小学6年生の「ぼく」が24歳無職の「僕」を笑顔でぶん殴ってくる


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 どうも、無職です。せっかくの週末なので、友達と一緒に映画を観に行ってきました。「無職なのに週末も何も関係ないやろ!」とか突っ込まないでください。無職だって、週末はわくわくするんです。そう、プリキュアとか。見てないけど。

 

れりごー!れりごー!

 映画館の1st Dayに観に行きそびれていたところ、友達が「観に行こうず!」と誘ってくれたので、一緒に行って観て参りました。『アナと雪の女王』。いやはや、ひっじょーに楽しめました。

 見どころは、なんといっても彼でしょう。夏に憧れる雪だるまこと、オラフ。美人の姉妹とか、イケメン王子とか、トナカイ男とかはどうでもいいんです。僕の視線は、常に彼に釘付けでした。

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 ちくしょう、こいつかわいいな! うちに欲しい。高麗人参を刺したい。ヒロインを救うヒーローなんて、いらなかったんや! ママー! 今年の誕生日は雪だるまが欲しいー! 冬生まれだし、行けるべ! 高麗人参はサンタさんにたのむもん!

 ……などと、オラフについて語っていると長くなりそうなので、やはり話題は「Let It Go」へ。僕が観たのは字幕版だったので、残念ながら、松たか子さんの歌声を映画館で聴くことはできませんでしたが、オリジナルもたまらなかったです。

 

これでいいの かまわない
もう何も隠せない
これでいいの かまわない
過去に扉を閉ざすのよ
もう気にしない 何を言われようとも

 

 日本語版の歌詞だと「ありのままの姿見せるのよ〜〜」になっていますが、こちらの字幕の訳の方が、個人的には好みかもしれない。沁みるわー。無職の心に沁みるわー。

 僕は無職。もう何も隠せないのです。何を言われても気にしなくてもいいのです。ハチマキとハラマキがトレードマークの、偉大なるお父様も言っておりました。「これでいいのだ」と。

 そう! 「Let It Go」は無職のテーマなのd……なんて書くと、各所に怒られそうなので自粛しますが、本当に良い曲だなあ、と。関係ないけど、まだちゃんとこの曲を覚えていない状態で歌おうとすると、ビートルズになっちゃうのは僕だけですか、そうですか。れりびー。

 

過去に扉を閉ざせなかった

 映画を観終えて、友達と別れ、帰りの電車で寝過ごしつつも、晴れやかな気分で帰宅した僕。晩御飯を食べて、少しだけ部屋の整理をしてから寝よっかなー……とガサゴソやっていたところ、発見してしまった。禁断のブツを。

 押し入れの中から現れたのは、少年時代の思ひ出が詰まった物体。そう、小学校の卒業アルバムである。「うわー! 懐かしいー!」なんて呟きつつ、無邪気にも(かわいい)その過去への扉を開けてしまった僕。

 

 せめて、写真を見るだけに留めておけば良かったのです。それならば、傷付くこともなかった。行き過ぎた好奇心はなんとやらと言いますが。

 開いてしまったのは、いわゆる卒業文集。有名人や、重大事件の加害者なんかはメディアでさらされがちな、アレ。僕のような一般人のものを読んでも、まったくおもしろくはないと思いますが、あまりに無職のこの身に沁みる内容でしたので、ノーカットでお送りいたします。

 

卒業文集「これからのぼく」

 ぼくの将来の夢は、まだ特にありません。小さかったころは、サッカー選手や、タクシーの運転手にあこがれていました。けれど、サッカー選手は気が弱くて無理だし、タクシーの運転手も、「やっぱなあ・・・。」と思うことがあります。最近はよく、「将来何になろうかなあ。」と考えます。

