気持ちを切り替える「スイッチ」を意識する


 夕暮れ時、久しぶりにジョギングをしてきました。まだ雪の残る道を、ぶらっと。とっとこ走るよ。すみっこ走るよ。

 無職生活で、単純に運動不足ということもあるのだけれど。それ以上に、やる気が出ない。ストレスなのか、夜更かしが悪かったのか、ただ漠然とした不安があるのか。理由は分からないけれど、「これじゃあかん!」と思い、気分転換にダッシュ。程良い疲れはあれど、何もやる気がない状態は脱せたみたい。よかったよかった。

 

 やる気や集中力を持続させることの出来る人も世の中にはいますが、多くの人は、どこかでモチベーションが下がるタイミングがあるかと。そんな時、自然と回復するまで、ぐでーっと休むのもひとつの手ですが、休んだ後、気分転換によって、気持ちを切り替えられたらベストだと思います。そんな話。

 某学習塾の「やる気スイッチ」じゃありませんが。やる気を起こすというよりは、気分を変える、「切り替えスイッチ」的なもの。

 

「気分転換」の方法は人それぞれ

 試しに「気分転換」で検索してみたところ、ライフハック系の記事がちらほら。

 

 一番下の「プチうつ」の記事を読んでみると、

  • 気分の沈み込みがある。
  • 笑うことがなくなった。
  • 今までにない疲労感が続いている。
  • 集中力・注意力が低下している。
  • 将来に希望がないと思う。
  • いつもイライラしている。

 とあり、「これが30代女性に多い『プチうつ』だ!」と仰る。

 

 やべえ! 当てはまりまくりだ! 大変だ! ぼく、プチうつだよ!間違いないよ! 20代男子だけど気分はアラサー女子だよ! きゃー!

 

 ――などと一人で盛り上がれる余裕があるので、多分、そんなことはないのでしょう。はい。

 この手の記事では、「効果的な気分転換法」が具体的にリストアップされている場合が多い。映画鑑賞、買い物、旅行、酒、友達と話す、動物と戯れる、などなど。

 ただ、誰にでも100%効果のある、万能の「気分転換法」はないと思う。どれかしら当てはまるものはあるだろうけれど、効果が限定的な場合も考えられる。旅行ならどこでもいいわけじゃなく、「私は軽井沢じゃなきゃイヤ!」なんて人もいるだろうし、映画でも「感動系は嫌いだ! 俺はスプラッタで癒される!」なんて人だっているかもしれない。

 つまり、気分転換の方法は人それぞれに異なっており、自分に最適な気分転換法=切り替えスイッチを知っておく必要がある、ということ。まあ当たり前ですけどね!一応、確認として。

 

段階的に「切り替えスイッチ」を複数持つ

 これだけだと、既にネット上に数多ある記事と変わらないので、もうひとつ、僕なりの考え方をば。

 他の人に当てはまるかは分かりませんが、僕の場合、ただ気分転換をしただけでは、効果が現れないことがある。自分にとって、何が楽しいもので、気分転換に効果のあるものか、何が切り替えスイッチであるかは理解しているつもり。けれど、スイッチを押しても押しても、不発に終わってしまうことがたまにある。

 

 多分、その時々で必要としている「気分転換」がばらばらなんだと思う。一口に「やる気が出ない」と言っても、単に気が乗らないこともあれば、身体もしくは精神が疲れきってたり、嫌なことで落ち込んでいたりすることもある。だから、常に「これをやればいい!」では通用しないことがある。

 そんな時のために、僕は複数のスイッチを用意しておき、順番に押していくようにしている。あれがだめならこれ、これもだめならそれ、それもだめなら……と、どんどん押していって、やる気が復活するまでいろいろやり続ける。なので、端から見たら「なにあいつ遊びまわってるんだよ……」と受け取られることもあったり、なかったり。しょうがないじゃん。やる気出ないんだし。

 

僕の「切り替えスイッチ」

 具体的にどんなもんかと言うと、僕の場合はこんなもん。

 

