ぐるりみち。

日々日々、めぐって、遠まわり。

フリーライターとして、開業届と青色申告承認申請書を提出してきた

 先日、税務署で確定申告をしてきたついでに、今更ながら「開業届」も提出してきました。これで職業を聞かれても、堂々と「フリーランスです!」と答えられるようになったわけでございます。――まあ、特に何が変わるという話でもありませんが。

 そんなに稼ぎが多いわけではなく、気分的には「無職3割:自営業7割」といったところではあるものの。動機付けの意味でも、区切りとする意味でも、そして何よりも来年の青色申告のためにも、悪くないタイミングだったのかなと思います。

 「開業届」と「青色申告承認申請書」、いずれの書類も、記入・提出に際して大きな問題となる部分はないかと思いますが、せっかくなので、自分なりに調べたことを記録しておきます。

 

スポンサーリンク
 

 

そもそも必要?「開業届」

 そもそもの問題として、フリーで働くにあたって「開業届」を提出する必要性はあるのかどうか、という話。これに関しては、ウェブ上の意見を読む限りでは賛否両論――もとい、「出した方が良い」or「どっちでも良い」という2つの意見があるように感じました。

 参考 


 ざっくり言えば、「基本的には出すべきものだけれど、あえて提出せずにフリーランスとして生計を立てている人も少なくはない」といった様子でしょうか。ただし、その場合は見方によって「無職」とも受け取れるため、届け出を提出することで「個人事業主」という肩書・社会的地位を得るのも悪くないのではないかと思います。

 

 「開業届」を提出することの最たるメリットは、やはり〈青色申告〉による65万円分の特別控除が受けられる点。もちろん手続きが必要となりますし、毎年まさに今の時期には「記帳と領収書の整理が面倒だー!」と悲鳴をあげる個人事業主さんを目にしますが。

 そのため、控除はないものの簡単に済ませられる〈白色申告〉で税金の申告をすればいいや、ということで、開業届を提出していない人も少なからずいるそうです。いずれにせよ稼ぎがある以上は確定申告の必要がありますが、額がさほど変わらないなら楽な方でいいや、と。

 

 ところがどっこい。平成26年1月から〈白色申告〉でも記帳と帳簿の保存が義務化された*1ことで、〈白色申告〉のメリットは小さくなりつつあるようです。〈青色申告〉同様にお金の動きを記録しなければいけないにも関わらず、控除などの特典は受けられない。なんてこったい。

 一口にまとめれば、「〈白〉だろうが〈青〉だろうが、しなければならない確定申告。それなら、大幅な控除によって税金を安くできる〈青色申告〉の方が良くね?」という話です。ゆえにまた、「開業届」も必要となってくる、と。

 

各種申告の方法によって変化する「事業所得」

白色申告の場合
  事業所得 = 売上 − 経費

青色申告の場合
  事業所得 = 売上 − 経費 − 青色申告特別控除65万円(or10万円)

⇒ 控除によって事業所得を抑えることで、支払う税金を少なくすることができる!

 参考 参考:見田村元宣、内海正人著『フリーランスの教科書』(星海社新書)

 

65万円の「青色申告特別控除」を受けるには

 〈青色申告〉の特別控除には 10万円 と 65万円 の2種類があり、申請時に選択することとなります。後述する申請書の“簿記方式”の項目で、“簡易簿記”を選択すれば10万円、“複式簿記”を選択すれば65万円の特別控除を受けられます。

 より控除額の多い65万円の「青色申告特別控除」を受けるには、次の3つの要件を満たしている必要があるそうです。以下、先日読んだ『フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。』を参考にまとめました。

 

「事業的規模であること」

 確定申告の対象となる所得、その稼ぎを得るための業務が本業であること。生活の基盤をその仕事で築いているかどうか。

 

「賃借対照表を提出すること」

 複式簿記による記帳で作成する書類のひとつで、「資産」「負債」「資本」の要素を1枚の紙で書き表したもの。細かなお金の動きを管理する必要があり、「いつ、何の仕事で、いくら売り上げた」から、「いつ、実際にいくら入金された」までを記載します。

 簿記の知識がある人、あるいは知識がなくても、商材の仕入れやら何やらといった動きの少ないライター業などなら、勉強すれば自分でも作れるかもしれません。でも基本的には、「会計ソフトに任せれば一発でできる」といった認識でも問題はないかと。

 

「申告期限内に確定申告書を提出すること」

 単純な話、「締切は守れ」というだけ。毎年3月15日までには税務署に行きましょう。

 

「個人事業の開業届書」に必要事項を記入する

 さて、それでは実際に「開業届」、正式名称「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。そのまま税務署に駆け込んでもOKですが、自分は国税庁のサイトからダウンロードできるPDFファイルをコピーして、あらかじめ記入した状態で向かいました。

