ぐるりみち。

日々日々、めぐって、遠まわり。

イベントメモ:ニートの真相!――インターネット時代における金と幸福の倫理学

 先週末、ゲンロンカフェで開催されたトークイベントに行ってきました。もう1週間近く経ちますが、せっかくなのでメモをまとめておこうと思いまして。

 イベントの概要、登壇者のプロフィールは、以下をご覧ください。

 

 斎藤環×pha 司会:坂上秋成「ニートの真相!――インターネット時代における金と幸福の倫理学」 @pentaxxx @pha @ssakagami | Peatix

 ひきこもり・ニートを考察してきた精神科医である斎藤環と、『ニートの歩き方』著者でありギークハウス創設者でもあるphaが語るインターネット時代の人間像!

 (中略)

 労働と金、そして人間の欲望と自由に関する「ニートの哲学」が展開される。 生の多様性と人間の条件にまつわる新たな「生存戦略」の真相を見よ!

 

 phaさんの著作、『ニートの歩き方』を勤めている時に読んで、「こんな生き方もあるのか!」と感銘を受け、ついでに自分自身も現在はニート生活を享受していることもあり、「働く」ことについて話を聞いてみたかったので。

 ニートの視点から「働く」ことについて考えられるのは、ニートである今だけ。ならばせっかくだし、行ってみよう!ということで、五反田まで足を伸ばしてきました。

 

 約2時間のトークイベント。本記事は、その内容のメモと、自分の考えたことの覚え書きになります。

 

 

※以下、敬称略。

※自分が聞いて、メモしたものを書き写したものになります。そのため、発言者の意図とは異なる表現、書き方をしている可能性があります。

 

 

pha「最近やることも増えてきて、そろそろニートをやめるのもいいかなーと。ニートはやめても、だらだらと生きたい」

 

斎藤「ニートと引きこもりの違いは、仲間がいるかいないか」

斎藤「(「働く」ことについて)概ねphaさんに賛成。就労したくない人はしなければいい。働くことで承認を得ようとする人は少なからずいるので、それでも経済はまわる」

 

斎藤「ネットの承認は希少性が低い。簡単に得られるので、価値も下がる。ネットだけでは、人の承認欲求は満たされないことが分かった」

 

斎藤「『LINE依存』という話は聞かない。PCの方が依存性の強い印象がある」

pha「Twitterはオープンすぎて疲れる。最近は、Facebookの方がよく使う」

 

坂上「ニートはシェアハウスなどの存在で、最近は『おしゃれ』なイメージが現れてきているが、世間的にはまだ『働いたら負けかな思っている』の男性のイメージ」

 

坂上「ずっとニートでいるんじゃなく、辞めたくなったら辞めて、ぶらぶらして戻りたくなったら簡単に戻れるような社会が理想的なのでは」

 

斎藤「ギークハウスは、『ただ一緒にいるだけで、それでいい』という緩い承認がある」

pha「互いに無関心というわけではないが、自由に、好き勝手暮らしている」

 

斎藤「ひきこもりもニートも、地方で暮らすのは大変辛い。親やご近所さん、周囲が介入してくる。その意味で、都会の匿名性は重要」

 

 

坂上「ニートは国家や社会にとって不良債権のような存在であり、そう扱われている。社会の公共性・公平性が維持できているかも怪しい現状では、暴力的ではないか」

 

斎藤「政府がニートを支援する目的は、納税者を増やすこと。今は40代のひきこもりが10万人いるとされ、20年後、年金受給の問題が現れてくる」

 

斎藤「ニートとひきこもりの存在に関しては、全肯定。実際、ずっとそれを続けられる人は少ない。承認欲求を満たすため、どこかで行動を起こそうとする」

 

斎藤「日本にはヤングホームレスが少ない。家族主義であり、家に帰ることができる(⇔アメリカの個人主義)」

 

pha「小さいコミュニティの在り方として、全員がバリバリ働いているよりは、ダメな奴が1人くらいいた方が、バランスがとれるのでは」

 

坂上「血縁関係においては、抑圧はあるが、いざという時に食わせてくれる。シェアハウスでは、抑圧はないが、人間関係が割と淡白」

斎藤「『絆』依存は気持ち悪い。抑圧性と強制力がある。ヤンキー主義」

 

坂上「最悪の状態に陥った時、誰もが『辞められる』環境を作るべき。その点、ベーシックインカムには肯定的」

 

斎藤「個人が不労所得を持つのは良いと思う。しかし、彼らが家族を持った時、教育や価値観の伝達がしっかりと行われるかどうか」

 

斎藤「(ベーシックインカムを導入した場合)保険料を払う人が激減するのではないか。そうなれば、いざという時に大問題となる」

 

斎藤「ベーシックインカムの支給が、ただ口座に振り込まれるだけでは、人との関係性が少なくなり、場合によっては孤立する人間が現れるのでは」

 

斎藤「ひきこもりの30%は発達障害という統計がある。実際はそんなにいないはず。欧米では10万人に8人というレベルなのに、日本はクラスに4人。社会的弱者をむやみやたらにカテゴライズしすぎ」

 

坂上「Twitterによるマッチング力に期待。何かを求めれば、誰かが助けてくれる」

 

pha「Twitterで発言を1年間ほど遡ることで、その人が信頼できるかどうかの判断基準となる」

 

斎藤「自分のことを考えすぎる人が多い。考えすぎると、壊れてしまう」

pha「自分のことは気になるけれど、他人のことは全然気にならない」

 

斎藤「ニート、ひきこもりの犯罪率は、驚くほどに低い。彼らが大人しくしているだけで、治安維持のコスト削減となっている、という見方も」

斎藤「働くこと=社会貢献とは限らない。他はお構いなしで自身の利潤を追求するだけの『労働』もある」

 

 

 以上になります。

 Togetterの方でphaさんご自身がまとめられている内容の方が確実かと思われますので、気になる方はそちらも参照ください。

 

斎藤環×pha 司会:坂上秋成「ニートの真相!――インターネット時代における金と幸福の倫理学」@ゲンロンカフェ - Togetterまとめ

 

 

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法
 
社会的ひきこもり―終わらない思春期 (PHP新書)

社会的ひきこもり―終わらない思春期 (PHP新書)

 
惜日(せきじつ)のアリス

惜日(せきじつ)のアリス