梨を求めて30km、稲城を目指した、ぶらりポタリング日記

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──冷蔵庫に、梨が、なかったんだ。
冷蔵庫に、梨が、ナッシング……そう、梨だけに(´・ω・`)

きっかけは、それだけで充分だった。僕の分の、昼メシのあとで食べようと楽しみにしていた梨が、妹に食われた。

……いや、正確には、現在進行形で食われている。僕の目の前で、シャリシャリとおいしそうな音を立てつつ、梨がナッシングっている。おのれ……。

 

許さんぞ、梨……。
許さんぞなっしぃぃぃぃいいぃぃいいいい! ヒャッハー!!!

 

この行き場のない感情と梨欲をどうしてくれようかと時計を見れば、14:00ちょうど。……今からなら、まだ間に合うぞ!

奮起した僕は、自転車にまたがり南へ向かった。目的地は、東京南部に位置する稲城市。1年前にOKPさんの記事で見かけて以来、ずっと気になっていた梨の名産地である。

梨のためならば、えんやこら。すでに走り出した思いは止めようがなく、はやる気持ちは梨の彼方へ。

せっかくのこの季節、おいしい梨を食べなければ、来る冬を乗り越えることなどできないのだ。──体は梨で出来ている。血潮は梨汁で、心は船橋。いざ行かん、稲城。

 

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幸せについてはよくわからないけれどそんなことよりメシがうまい

 

 改まって考えてみると、「幸せ」って随分と曖昧な感覚だよなーと思う。……あれ? そんなことない?

 別に、現在の自分が「不幸」だと思っているわけではありません。住む場所があり、なんとか暮らしていけるだけの稼ぎがあり、数は少ないけれど友達もいる。人並みの生活ができていて、趣味の活動をする時間もある。

 

 ……そんな状態を、まさか不幸だなんて!

 

 でも同時に、「今この瞬間が、とてつもなく幸せ!」というわけでもないように感じる。

 なんとなーく日々を消費し過ごしているような感覚で、「幸せひゃっほぅ!」とテンションが上がることは年に何回もないんじゃなかろうか。不幸ではないけれど、幸せかどうかを問われると……それも、どこか漠然としているような。「幸せ」って、意外と掴みどころがない……気がする。

 

 そう考えると、「不幸」のほうがまだわかりやすい。脈絡なく突如として自分に降りかかる「不幸せ」は、理不尽で苦しくて、多くの場合で不可避のもの。

 たとえば、事件に巻きこまれたとか、事故の被害に遭ったとか、大切なものをなくしてしまったとか、身近な人がいなくなってしまったとか。

 予測不能の外的要因によって降りかかる不幸は、僕らをたやすく失意のどん底に落とし、すぐには立ち直れなくしてしまう。なかには「寝れば忘れる!」という人もいるかもしれないけれど、誰もがそうとは限らない。絶望と失意の度合いが大きければ大きいほど、傷を癒やすには時間がかかる。

 でも同時に、 “外” からもたらされるのは、何も「不幸」に限った話でもない。外的要因によって得られる「幸せ」だって、いろいろある。

 受験に合格したとか、昇進が決まったとか、恋人ができたとか。周囲の環境や人間関係が自分の望む方向へと動き、欲求が満たされた瞬間にこそ感じられる、幸福感。――こうして見ると、日常的に得られる「幸せ」はむしろ、外部由来のものが多そうですね。

 

 ただ、「幸せ」については、 “外” からもたらされるだけでなく、 “内” からこみ上げてくる場合もあるんじゃないかと思う。

 趣味の時間が楽しくて幸せ。うまいもん食って幸せ。寝る前に湯船に浸かっている瞬間が幸せ。思う存分に眠れる週末が幸せ――などなど。

 趣味もうまいもんも “外” のものではあるけれど、それでも「不幸」とは明確に性質が異なるように思う。なぜって、これらの「幸せ」は予測不可能なものではなく、自分で選択した行動によってもたらされた結果だから。

 

 つまり、外的要因に大きく左右される「不幸」をコントロールするのは難しい。でも、「幸せ」はそうでもない。……ふと、そのように思ったわけです。

 であるならば、どうしても受け身になってしまう「不幸」に対抗する形で、能動的に「幸せ」をつくり出し自覚することができれば、楽しく日々を過ごすことが可能なのでは……?