 参考 


 記入時に悩むかもしれない部分としては、〈職業〉〈屋号〉の欄が挙げられるでしょうか。〈屋号〉に関しては空欄でも問題なく、必要になったときに後で設定することも可能ということなので、自分は何も書かずに提出しました。

 問題は、〈職業〉欄ですね。一口に「フリーランス」と言っても職種はさまざまで、特にウェブ関係では複数の業務を受け持っている人も少なくないかと思います。プログラミングもやればデザインもやる、はたまたライティングもやる、などなど。

 また、この〈職業〉によって課せられる税金として、「事業税」の存在があります。地方によって対象となる業種・税率は異なりますが、数%分の税金を計算した上で、確定申告時に申告しなければなりません。下記の表は、東京都の場合の個人事業税です。

 

f:id:ornith:20150222180723p:plain
東京都主税局<税目別メニュー><個人事業税>

 ウェブ関係の仕事で関係のありそうなものとしては、「広告業」や「デザイン業」が挙げられそうです。 いずれも5%の事業税かかけられるので、注意が必要ですね。

 自分の場合は、主たる業務内容はライティング、記事の執筆になるため、その旨を記載して提出してきました。伝わればどのような表現でも構わないようですが、「執筆業」「文筆業」「ライター」などで問題ないと思います。事業税はかかりません。

 参考 参考:開業届に潜む罠〜事業税の業種について - フリーランス最強説の証明


 もう一点、“開業から1ヶ月以内に提出する”という条件がありますが、こちらは厳密なものである必要はないようです。ただし、次の「青色申告承認申請書」の提出が“開業から2ヶ月以内”となっているため、合わせて提出するときには矛盾が発生しないようにしましょう。

 自分の場合は、ちょうど「2015年から」という区切りで考えたときに、今年始めに報酬が発生した日が1月23日だったため、そちらを開業日としました。覚えやすいですし。

 

「青色申告承認申請書」に必要事項を記入する

 続いて、「所得税の青色申告承認申請書」に関して。提出時期は、“青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで”となっており、例えば、2015年の所得を2016年2〜3月に青色申告しようとするのであれば、2015年の3月15日までにこの書類を提出する必要があります。

 参考 


 記入するにあたっては、同じく上記サイトと、『フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。』を参考にしました。

 例にそって必要事項を記入し、10万円の控除を受けるのであれば、〈簿記方式〉の項目で「簡易簿記」を選択。「複式簿記」を選択すれば、65万円の特別控除を受けられます。

 

 知識がないとおそらく困るのが、次の項目。サイトや本によって〈備付帳簿名〉の選択がバラバラなため、どれを選んでいいのかわかりませんでした。

 「困ったら聞けばいいじゃない」ということで、そちらだけ手を付けずに税務署へと持ち込んで相談してみました。「多分、専用ソフトか何かで書類を作って申告することになると思うんですが……」と聞いてみたところ、「でしたら、このまま提出されて問題ないですよー」とのことで。滞り無く、あっさりと手続きは終了しました。

 

わからなければ、相談しよう

 確定申告の記事でも書きましたが、税務署の職員さんは非常に親切です。まったく知識がなく、自分で確定申告の書類が作れなくても相談に乗ってくれますし、書類作成から手続きまで手厚く対応してくださいます。

 なので、確定申告にせよ、開業届にせよ、青色申告承認申請書にせよ、わからなければ必要事項と質問だけ考えて税務署を訪れてしまっても良いと思います。その場で質問しつつ作成した方が、下手に自分で調べてやるよりは確実に提出できるでしょうし。

 

 注意点としては、やはり必要な情報や知識は最低限、揃えた上で足を運ぶことでしょうか。収入や支出、各種証明書がなければ確定申告の書類は作れませんし、「青色申告ってなんぞ?」な状態で向かうよりは、そのメリットなどを把握してから話を聞きに言った方が判断しやすいと思います。

  逆に、自分で書類を作成して提出に向かう場合は、細心の注意を払って、記入漏れがないように必要事項を埋めること。また、印刷した書類の控えを忘れず持って行くことなどが挙げられます。

 控えに関しては、必ず必要というわけではないようですが、しっかり受付印をもらった控えがないと困る場面もあるそうなので。特に個人事業者の確定申告の場合、納税の証明として確定申告書の控えを持っていないと、銀行から融資ができないケースなどもあるそうです。

 

 以上、開業届と青色申告承認申請書、各書類を提出してきた、自分の記録でした。

 

※何か間違いなどありましたら、ご指摘いただけるとありがたいです。

 

関連記事