 前、お母さんに、「社会が好きだからそっちの方にすれば。」と言われたことがあります。確かに、ぼくは社会で、いろいろと調べるのが好きで、調べてたくさんのことを知ると、もっと知りたくなって、調べるのが楽しくなってきます。それに、調べるのも好きだけれど、調べたことをまとめて書くことも好きです。調べたことを、表やグラフ、文章でまとめてきれいにできると、とても気持ちがよくなるからです。だから、「そういういろいろなことを調べて、まとめるような仕事を将来してみようかな。」と思いました。

 でも、そういうことをする仕事は何なのか分からないし、今、無理やり将来の夢を決めなくてもいいような気がしてきました。まだ、自分の得意なことは他にもありそうで、まだ見つけていないし、中学生になってからさがしても、おそくはないと思いました。

 これからは、今、好きな、いろいろなことを調べたり、まとめることをのばしながら、中学生の三年間を終えるまでに、自分の他に得意なことや、夢中になれるものを、たくさんさがしていきたいです。そして、「ぼくの将来の夢は◯◯◯だよ。」と言えるようになりたいです。

 

 

 ……言えるようになれてないけどな!!!

 

あの頃の「ぼく」が今の「僕」を笑顔でぶん殴ってくる

 いや、なにこれ、もう、つらい。小6──つまり、当時12才の「ぼく」が、そのちょうど2倍を生きている、24歳現在の「僕」に、すさまじい精神攻撃を与えております。クリティカルヒットだよ。こうかはばつぐんだよ。

 というか小6のぼく、すげえ。もう何年ぶりかに読みなおして感じたのだけれど、文章の拙さや語彙不足などが見て取れる一方で、現在の「僕」が書く文章と、その組み立て方や言い回しがほとんど変わっていない。

 

 ……え? 言い換えれば、要は、

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 ……ってことだって? やめてくださいしんでしまいます。

 

 内容に関しても、他のクラスメイトが「サッカー選手!」とか「野球選手!」とか「お医者さん!」などと書いている中で、見てください、この無難っぷり。さすがは、「空気を読むしか取り柄がない」と褒められて育ったぼくである。まあその無難さゆえに、今の僕に直撃して息も絶え絶えになっているわけですが。たすけてママン。

 ちなみに、卒業アルバムでおなじみ、「クラスのランキングコ〜ナ〜!」では、〈先生になりそうな人〉〈頭がいい人〉〈字がうまい人〉〈宇宙人と友達になってそうな人〉などでランクインしておりました。

 ……典型的な、他に褒めようのない頭でっかちタイプですね。ってか、宇宙人ってなんすか。サイヤ人っすか。対有機生命体コンタクト用なんちゃらすか。邪神すか。インキュベーターすか。確かに、お近づきになりたいかも。

 

進んで過去の自分に殴られに行く

 最近、このような、「ありのままでいいじゃないか!」という記事をちょくちょく書いていましたが、とんでもございません。やっぱり、「過去」って大事。

 現在を見直すには、今を取り巻く状況や、自分の興味関心、何を考えているかなどを知ることは大切。けれど、その「今」を構成するに当たって積み重ねられてきた「過去」を知ることも、同じくらい重要なんじゃないかと思った。

 

 別段、今は迷いがなく、生活が充実しているならばそんな必要はない。でも、僕のように道を外れて、曖昧模糊な状態であっぷあっぷしているような人間に対しては、過去の自分が教えてくれることもあるかもしれない。

 実際、気付きはあった。12才の「調べてまとめることが好き」な「ぼく」は、24歳の「考えてブログにまとめることが好き」な「僕」に至るまで、両者は地続きになっている。取るに足らないひとつの「性格」だけれど、それが再確認できただけでも収穫でございます。

 

 その時その時の考えや、感情を残しておくことの大切さ。当時は「何の意味があるんだろう」と嫌々ながら書いていた文集や作文も、未来の自分に気付きを与えてくれる、意味のある記録となりうる。やっぱり、ライフログって大事。

 言うなれば、たまに過去を振り返って、昔の自分に殴られに行く作業。昔に戻って、闘魂注入。自家発電。一番身近で、手軽にできる、これもひとつの自己啓発、なのかな。

 

 

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