ぐるりみち。

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営業マンってどんな生活をしているの?〜とある企業で働く自分の場合

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photo by paul goyette

 

 「おはようございまーす!!」

 

 朝7:50。営業所の扉を押し開け、大声で挨拶をすることから、僕の一日は始まる。副所長の「はよーっす!」という大声、事務員さんの「おはよう」という静かな声、それと、数人の先輩の声が耳に入る。タイムカードを通して……うし、今日もがんばるべ。

 

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 20人近くが勤務する営業所の中で、僕は出勤するのが早い方だ。すぐ近くの寮住まいということもあるけれど、ちゃっちゃと作業を済ませ、早々に営業に出たいので。早め早めの動きを心がけないと、仕事が終わらない。遅くなったらなったで、怒られるし。

 別に、「新人は早めに出勤しろ」とは言われているわけではない。むしろ残業代削減のため、きっちり定時に出勤し、退勤するように指導されている。もっとも、9:00〜17:00という「本来の定時」ではなく、8:00〜19:00という「定時」だけれども。

 

 グループごとに分かれている自分の席について、目の前で机に向かっている先輩に挨拶。非常に面倒見が良く、真面目で頼れる「お兄さん」のような彼。同じ寮生で、いつも僕より10分以上は早く出勤している。できれば僕ももうちょい早く出たいのだけれど、「あまり早いと所長に突っ込まれるから……」とのこと。うむむ。

 聞けば、僕の担当しているお客さんから注文が入っていたらしいので、事務所の電話でメッセージを確認する。本当だ。常に胸ポケットに入れているメモ帳に、必要な分を記入。出る前に、忘れないように持っていかないと。

 

 諸々の事務作業と、アルコール検査を行い、営業車へ。おっと、注文された商品も忘れずに。しばらく、車の点検、今日回るお客さんの順番などを確認していると、先輩に呼ばれた。時計を見ると、8:30。朝礼の時間だ。

 朝礼は、グループごとの持ち回り制。だいたい、月に1、2回は前に立って、声を張り上げることになる。「ぶっちゃけ、社是だとか経営方針だとかを唱和するくらいなら、早く仕事に入らせてくれよ……」とは、多くの先輩方の談。朝の数分が惜しいほどに、各々の仕事量は多い。

 

 真面目くさった顔で、所長の小言を聞き流す作業を終えると、リーダーから細かい指示を受ける。下っ端である僕らが、与えられた仕事を確実にこなさなければ、所長から罵声を浴びせられることになるのは、彼らリーダー。

 そうなっては申し訳ないし、見ていて気分の良いものではないので、しっかりメモ。でも先輩、それを全部こなすには、時間がいくらあっても足りないのですよ……。

 

 9:00。営業車に乗り込んで、いざ出発。幹線道路を抜けて、自分の担当である地域へ向かう。一番近くて、10分ほど。最奥まで行くと、40分はかかる。これから暗くなるまで、ひたすらその間を行ったり来たりすることになるのだ。

 自前のiPodを車に繋いで流しつつ、車を走らせること15分。本日、一軒目のお客さんのもとに到着。注文された商品を納品しつつ、軽く雑談。僕の担当地域はドのつく田舎であるため、相手となるお客さんは、中年以上、年配の方が多い。もちろん、話好きな人も多く、気付けば1時間も話していた、なんてことも珍しくない。僕も楽しいからいいんだけど、仕事ががががが。

 

 そんな感じで営業活動に励みつつ、気付けばお昼時。営業とはいえ、なかなか重い商品を運ぶ仕事であり、しかもあちこちを歩き走り回るため、休憩は重要。先輩方の多くは、「休んでる時間なんざねーよ!」と、運転しながらおにぎりやパンを食べるか、もしくは昼食抜きということもあるらしい。

 けれど、その調子で仕事を続けていたところ、集中力は切れるわ、事故りかけるわと、入社して日は浅くとも、非常に危ない経験をしてきた僕。どんなに忙しくとも、休憩はできるだけ取るようにしている。田舎のどデカいコンビニの駐車場に車を停め、速攻で飯を食い、最低10分はお昼寝タイム。そうでもしないと、身体がもたんですわい。一応、就労規定でも「休憩1時間」って書いてあるしね。文句は言わせない。

 

 この仕事の良いところは、常に外回り営業のため、時間の使い方が自由にできる点だ。効率よく仕事のできる人や、他と比べて楽な地域の担当になれば、休みながら、割とゆったりと回れるらしい。が、基本的に仕事量がべらぼーなため、なかなかそんなことにはならない。

 立ち回りや効率性など、その辺りの調節が本当にうまい人ならば、最低限、「上司に怒られない程度」に仕事をこなして、あとは車で寝てる、なんて人もいるとかいないとか。そもそも、新規案件に関する成績を除いて、日々の仕事内容が給料に左右されるわけではないので、全体的に、社員のモチベーションは低い。あかんこれ。

 

 多分に漏れず、僕もあまりモチベーションの高い社員ではなかった。流石に入社1年目は、やる気に満ち溢れた新入社員だったけれど、仕事を覚えた2年目は、営業特有の「ガツガツした感じ」などはどっかに吹っ飛んでしまった。だって、新規取れないし。

