ぐるりみち。

平成生まれのフリーライターのブログ。本・映画・マンガ・アニメの各種レビューに、旅行・グルメ・街歩き日記など。

僕にとってのコミックマーケットと、そこで得られる体験

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 今年の夏もやってまいりました。
 コミックマーケットこと、夏コミの時期が。お前らー!準備はいいかー!

 

 僕が始めてコミケに参加したのは、2006年夏のこと。ナンバリングとしては、“コミックマーケット70”ですね。今回が“86”なので……って、割と長く参加してるな、僕よ。

 

 一般参加、サークル参加に関係なく、コミケに対する参加者の思いはよく耳にしますが、僕にとってのそれを一口で表せば、「ちょっとした体験」とでも言いましょうか。

 ぶっちゃけた話、無理に年2回も有明まで足を運び、あのとてつもなく長い待機列に何時間も並んで、ひーひー言いながら走り回る必要もないんすよ。

 僕の目的は、主に同人音楽CD*1。然るべき店舗に行けば、委託販売がされているので、そこで買うこともできるのです。ちょっとした会場限定特典がないだとか、会場で買うよりも少しお値段が張るとか、その程度の差はあれど。

 

 じゃあ、どうしてあの灼熱or極寒地獄に耐え忍んでまで足を運ぶかといえば、そこでしか得られない「体験」とその場その時でしか感じられない「空気感」があるから。だからこそ、毎回何十万人もの“創作ファン”が、あの場に集うと思うのです。

 

 前書きであらかた語ってしまった感はありますが。
 そんな僕にとっての、「コミケ」の話。

 

 

初コミケは、ゲーム目的

 2006年と言えば、当時高校2年生。いわゆる「オタク」っぽい作品に触れ始めたのが2005年のことなので、割と行動は早かった模様。そちらの文化圏にズブズブになったきっかけは、この辺の記事に書いてあります。国歌。

 で、なにゆえ有明の地に降り立ったのかと言えば、全てはひとつの作品にハマったことにある。多方面へのメディア展開が話題となった『ひぐらしのなく頃に*2ですね。

 

 アニメ化やコミカライズもされていますが、『ひぐらし』の原作は「サウンドノベル」と呼ばれるジャンル。その中でも、本作は一般店では販売されていない、「自主制作ゲーム」でした。

 『ひぐらし』は8話構成になっており、2006年当時は7話まで発売されていた状態。1話に限り、ウェブ上で無料公開されていて、それを友人に勧められてプレイしたところ、ハマった次第であります。……ハマったはいいけど、しばらく夜にトイレに行くのが怖くなっt

 

 で、「最終章がコミケで発売されるよ!」という話を聞いて、「ならばいち早く手に入れるしかあるめえ!」といきり立って、単身、夏の有明に乗り込みました。

 

 若かった。もちろん、事前情報で「やべえ」(いろいろな意味で)という噂は聞いており、万全の準備をして行きましたが、とてつもない人の波と熱量と夏の暑さに意識が飛ぶかと。そこはまあ、若さで乗り切りましたが。やっててよかった、和太鼓*3

 

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 かくして、当時16歳の非モテ男子校生はオタクの階段を上ったのでありました。君はまだ〜ヌルオタクっさ〜♪あ、ちゃんと目的の品は手に入れましたよ。他は何も買わなかったけど。

 

「同人音楽」のファンとして目覚める

 さて、コミケ童貞を卒業した僕は、めげることなく同年の冬コミにも参加しました。だって、『ひぐらし』のファンディスクが出るって言うんだもの。行くしかないじゃない。

 ただ、やはり、「それだけのために、またあの列に並ぶのは……」と思わなくもなく。そこで、今回はちゃんとサークルチェックをしよう!と、しっかりカタログを読み込んでから向かうことに。何につけても、予習は大事なのです。

 

 とは言え、男子校生ながらエ口には興味のなかった僕氏。いや、ホモじゃないです。年頃らしく性に興味はあれど、AVとか雑誌とかの、生々しいエ口は苦手なんです。水着が限界っす。ということで、その辺はスルー。そもそも未成年や!

 じゃあ他に何かおもしろそうなのがあるかなー、と眺めていたところで、『ひぐらし』のサークルも含まれる、「同人ソフト」のジャンルに目が留まりました。というか、考えてみれば、夏の時点で気になってはいたのよね。周囲のサークルと、作品が。

 

 中でもビビっときたのが、音楽サークル「WAVE」さんの作品。

 

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AIR arranged sound album "ARIA"』より。

 

 僕にとってのきっかけとなった音楽であり、作品である、『AIR』のアレンジCD。で、視聴して、「ふおおおおおお!!」となった。これは!買うしか!ない!!

