではないだろうか。

 

がんばれ♥がんばれ♥【がんばれがんばれ】

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がんばれ♥がんばれ♥ - Google画像検索

 声援。あるいは、応援。ネット上の画像としては、チアガールの衣装を身にまとい、両手にポンポンを持った女の子のイラストで主に書き込まれているセリフ。かわいい女の子にハートマークを付けた声を繰り返しかけてもらえたら、そりゃあ男の子はがんばっちゃいますよ。……え? 何を“がんばっ”ているかって? そりゃあ……ナニでしょうねえ……。

 人気イラストレーター、伊東ライフ*9先生の同人誌でよく目にするシチュエーションを指す……が、汎用性の高さから風評被害に結びついていることも否定できない。

 

今日も一日がんばるぞい【きょうもいちにちがんばるぞい】

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得能正太郎『NEW GAME!』1巻(芳文社) 

 得能正太郎*10先生による4コマ漫画『NEW GAME!』の主人公、涼風青葉のセリフ。早朝のオフィスにて一人、自分を奮い立たせるために使う。かわいい。一コマ完結型の便利な自己主張として使いやすく、瞬く間に広まった。かわいい。

 2013年末?〜14年始め頃、Twitterの絵師クラスタの間で流行し、主に平日の午前中にツイートされていた印象が強い。辞書によれば「ぞい」は、“文末の活用語の終止形に付き、念を押すのに用いられる”*11、とのこと。どこぞのランドの自称大王*12も愛用している。

 

主な参考サイト

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