 ところが、そんな「程々に頑張って」いた2年目の方が、成績は良かったという。人と話すのは好きなので、仕事云々はそっちのけで、お客さんとアホみたいな雑談ばかりしていた結果、仲良くなって、商品を買ってもらえた。んなもんですよねー。

 

 そんなわけで、営業マン精神なぞどこ吹く風、ゆっくりお昼寝を終えて午後の業務に入った僕は、営業先の会社の受付のおばちゃんズと井戸端会議に突入。ふらっと現れた某運送会社の兄ちゃんも加わって、テレビ番組がどうの、中学生の息子がどうの、など、取り留めのない話に花を咲かせるお昼過ぎ。あ~、僕も事務になりたひ~。

 と、まったりしていたところに、営業所から電話である。クレームが入った模様。うへえ。まあ長居しすぎた感もあり、おばちゃんズと兄ちゃんに手を降って退散することに。後は任せたぜ、兄ちゃん。

 

 車に戻ると、クレームがきたというお客さんのもとに電話し、丁重に謝罪した上で、状況を確認する。どうやら、自分が行かないとどうにもならない状況らしいので、重ねて謝罪しつつ、お客さんのところへ向かうことに。

 営業車を飛ばすこと、20分。こりゃあ帰りが遅くなるぞ……と、この後を考えて落ち込みつつも、まずは目の前のお客さんに改めて謝罪。よく話をする相手だったので、「まあこんなこともあるよ~」と、あまりお怒りになられてはいないようだったので、一安心。そして、再びの雑談タイムである。

 

 「また何かありましたら~」というお決まりの台詞をかけて、クレームの処理はひとまず完了。外に出ると……暗っ!もう夕方じゃないですか。

 その日中に行かなければいけない営業先がまだ数カ所、残っているため、リーダーに電話し、遅くなりそうなことを伝える。どうやら、先輩方も予期せぬクレームに見舞われたらしく、遅くなる人が結構いるらしい。よし、それなら、まだ少しはやりやすいぞ。

 

 全力で素早く残りの営業先を回って、時計を見ると、もう19:00。基本的には、18:00過ぎくらいまでには営業所に戻り、19:00には退社するように言われているので、その時間は軽くオーバーしている。

 けれど、繁忙期はもっと遅くなるのが当たり前だし、所長も「まあ仕方ないか……」と思っているようだけれど、時々、言っていることが変わるので困る。時間に厳しくすれば、仕事が終わらないし、仕事を完璧にこなそうとすれば、帰りは深夜になる。どう考えても、バランスが取れていないから、仕方ないとも思うけれど。やっぱり、「定時」なんて幻だったのだ……。

 

 帰りを急ぐ車が多い国道、運転に気を付けつつ、営業所を目指す。道すがら、毎日、30分以上は走り続けることになるので、いつもこの時間は車の中で一人カラオケタイム。前後の車に分からない程度に熱唱。はっはっは。楽しい。

 

 19:30。営業所に到着。ちらほらと駐車場にスペースがあるので、まだ帰っていない先輩もいるらしい。最後じゃなくて良かった。本来なら、車内の荷物を入れ替えたり掃除したりしたいところだけれど、遅くなればなるほど怒られるので、急いで所内へ。

 戻ったことを大声でアピールしつつ、自分の席へ。先に帰っていたリーダーに今日の報告をしていると、所長から「遅いから明日に回してさっさと帰れ」との言が。了解です。最低限の作業を終え、タイムカードを切って、逃げるように退勤。こうして、事務作業を含めた仕事がどんどんと溜まっていくのです。うぼぁ。

 

 「お先に失礼しまーっす!お疲れ様でしたー!」

 

 ぎりぎり、20:00前。退社。今日も疲れたでござる。

 

※この文章はフィクションです

 ふと、働いていた頃、どんな生活してたっけ……と考えたので、思い出して書いてみました。やる気のなさに溢れておる。HAHAHA!

 ただ、今になって考えてみても、当時の会社でモチベーションの高い社員が少なかったのは、仕方がないんじゃないかなー、とも思う。

 

 毎月降りかかるノルマ地獄と、一人では到底こなせない作業地獄、しかも、それらを達成したからと言って、確実に上がるわけでもない給料。そりゃあ、腐る前に逃げ出す社員もいっぱいいまっせ。

 しかも話によれば、うちの営業所は、他と比べるとかなり緩かったらしい。

 酷いところでは、残業時間がとんでもないことになるわ、残業代は出ないわ、ノルマ未達成で商品を買わされるわ、もう聞いただけで顔が死んでくるような労働環境。世間にブラック企業扱いされても文句は言えないよ……(※ 黒い部分はボカしているので、人によっては楽に見えるかも)

 

 けれど、仮にも名の通った大手企業。モチベーションは上がらずとも、収入はまあ安定していたし、福利厚生も悪くない。条件としては決して悪くないどころか、多分、そこそこ良い方に入るのだろう。出世コースに乗れば、うっはうは。乗れれば。

 僕の場合は、休日出勤の融通の効かなさと、ずっと続けるのは無理!と判断したので、1年半で辞めてしまいました。うまく別の部署に異動できればいいのだけれど、実績を上げられなければ、身体をぶっ壊すまで、40代になっても、肉体労働を続けさせられるという。

 さすがにそんな気力はないし、身体の健康が一番です。すんません。

 

 

 

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