 

 というわけで、これが僕の初めて買った「同人音楽CD」となりました。

 

 そして、この界隈で活躍されているクリエイターさんたちが、自分が中学時代に大好きだった、ネットでゲームのアレンジ曲を公開されている人たちだと知って、びっくり。こんな世界があったのか!と(平成生まれの僕が見てきたインターネットの世界)。

 考えてみれば、2006年という年にコミケデビューできたのは、個人的にはこれ以上ないほどにベストなタイミングだったのかもしれない。翌年に登場する某サービスの隆盛によって、同人創作活動が活発になる黄昏時とも言える時期だったので。

 

「東方アレンジ」と「ボーカロイド」に溺れる

 2006年の冬コミを終えた年明け、ネットの一部で、とあるサービスがちょっとした話題となっておりました。

 

 そう、ニコニコ動画です。

 

 僕がニコ動に触れたのは、「ニコニコ動画(β)」としてサービスが開始されるぎりぎり前の、(仮)の時代。そこで、「魔理沙は大変なものを盗んでいきました*4」を始めとする『東方Project』のアレンジ曲と出会いました。

 

 まあ、ハマるよね。

 

 ニコ動に感化されたことで、自分にとっての2007年の夏コミは「東方アレンジ」祭り。一度に買うCDが2桁に突入したのも、この頃から。

 

 そして、夏コミ後。
 2007年9月と言えば、「初音ミク」に始まるボーカロイドの大流行。

 

 2007年の冬コミは、確か受験勉強で参加しなかったような記憶が。年明けには、委託店舗で大量買いしてましたが。おなじみ、supercell『メルト』のシングルCDを買ったのは、この時ですね。

 

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メルト :: supercell」より。

 

 で、2008年の夏コミ。コミックマーケット74。
 こっから、金銭感覚がぶっ飛ぶ。

 

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 CD26枚。驚いたことに、マジでほぼCDしか買ってねえ!

 

 まあ安くて500円、高くても1500円しないくらいなので、メジャーアーティストのCDをバカスカ買うのと比べれば、圧倒的に安価ではありますが。

 記録によれば、朝5:00起き→7:12現地到着→10:40入場、といった感じだったそうな。2008年でもそんなもんすか……。

 

 以降も、少ないときで15枚、多い時で25枚ほど、コミケの度にCDが増えていった計算です。

 しばらく数えてないけど、おそらく、我が家には今、同人CDだけで500枚ほどの作品があるんじゃないかと。コミケだけじゃなく、例大祭*5やM3*6でも大量購入してきたので。うわあ……我ながらドン引きですわあ……。

 

コミケで得ているものはなーに?

 さて、自分が何を求めてコミケに行っているのか、そこで何を得ているのかと言えば、冒頭に書いたとおり、やはり「ちょっとした体験」なのだと思います。

 

 コミケに限らず、M3や文学フリマ*7といった創作系イベントで広く共通して感じるが、いずれも“ライブっぽい”ように思えるんですよね。

 特にボーカロイド系のCDでちらほら散見されるのですが、会場で頒布されるCDって意外と、“ネットで無料で聞けちゃう”作品が多いんですよ。もちろん、新規楽曲や別アレンジ版が収録されていることも多いですが、人気曲は基本的にネットで公開済みのもの。

 

 では、どうして無料で手に入るものをわざわざ買いに行くのかと言えば。CDの高音質で楽しみたいとか、パッケージ版の“限定感”に魅力を感じるとか、様々な理由があると思います。

 が、その大きな理由を一言でまとめれば、“「体験」が欲しいから”と言えるのではないでしょうか。

 

 「コミュニケーション」と言い換えてもいいでしょう。自分が大好きな作曲家さん、歌い手さん、絵師さん、コスプレイヤーさんなどと、直に触れ合って、交流できることの楽しさ。

 または、自分の“声”を本人に伝えるだけでなく、作品を実際に購入することで、金銭的にも「応援」できるという点。形としてその人の作品を持っていれば、周囲の仲間にそれを示すこともできますし、ちょっとした物欲を満たすことにも繋がります。

 

 それゆえの、“ライブっぽさ”

 ライブ会場でグッズを購入し、握手やサインなどをもらい、ステージと客席との間でコミュニケーションをとり、同じ空間を共有するという、普段は得られない「ちょっとした体験」。コミケには、そのような空気感があるように思います。

 

 と言うか、散々言われているように「お祭り」なんですよね。普段、ネット上という“ケ”の場で楽しんでいるものを、リアルの限定された空間と時間の、“ハレ”の場で、みんなで仲良く楽しむお祭り。そりゃあ、魅力を感じる人が何十万人もいても不思議じゃない*8

 

 ネットが“ケ=日常”で、リアルが“ハレ=非日常”というのも、現代っぽくあっておもしろい。

 人によって楽しみ方は異なるだろうし、様々な思惑もあるでしょうが、それでも、あの年2回の空間が僕は結構好きらしいのです。ほぼ毎回、参加しているくらいですし。

 

 ずっとスタッフ側で参加している友人に、「良かったらどう?」としばしば誘われているので、生活が安定したら、空間を“作る側”としても参加したいところ。

 いろいろと問題点が指摘されることもありますが、あらゆる分野の“創作好き”が共通に集う場所として、長く続いていけばいいなー、と思います。

 

 先立っては、今週末の夏コミですね。
 参加される皆様は、どうかお気をつけて!

 

 もしかしたら、音楽系・批評系サークル辺りをチェックがてら記事にまとめるかもしれませんが、需要あるのかな?

 

関連記事

*1:自主制作CD、とも。メジャーでもインディーズでもない、アマチュアアーティストのオリジナル曲、またはゲーム音楽のアレンジ作品などを指す。

*2:ひぐらしのなく頃に - Wikipedia

*3:部活の話。

*4:魔理沙は大変なものを盗んでいきましたとは - ニコニコ大百科

*5:博麗神社例大祭。『東方Project』オンリーの即売会。

*6:音系・メディアミックス同人即売会

*7:文学系の同人誌即売会。はてな界隈でも、参加したり執筆したりしている人は多いですよね。

*8:企業ブースだけが目的の人もいるでしょうけれど。