1. 寝る

 「だめだー!集中できん!ぐあー!!」となったら、まずは寝る

 「今日の自分と、1日前の自分は別人」という言葉もあるように、気分を切り替えようとするのなら、一度眠りに落ちてしまうのが、単純かつ効果的。単に寝不足だったのなら回復するし、嫌なことがあった時も寝れば忘れる。僕にとっては。

 

2. 本・マンガ・ゲーム

 寝てダメなら、次はこれら。本・マンガを読むか、ゲームをする。ザ・気分転換。

 「気持ちの切り替え」という面で見れば、これらの活動はさほどエネルギーを消費せず、そこそこ没入のできるものだ。それらの物語・世界観に入り込むことで、気持ちを一度リセットする役割を果たしているように思う。映画もあり。

 

3. 音楽を聴く・歌う

 それでもダメなら、僕はカラオケに向かう。俗に言うヒトカラである。

 普通に音楽を聴く行為も気分転換にはなると思うけれど、割と日常的に音楽を聴く生活をしているので、あまり効果は期待できない。ので、歌う。思いっきりシャウトする。軽度のストレスならば、これでだいたい吹っ飛ぶ。

 

4. 走る

 熱唱しても効果が見られなかったら、走る。とっとこ。すみっこ。

 運動神経はないけれど、身体を動かす行為は大好きな僕。走り回って、疲れれば、すっきりする。単純思考である。今回は、ここまでやって回復したみたい。

 

5. 飲む

 身体に鞭打ってもダメならば、肝臓に鞭打つ。呑んだくれるのです!

 とは言っても、僕の場合、一人で飲むことは滅多にしないので、誰か友達と飲みに行くことになる。飲んで、酔って、文字通りいろいろと吐き出せば楽になるのです。あ、でも友達に迷惑をかけるのはよろしくないので、あまりこの手は使わないや。

 

6. 旅に出る

 僕の最終手段は、ぶらり旅。とにかく遠くへ行く。

 結局のところ、本当に「気分」を変えようとするのなら、旅に勝るものはないと思う。他の手段は、いずれも「日常」の延長線上で行われるもの。だけど、知らない土地へ行き、知らない場所で眠り、普段は食べないものを食べるような旅行は、紛れも無い「非日常」。そりゃあ気分も変わりまっせ。

 なので、旅行するなら、なるべく行ったことのないところへ。ただ、自分の好きな場所で落ち着くのも効果的だと思うので、時により。尾道らぶ。

 

やるなら徹底的に!

 ――とまあ、めっちゃ主観的に「気分転換」について書いてみましたが、もいっこ付け加えるとしたら、とにかく徹底的にやること。軽い気分転換なら、ちょっとやって終わり、でもいいと思うけれど、「完全にこの気分をリセットしてやるー!」くらいの気概なら、中途半端はよろしくない。

 寝るなら数時間。マンガを読むなら全巻。歌うなら喉が枯れかけるまで。走るのも限界近くまで。旅に出るなら遠くへ、数日以上。……あ、飲むのはほどほどで。

 

 ひとつのことをやりきってしまえば、自然と「よし、じゃあやるか!」という気分になるもの。だから、せっかくならばとことんまで気分転換した上で、次の行動に移った方がいいんじゃないかな。

 あれだ。「試験前に部屋の掃除をしたくなる現象」と似ている。「勉強……の前に掃除するぞー!」と掃除をするのなら、隅々まで完璧にきれいにしてしまうことで、次の「勉強」という行動に対する逃げ道をなくしてしまう感じ。そうすることで、勉強にも身が入るもんだ。たぶん。

 

 やる気が出なくなったり、落ち込んだりしたら、いろいろ試してみて、自分だけの「切り替えスイッチ」を見つけること。その上で、複数のスイッチを使いこなすこと。

 なんでもかんでも意識高く取り組んでたら疲れちゃうし、ダメだと思ったら一休み。その後、じゃあどうやってやる気を出そうか、と考え、行動に移せばいいのでさ。

 

関連記事