 自ら「幸せ」をつくり出す――なんて書くと、なんかヤバい薬やら催眠やらの領域に突入しそうな怖さがあるけれど、自覚的に幸福感を得ることは難しくないとも思うんですよね。自ずから「幸せ」を生み出し、自覚できるようになれば、人生を最高にハッピーでヒャッハーにできるはず。

 

 で、どうして急にこんな話を始めたのかと言いますと。先日、そういった「幸せ」を、珍しく感じられる出来事があったんですよね。

 我ながらチョロいとは思うけれど、思わず「あ~~~~! しあわせ~~~~!!」と、どこぞのウサギさんのように叫んでしまうくらい。

 

 それが、メシである。お酒である。
 より具体的に言えば、日本酒
 具体名を挙げれば、喉黒磯自慢

 

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のどぐろ!日本酒!東京駅前の個室居酒屋『天地旬鮮 八吉』でまったり - ぐるりみち。

 

 ちょっと前に口にしたそれらが、なぜか無性に美味に感じられて、心底からハッピーな気持ちになったのでした。「うまい!」や「最高!」でなく、自然と「しあわせ~~~~!!」という感想が口をついて出てしまった感じ。我ながらびっくり。

 実際、その瞬間は本当に気持ちよかったし、その後もしばらく幸福感が持続していたように思う。家に帰ってもニッコニコ。寝て起きてもニッコニコ。さすがにそのまま外出すると通報されそうなので、玄関を出た瞬間にスッ……(・_・)と真顔に戻りましたが。

 

 ……でも、飲み会はほかにもあるのに、どうしてその日だけ多幸感に満ち満ちていたのだろう?

 

 理由はいくつか考えられるけれど、「普段は口にしないうまいもん」を「気心の知れた友人」と一緒に飲み食いしたことが大きかったのかなーと。

 いや、だって、喉黒なんて初めて食べましたもん。お高いだけあって、めっっっっっっちゃくちゃおいしかった! それを、ひさしぶりに会った大学の友人と一緒にもぐもぐできたことで、「おいしい!」メーターを振り切り、「しあわせ!」のレベルまで達したのではないかと。

 「うまいもん食って幸せを感じられるなんて、チョロい奴だな!」と思われるかもしれませんが……まあそのとおりっすよね、はい。しかしその一方で、自分がいつ、何に対して「幸せ」を感じるかというのは、その時々によって変わってくるんじゃないかとも思うんです。

 自分について振り返ってみても──たとえば会社員時代だったら、「メシ」よりも「風呂」が幸せの源泉となっていたので。

 毎週末、肉体労働で疲れ果てた体を癒やすべく、ド田舎から電車で1時間以上かけて通っていた、スーパー銭湯。その露天風呂──特に寝湯で寝転んで空を見上げる瞬間が、とてつもなく「幸せ」に感じられていたことを覚えています。風呂は命の洗濯よん☆

 

 つまるところ、「自己完結」できることが「幸せ」の強みなんじゃないかと。

 

 日常生活は忙しなく、人間関係はままならず、度し難い理不尽に見舞われながらも、「自分はこうすれば『幸せ』を感じられる」というものを持っておけば、毎日を楽しく過ごせるのではないかしら。

 自分の「幸せ」の在処を言語化しておけば、いざという時の避難場所にもなりますし。不幸を感じたら、うまいもんを食う。風呂に入る。早寝する。酒を飲む……のは、逆効果の場合もあるのかな。いずれにせよ、「ワシの幸せはこれじゃ!」と言えるものがひとつはあったほうが良さそう。

 

 そんなこんなで、自分がどういったときに「幸せ」を感じられるか、没頭できるほどに楽しめる活動は何かといった点を把握しておくことの大切さを、改めて感じたのでした。

 なんともわかりにくい、しかも自己啓発っぽい話になっちゃったけれど、要するに「うまいもんはうめえ!」ということが言いたかっただけなのです。1人では晩酌すらあまりしないけれど、友人と飲む日本酒は最高においしい。そこにうまい肴があれば、言うことなし。

 これから年末にかけて、「幸せ」を感じる機会を増やしていけたらいいな、っと。

 

 

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10年待ちわびた劇場版「Fate[HF]」が控えめに言って最高だった

第2章『lost butterfly』の感想はこちら↓

 

待ちに待った劇場版、まさか叶うとは思っていなかった桜ルートの映像化、映画『劇場版「Fate/stay night[Heaven's Feel]I. presage flower」』を観てきました。いやー、この日を何年待ち望んだことか……!

 

 

そう、10年である。2004年の原作ゲーム発売当時からのファンにとっては、13年。そのしばらくあと──DEEN版アニメが放送される前くらいの時期に触れた自分にとっても、10年以上。マジでこんな日が来るとは思っていなかった。ありがとうufotable。ありがとうきのこ。

2010年には凛ルートが劇場上映され、2014年には『Fate/stay night[Unlimited Blade Works]』としてテレビアニメ化。それだけでもう「ありがてえ……ありがてえ……」と感涙ものだったのに、まさか桜ルートまでが映像化され、それが劇場の大スクリーンで観られるなんて!

そんなわけで、『劇場版[Heaven's Feel]』のざっくり感想です。

 

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『天地旬鮮 八吉』東京駅前の個室居酒屋で海鮮と日本酒を味わう

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 ──ふと、魚を食べたくなる瞬間が、ある。

 普段は魚を食べていない、というわけではありません。ちびっ子時代は鮭フレークが大好きだったし、スーパーのパック寿司は紛れもないご馳走。少年時代は内陸で暮らしていた期間が長かったためか、憧れの「海」を想起させる魚介類を見ると、自然とテンションが上がっていた覚えがある。

 そう、海なし県の埼玉民は、魚と寿司がだいすきなのだ!(※個人の印象です) 週末の贅沢といえば、ステーキのどん、馬車道、そしてがってん寿司。ネオサイタマのスシ・バーは、遥か古来より内陸民の血肉となっているのだ。「体力回復にはまずはスシ」――ニンジャもそう言っている。

 たまに無性に魚を食べたくなるのが、サイタマゲットー民の性(今は都民だけど)。そんなわけで先日、「久しぶりに魚類を喰らうぞー!」と雄叫びをあげる友人(現役埼玉県民)と共に行ってきたのが、海鮮系の居酒屋。そちらの料理がおいしかったので、ざっくりとご紹介します。

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『プリンセス・プリンシパル』はいいぞ!その魅力と感想をざっくり紹介(ネタバレなし)

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TVアニメ『プリンセス・プリンシパル』 オープニング映像 - YouTubeより

10月に入り、世間的には秋アニメが盛り上がりつつある今日このごろ。「忘れないうちに夏アニメの話をば!」ということで、これだけは外せなかった。

黒星紅白@kuroboshi先生がキャラクター原案を手がけているということで気になっていた、アニメ『プリンセス・プリンシパル』。1話で惹きこまれ、2話で騙されていたことを知り、5話の殺陣に興奮し、6話EDに泣き、8話で歯止めが効かなくなった。

スチームパンクな世界観に「スパイ」という作品テーマ。『コードギアス』でおなじみの大河内一楼@ichirou_oさんがシリーズ構成と聞けばほぼ視聴は決定したようなものなのに、さらにダメ押しの「音楽:梶浦由記@Fion0806。これは見るしかあるめえ!

ということで、すでに最終回を迎えてからしばらく経ちますが、ざっくりと『プリンセス・プリンシパル』の紹介をば。ネタバレはありません。

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